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ブロードウェイの素敵で(日本人にとって都合が良い)文化 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は「ブロードウェイの素敵で、日本人に都合が良い文化」というテーマでお話ししたいと思います。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
お知らせ!『西野亮廣講演会』全国各地で続々開催!
『西野亮廣講演会』のお知らせです。
全国各地で続々と開催が決まっています。
7月2日(土)に沖縄、
7月16日(土)に豊橋、
7月18日(月)に福岡、
8月7日(日)に東京、
8月20日(土)に熊本、
9月4日(日)に岐阜で、それぞれ『西野亮廣講演会』がございます。
私、西野亮廣がマイク一本で1時間半ほど喋る変なイベントです。
チケットをお求めの方は、『西野亮廣全国講演会』で検索してみてください。
サロンメンバーさんが作ってくださったイイ感じのホームページに飛びますので、そちらから。
会場によっては、まだ、チケットを発売してなかったりしますが、そのへんはご容赦ください。
講演会開催情報
https://kouenkai.chimney.town
よろしくお願いします。
そんなこんなで本題です。
『29時間』というブロードウェイのフェアな文化
今日は「すごくフェアなブロードウェイの文化」というテーマでお話ししたいと思います。
少し前から、チョコチョコとお伝えしていますが、今週末にミュージカル『えんとつ町のプペル』のリーディング公演があるので、今、僕はニューヨークにいます。
「リーディング公演」というのは、ブロードウェイの関係者向けにおこなう「ストーリーのお披露目(プレゼン)会」です。
ウチのチームとしては、今回のリーディング公演では「クリエイターさん」向けにおこなって、そこで反応をいただいて、ブラッシュアップして、あとは仲間を増やしたりして、
そして次回のリーディング公演を「投資家さん」向けにおこなう…というスケジュールになっています。
「投資家向けに公演をおこなう」というのが実にアメリカっぽくて素敵なんですけども、今日は、その一歩手前にある素敵な文化を紹介したいと思います。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、ブロードウェイには「ユニオン」という組合があって、役者さん達は「やりがい搾取」みたいなことが起きないように、このユニオンでしっかりと守られてるんですね。
日本だと、「あいつ、頑張ってるし、一緒に居残って作業を手伝ってあげよう」という情や情けが入ってきたりするのですが(それも素敵な文化)、ブロードウェイだとそれはなくて、時間になるとスパッと帰るんです。
ここの時間をオーバーしちゃうと契約違反で、下手すりゃ、ゴリゴリに訴えられちゃうんです。
そんな中、今回のリーディング公演でもやっているのが(正確な呼び名は知りませんが)『29時間』というゲームです。
「稽古と公演時間を合わせて『29時間以内』におさめなきゃダメよ」というルールがあるんです。
これはウチのチームだけじゃなく、皆がやっているんです。
皆、29時間で仕上げるんです。
リーディング公演に集まった関係者(投資家さん達)は、「29時間で作られた作品」を見て、値踏みするわけですね。
なんか、アメリカって「結局、大資本がその圧倒的な資本力でもってオラオラやってんでしょ?そんなにお金をかけて作られたら、日本勢は太刀打ちできないじゃん」というイメージがありますが、それはずっと後の話で、この時点では、巨大なカンパニーが、その資本力でオラオラすることができないんです。
強いカンパニーも、弱いカンパニーも、「同じ条件」でプレゼンするんです。
当然、リーディング公演では、舞台セットも照明も衣装もなく、「台本のみ」なので、本当に同じ条件です。
「盆栽」とか、「茶室」みたいな感じで、まずは規格を合わせて、「この規格の中で、お前はどれだけやれるの?」という実にフェアな才能勝負になっていて、ここが本当に最高だなぁと思いました。
逆に、投資家からすると、「規格を合わせているからこそ、作品の可能性を品定めしやすい」というメリットがありますね。
「規格を合わせている世界戦」に参戦していくことが大事
資本という資本を持ち合わせていない日本人として、常日頃思うのは、「規格を合わせている世界戦」に参戦していくことがメチャクチャ重要だということ。
無差別級で殺り合ったら、最後は資本勝負に持っていかれて、確実に負けるので。
僕が「絵本」を選んだ理由も、まさにそれです。
時々、「リーディング公演とか、まわりぐどいコトをやらずに、いきなりドン!と公演しちゃえばいいじゃん!」と日本の方から言われたりするのですが、それこそ資本勝負で負けちゃうんですね。
かけられている予算も、かけられている才能も違いすぎるので。
「じゃあ、どうすれば日本勢がこのブロードウェイの壁を越えられるか?」ということを僕らはずっと考えて、試していっているわけですが、やっぱり、「郷に入れば郷に従え」で、ブロードウェイの文脈にのっとって、ブロードウェイで上演される作品を作りにいく…しかありません。
そして、これは全然遠回りなんかじゃなくて、先ほども申し上げたとおり、「初期の段階では規格を合わせたゲーム」なので、実は、すごく日本人に合った戦い方だと思っています。
昨日は、リーディング公演の稽古を途中で中断して、キャスト&スタッフを全員、映画館に集めて、『映画 えんとつ町のプペル』の鑑賞会をしました。
ここで、29時間のうちの「2時間」が削られたわけですが、「世界観を共有するには、必要な時間だよね」という判断です。
そんなこんなでミュージカル『えんとつ町のプペル』は、ブロードウェイを目指す他の作品と同じように「29時間」の時間割を考えながら、日本の皆様に明るいニュースをお届けできるよう今日も頑張っています。
あたたかく見守っていただけると幸いです。
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