謝罪の作法

2026年08月12日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/8099881

「誤解を与えてしまって申し訳ございません」は謝罪じゃない | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/8099881

 
 

謝罪の基本は、「事実と向き合うこと」

 
謝罪には、お作法があります。
 
年間2000回ぐらい謝罪をしている僕が言うのだから間違いありません(涙)。
 
謝罪の基本は、「事実と向き合うこと」です。
 
ここでいう「事実」とは、「自分が何をしたか」ではありません。
 
「自分の行為によって、相手が何を受け取ったか」が事実です。
 
たとえば、事前に「差し入れはNGです」と伝えられていたとします。
 
それにもかかわらず、「でも、喜んでもらいたくて」と差し入れを用意してしまった。
 
本人からすれば、善意です。
 
「嫌がらせをしたわけではない」
「喜んでもらいたかった」
「悪気はなかった」
 
おそらく本当にそうなのでしょう。
 
しかし、謝罪において重要なのは、本人がどういう気持ちだったかではありません。
 
確認すべきなのは、
「NGだと伝えられていたにもかかわらず、差し入れをした」
という事実です。
 
さらに言えば、その結果として、
「相手に、断る負担を発生させた」
という事実がある。
 
だから謝罪するのであれば、
「喜んでもらいたくて、つい差し入れしてしまいました。そんなつもりはなかったんです」
ではなく、
 
「差し入れがNGだと事前に伝えていただいていたにもかかわらず、自分の判断で差し入れをしてしまいました。その結果、断る負担まで負わせてしまいました。申し訳ありませんでした」
です。
 
この違いは大きい。
 
 

「謝罪」の中で、もっとも使ってはいけない言葉

 
そんな「謝罪」の中で、もっとも使ってはいけない言葉があります。
 
それは「誤解を与えてしまって…」です。
 
「誤解を与えてしまった」
という言葉には
 
「僕はそんなつもりじゃなかった。あなたが間違って受け取ってしまった」
というニュアンスが含まれています。
 
つまり、責任の所在が相手に移ってしまう。
 
もう1つ、謝罪でよく起こる間違いがあります。
 
それは、「意図」を先に説明してしまうことです。
 
「そんなつもりはありませんでした」
「悪気はありませんでした」
「良かれと思ってやりました」
「僕としては応援したかったんです」
 
これらは、本人にとっては重要な情報です。
 
ただし、謝罪の第一声としては、あまり重要ではありません。
 
なぜなら、「悪気がなかったこと」と「問題のある行動をしたこと」は両立するからです。
 
悪気がなくても、人を傷つけることはある。
 
善意でも、人に負担をかけることはある。
 
親切でも、相手が望んでいなければ、それは相手にとって迷惑になることがある。
 
なので、「意図」は免罪符になりません。
 
謝罪において最も大切なのは、相手を納得させるための美しい言葉ではありません。
 
「何が問題だったのかを、自分自身が正確に理解していること」を相手に伝えることです。
 
 

きちんと謝れる人

 
そろそろ話をまとめます。
 
謝罪には大きく3つの段階があります。
 
以下のとおりです↓
 
① 事実を認める。
「僕はこういうことをしました」
 
② 相手が受け取ったものを認める。
「その結果、あなたにこういう負担・不快・損失を与えました
 
③ 自分の責任として引き受ける。
「それについて、申し訳ありませんでした。今後はこうします」
 
必ず、この順番です。
 
相手が受け取ったものから目を逸らしてはいけません。
 
自分の意図よりも事実。
 
自分の感情よりも相手への影響。
 
自己弁護よりも責任。
 
この3つを外さなければ、謝罪はかなり変わると思います。
 
そして、きちんと謝れる人というのは、単に「頭を下げられる人」ではありません。
 
自分にとって都合の悪い事実を、都合の悪いまま認識できる人です。
 
これが「謝罪の作法」です。
 
 

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