ブロードウェイの共同プロデューサーを「一口馬主」という言葉で片付けてしまう日本人の稚拙さについて

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https://voicy.jp/channel/941/7921296
ブロードウェイプロデューサーを「一口馬主」としてしまう日本人の稚拙さ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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「現場のお金の話」を届ける
今日は、普段オンラインで開講している『キンコン西野の親子で通うお金の学校』を、初めてオフラインで開催します。
会場は「河口湖 音楽と森の美術館」です。
挑戦を重ねる中で痛感するのは、人生の選択肢を広げるのも、夢の実現を後押しするのも、その多くが「お金に対する理解」に支えられているということです。
逆に言えば、お金に関する知識や感覚の不足が、可能性の芽を摘んでしまう場面も少なくありません。
それもあって、子供たちはもちろん、その子供たちを育てる親御さんにも、一般的な学校では教えてもらえない「現場のお金の話」を届ける活動を続けています。
お金は人生の目的ではありませんが、自分の意思を社会の中で形にするための重要な道具だからです。
「知識」や「仕組み」には、「好き/嫌い」とは別の評価軸がある
その一方で、少し気になっていることがあります。
日本では、ときに人物への好き嫌いが先行し、その人物が用いている手段や仕組みそのものまで否定の対象になってしまうことがあります。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」という言葉が示す通り、評価されるべき「方法論」まで感情によって切り離されてしまう。
しかし、「知識」や「仕組み」には、本来、「好き/嫌い」とは別の評価軸があるはずです。
未来を担う子供たちの可能性を広げるためにも、個人への感情と、次世代に残すべき知識や仕組みは分けて考えられる社会であってほしいと思います。
具体的な例を挙げると、たとえば「クラウドファンディング」です。
当時は、「詐欺」という扱いを受け、おかげで多くの挑戦者が潰され、生まれていたはずの可能性や、救えていたはずの命をたくさん失ってしまった。
「無料公開」もそうですね。
当時は「ダンピング(不当廉売)だー」という批判が殺到しましたが、実際のところは「お金を生み出すポイントを後ろにズラしただけのマーケティング」に過ぎません。
功績の過大評価も、過小評価も意味はない
ここ最近で少し気になったのが、ミュージカル『Cats: The Jellicle Ball』がトニー賞で3冠を獲得した際の、日本国内での受け取られ方です。
誤解のないように先に申し上げておくと、僕はこの出来事をもって「自分がすごい」と言いたいわけではありません。
実際、プレスリリースでもお伝えしましたが、今回の件は「西野がトニー賞を3冠獲った」のではなく、「トニー賞を3冠獲った作品に、参画させていただいていた」というのが正確な表現です。
ところが一部では、それがあたかも「西野の快挙」であるかのように伝えられていました。
これは明らかに拡大解釈です。
作品を生み出したクリエイターや現場の努力を差し置いて、僕個人の手柄として語るのは適切ではありません。
ただ、その一方で、西野の評価を打ち消そうとする人が、「共同プロデューサーなんて、お金を出せば誰でもなれる。一口馬主のようなものだ」という説明をされたりするのですが、こちらは逆に、事実を必要以上に矮小化しています。
なぜなら、ブロードウェイにおいて共同プロデューサーという立場は、単に資金を拠出すれば誰でも得られるものではないからです。
とりわけ注目作品や有力プロジェクトになればなるほど、そもそも「参加の機会」そのものが限られています。
資金力だけで扉が開く世界ではなく、信頼関係や実績、人脈を通じて初めて声がかかる世界です。
ちなみに、CHIMNEY TOWNは先日、『CHIMNEY TOWN』というAI映画のティザーを発表して、長編の制作を匂わせましたが、長編の制作にかかる費用を「誰に出していただくか?」という議論をしています。
作品を世界に売り込んでいくことを考えた時に、「世界に接続している人」に出していただいて、その方に「回収しよう」と思ってもらった方が合理的だからです。
この作品のエンドロールには、お金を出した方の名前が載るわけですが、「一口馬主」のように誰でもお金を出せるわけではありません。
つまり、「西野がトニー賞を獲った」という理解も、「共同プロデューサーなんて誰でもなれる。一口馬主みたいなものだ」という理解も、どちらも実態からは距離があります。
本来、議論すべきポイントはそこではなく、
「日本のエンターテインメント業界の人間が、なぜブロードウェイの作品に参画できたのか?」
「なぜ、日本の大手カンパニーが参画できていないのか?」
本当に議論しなければいけないのは、その部分です。
功績を過大評価することにも、過小評価することにも、意味はありません。
事実を事実として捉え、その先にどんな可能性が広がっているのかに目を向けた方が、未来にとってはずっと建設的だと思います。
前田敦子さんみたいなことを言うと、「西野のことが嫌いでも、西野の手段まで嫌っちゃいけない」といったところです。
このことは子供達に伝えていきたいと思います。
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