人を雇うことを恐れちゃダメ

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人を雇うのを恐れすぎちゃダメ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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「その人だからこそ、その選択をする」という領域
昨日、品川庄司の品川さんが、『音楽と森の美術館』まで車で送ってくださいました。
現地に着いてから二人で「ほうとう」を食べ、その間、僕は品川さんから脚本のこと、ネタ作りのこと、その他さまざまなことについて、ひたすらアドバイスをいただきました。
久しぶりに、芸人の先輩と後輩が水入らずで過ごす時間で、とても贅沢なひとときでした。
この模様は、近々、品川さんのYouTubeチャンネルで公開される予定です。
公開時期が近づきましたら、改めてご案内させていただきます。
さて。
そのドライブ中、当然のように「AI」の話になりました。
品川さんがどのようにAIを活用されているのかを聞かせていただいたのですが、その中でおっしゃっていたことが、僕自身、AIを積極的に使ってきた中で感じていたことと重なっていました。
それは、
「少なくとも現時点では、AIがどれだけ普及しても、監督の仕事そのものが無くなるわけではない」
ということです。
映画の場合、特にそれが顕著に表れるのが「カット割り」です。
品川さんが例に挙げていたのが、北野武さんの映画に出てくる、ものすごく長いロングショットです。
遠くから人物が歩いてくるだけのカット。
効率だけを考えれば、もっと短くできるかもしれない。
観客のニーズだけを考えても、必ずしも必要とは言えない。
場合によっては「無駄」と分類されるかもしれない。
でも、その「無駄」こそが個性であり、「監督・北野武」を成立させている。
そして、北野武という人物の過去の作品をAIに大量に学習させたとしても、「次の作品の、どの場面で、その演出を差し込むのか」までは分からない。
ましてや、「今の北野武が、次の作品で本当にその手法を使うのか」までは予測できない。
要するに、「北野武がAIを使うことはあっても、北野武がAIに置き換わることはない」という話です。
僕自身は、かなりのAI賛成派です。
ですが、品川さんが言っていた「ここは人間が必要だよね」という話には、映像を作っている立場として、ものすごく納得します。
AIは「過去に存在した正解」を、ものすごい速度で処理できます。
一方で、人間が担っている仕事の中には、そもそも「正解を出すこと」ではなく、「その人だからこそ、その選択をする」という領域があります。
そして、これは映像制作に限った話ではありません。
「AIで代替できない人」を雇うことの重要性
僕が以前から「AIでは生成できないもの=アンカー」の一つとして【癒着】を挙げているのも、まさにこの話です。
ここでいう「癒着」は、もちろん、悪い意味での不正な癒着を指しているわけではありません。
もっと原始的で、もっと人間的な、「この人だから頼める」「この人だから話を通してもらえる」という関係性のことです。
たとえば、ブロードウェイ村には、いわゆる「口利き役」のような人がいます。
「この劇場に話を通しておきますよ」
「この人を紹介しますよ」
「このプロデューサーに一度相談してみます」
こういう仕事です。
一見すると、AIが最も得意そうに見えます。
「ブロードウェイの劇場を検索してください」
「ミュージカルのプロデューサーを探してください」
「この案件に適した人物を探してください」
そんなことなら、AIはものすごい精度でやってくれるでしょう。
でも、最後の一手は、AIにはできません。
なぜなら、「紹介できる人の名前」を知っていることと、「その人に話を通せること」は、まったく別の能力だからです。
ブロードウェイ村の「口利き」は、名簿の上に存在している仕事ではありません。
長い時間をかけて築き上げた人間関係の上に成立している仕事です。
「あの人に頼まれたなら、やってみよう」
「あなたが言うなら、一度会いましょう」
「昔、一緒に仕事をしたから、今回だけは力を貸そう」
そういう、合理性だけでは説明しきれない判断の積み重ねによって成立しています。
最近、「すべてAIで自動化して、スタッフを減らしました」という話を耳にするようになりました。
メチャクチャ共感できる一方で、なんでもかんでもAIを導入しまくって「効率化」を目指した先に待っているのは、「お前の仕事ですらAIでいいじゃん」になってしまうので、最近あらためて思うのは「AIで代替できない人」を雇うことの重要性です。
CHIMNEY TOWNもこの夏から新しい仲間を迎えましたが、その人はAIでは代替できない才能を持っていて、その力にメチャクチャ救われています。
当然、昔のようにどんどん人を雇ってしまうのもおすすめしませんが、人を雇うことを怖がりすぎるのも考えもんだよ、という話でございました。
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