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日本の「地下水」をめぐる攻防戦 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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紀元前から続く「海水の淡水化」チャレンジ
昨日は、「世界の水不足」について色々とお話しさせていただきました。
ザックリとおさらいすると、「世界の人口が物凄いスピードで増加していて、2000年で60億人だった人口が、気がついたら80億人になっていて、2030年には85億人になるそうだけど、水とか大丈夫そ?」ということ。
あとは、「地球は『水の星』とか言われてるけど、うち97.5%は海水で、人間の生活に必要な淡水は2.5%で、そのうちのほとんどは、南極や北極の氷や氷河なので、なんじゃかんじゃで、人間が使える淡水って、ほとんど無いじゃーん」ということ。
「川」とか、目に見えるところにある「淡水」は、地球全体の水の0.01%だそうで、「これは流石に足りなくなってくるんじゃないの?」というわけで、今、いろんな手が打たれているんですね。
有名なところでいうと、「海水利用(海水の淡水化)」ですね。
調べてみると、人間は紀元前から「海水の淡水化」にチャレンジしてきたそうです。
「海の水が飲めたら、最高なんだけどなぁ」というのは皆が思いつくテーマなんですね。
現在も海水淡水化施設というのは世界中にあって、とくにサウジアラビアが凄いみたいです。
サウジアラビアは国土の大部分が年間降水量100㎜未満の乾燥地帯で、水資源が圧倒的に不足しているので、海水淡水化は必要に迫られているんですね。
ただ、海水淡水化は、まだまだ、かなりエネルギーを食うみたいで、今は「省エネ」にチャレンジ中です。
海水淡水化の技術がどんどん上がってきているというのに(一見、解決に向かってそうなのに)、それでも世界で「水が足りない!」と叫ばれているということは、よっぽどマズイ状況なのかもしれません。
「地下水」って誰のもの?
そこで注目されているのが「地下水」の活用ですね。
川のように「目に見える淡水」よりも、地面の下に流れている「目に見えない淡水」の方が圧倒的に量は多いので、これを上手く使えたら最高じゃないですか?
というわけで「地下水」について調べてみたのですが、「そもそも地下水って誰のものなの?」という疑問にブチ当たりました。
昔、うちの田舎のオジちゃんの家の庭に井戸があったんですけども、あれ、地下の水を勝手に汲み上げて使っているわけですよね?
そんなことしていいんだっけ?
調べてみると、「地下水は皆のものですよ〜」という「公水論」と、「地下水は土地所有権のものですよ〜」という「私水論」があるそうです。
これは国によってバラバラです。
日本には「地下水」のガッツリとした法律がないんですけども、民法207条に「土地の所有権は法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ」とあるんです。
要するに、「その土地の上空も、その土地の地下も、その土地の所有者のものですよ」というルールですね。
ということは、その土地の地下にある「地下水」は、その土地の所有者のものといえる。
ただ、このルールができたのは、まだ「手」で井戸とかを掘ってた時代で、今みたいに最新の機械を使って本気で掘る技術が無かったんですね。
なので、「まぁ、個人が取れる地下水の量は、たかが知れてるっしょ」みたいに思われていたから、そういうルールになった。
だけど、このルールは、やっぱり今の時代に合わない。
というのも、「地下水」って地面の下に溜まっているんじゃなくて、「川」と同じように“流れている”んです。
なので、ある土地の所有者が「ウチの土地の範囲内ですから」といって、最新の機械を使って地下水を大量に取ってしまうと、他所の土地の地下水が無くなっちゃう。
となってくると「地下水は皆のもの」という『公水論』で話をまとめればいいと思うのですが、これが、なかなか上手くいかないそうです。
というのも、地下水を使ってビジネスをしたい人は『私水論』を推し進めるだろうし、さらには地下水の上流の土地の所有者からすると『私水論』で何一つ不自由がないんですね。
なので、地下水の利用ルールに関しては「なかなか一枚岩になれていない」というのが現状です。
現在、大分とか熊本とかアッチの方や、あと、いくつかの地域では「地下水(ビジネス)利用の届出」を出して、許可が降りれば、「この範囲内であれば、使っていいっすよ」みたいにはなっているそうですが、まだまだ「地下水」に関するルールは整備されきっていないみたいです。
これから先、「水」は本当に不足してきそう
今回、水に関して色々と調べてみたのですが、都市伝説のように言われていた「外国資本が日本の土地を買い漁っていた」という記録は残っていて、当時の北海道議会は政府に対して「国土や水資源の争奪に対して、無防備すぎる」という旨の意見書を出してるんですね。
ここから先、「水」は本当に不足してきそうだから、ちゃんと勉強して、ちゃんと守っていった方が良さそうです。
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