クリエイティブに必要なのは「締切」
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間違ったことをやらないと未来がない | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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仕事としてキチンと撤退を提案することがある
僕は『ニシノコンサル』と称して、これまでで数百社の企業のコンサルをやらせてもらっているのですが(※1月分が出ました→https://chimneytown.net/collections/consult)、サロンメンバーさんなら御存知だと思いますが、僕って、イケイケドンドンのヤツじゃないんです。
むしろその逆で、とにかく臆病で、まわりがドン引きするぐらい手堅いんです。
やっぱり僕らのようなベンチャーは一回の負けのダメージで会社が潰れてしまうことなんてザラにあるので、それぐらいじゃないと、大きなチャレンジが続けられない。
なので、根回しという根回しをして、石橋を叩きまくって、そこから「10tトラック30台で橋を渡る」みたいなことをしています。
もちろんニシノコンサルの時も、その慎重さは健在で、勇者モードに入っている経営者さんに対して、「このプロジェクト、やめません?」とお伝えすることもあります。
経営者さんからすると、このプロジェクトを前に進める為のアドバイスを貰おうと思って『ニシノコンサル』を買ったのに、まさかまさか「ブレーキを踏まれてしまう」という晴天の霹靂です。
耳触りの良い言葉なんていくらでも言えるのですが、だけど、仕事として受けた以上は負けさせるわけにはいかなくて、ゲームオーバーになりさえしなければ、また挑戦は続けられるので、「ここは一旦、撤退しましょう」ということがあります。
逆に言うと、そんなことが言えるのは僕ぐらいしかいません。
社員からすると、とはいえ一番リスクを背負って、一番頑張っているのは経営者なので、何も言えない。
言ったところで「お前に何が分かんねん」が、どこかに残っているので。
一つ。
会社だと「株主」にはブレーキを踏める権利があるのですが、株主って本当にピンキリで、目先のお金(目先の一勝)のことしか考えない(おもんない)株主なんて大量にいて、その人達の「やめた方がいい」は、あまり信用ならんです。
なので、まったく利害関係のない僕みたいなヤツが言うのが多分ちょうど良くて、だから時々どえらい空気にはなりますが、ここは仕事としてキチンと撤退を提案することがあります。
「まともに算盤をはじいたらやらない方がイイこと」の中にしか『面白い』なんて無い
そんな中、昨日も『ニシノコンサル』がありました。
そこで、今、ノリにのっている会社の経営者さんから、まったくもってデタラメな規模の挑戦に対するアドバイスを求められたんです。
いつもなら、間違いなく「撤退」を提案しているのですが、昨日は「やる方向」で話を進めたんです。
その時、重ねていたのは自分の姿です。
それこそ会社としての損得でいえば(算盤ベースで判断すれば)、先月の『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』なんて絶対にやらない方がいいんです。
「オフラインのチケットが完売した上で、1億の赤字(からスタート)」という挑戦は、損得で判断したら、そりゃやらない方がイイじゃないですか?
それこそ昨日は、現在制作中の『ボトルジョージ』の松本プロデューサーと「『ボトルジョージ』をどうやって届けて、どうやってマネタイズしていくか?」という話で盛り上がったんですけれど、包み隠さずお話しすると、『ボトルジョージ』の制作費は、下手すりゃ、皆さんが普段映画館でご覧になられている実写の長編映画ぐらいでして、「そんなものを短編アニメーション作品で、どうやって回収するのよ?」という話で、これもやっぱり損得で判断したら、やらない方がイイ。
考えてみると、僕がやっているチャレンジは「損得で判断したらやらない方がイイこと」ばっかりなんです。
だけどだけど、「まともに算盤をはじいたら(理屈を持ち込んだら)やらない方がイイこと」の中にしか『面白い』なんて無いんです。
算盤をはじいて「やった方がいいよね」ということは、皆、やっているので。
大切なのは「どの段階で挑むか?」
iPhoneも、テスラと、ディズニーランドも、「まともに考えたらやらない方がいいこと」をやって、力ワザでねじ伏せたから今があるわけで、やっぱり僕らはどこかで、「まともに考えたらやらない方がイイこと」に挑まなきゃいけない。
大切なのは、「どの段階で挑むか?」で、これに関してはフワッとした表現で申し訳ないですが、「ある程度のエラーを力でねじ伏せられる腕力を手にした時」だと思っていて(「なんで、そのフォームで160キロが出せんねん」という)……謎の勇者モードに入っちゃっている人は、その腕力を手にする前に「人生は挑戦だー!」とやっちゃうのですが、それは自殺行為。
僕は、それは止めるんです。
今回のニシノコンサルの相談者さんのチャレンジがデタラメなチャレンジであることは百も承知だったのですが、一方で、今日に至るまでに数々の修羅場をくぐり抜けて来られて、相当の腕力を持ち合わせておられるのも分かったので、ここでアクセルを踏まないと『面白い未来』なんて一生やってこないと思ったので、「これ、やりましょうよ」と言わせていただきました。
そのかわり、「普通に算盤をはじいたら、やらない方がいいこと道」の先輩から見て、日本デタラメ道のチャンピオンから見て、「押さえなきゃいけないポイント」を、まだ押さえておられなかったので、「そこはキチンとやりましょう!」と釘を差させていただきました。
繰り返しますが、僕は博打経営は大反対です。
ですが、『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』にしても、『ボトルジョージ』にしても、映画作りにしても、ブロードウェイの挑戦にしてもそう。
理屈を後回しにして「エイヤ!」と踏み切らないと始まらないことがある。
皆さんも、その時が必ずくる。
その時は、「そもそも、ねじ伏せられる腕力を持ち合わせているか?」と自分に聞いてみてください。
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★iPhoneの場合
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【注意】
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