「無知」はいつも野蛮で、無責任だ

2022年09月17日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/389090

「無知」は野蛮で、いつも無責任だ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/389090

 
 
絵本『えんとつ町のプペル』の炎上史…4つの大きな炎上

 
昨日、友人とLINEしていて「絵本『えんとつ町のプペル』の炎上史」について盛り上がったんですけども、当時の炎上なんで今なら全員が冷静に聞けて、正しいジャッジができると思うので、あらためて絵本プペルの炎上を振り返ると…大きな炎上は4つありまして、まず最初の炎上は「分業制で作る」と表明した時です。
 
ちなみに、当時、絵本『えんとつ町のプペル』を分業制で作ることを表明した時、どんな炎上、どんな批判が起きたと思います?
 
今、聞くとビックリすると思います。
 
「一人で作れ」です。
 
「なんで?」じゃないですか?
 
作品を一人で作ろうと、共同で作ろうと、そんなの作り手の自由じゃないですか。
 
一人で作った方が良ければ一人で作るし、分業で作った方が良ければ分業で作る。
 
でも当時は「絵本を分業制で作る」というスタイルがあまり少なかったのか、とにかく「一人で作れー!」「他人の力を借りて作るなんてサイテーだ!」「人の手柄を横取りしてるー!」という批判がメチャクチャあったんです。
 
「あなたが応援している漫画家や、映画監督や、アーティストさんは、どうしてるよ?」という話なのですが、こういうゴリラモードに入っちゃった人は、もう手がつけられなくて、朝から晩までウホウホ言ってました。
 
 
次にあった大きめの炎上は、「絵本の製作費をクラウドファンディング」で集めた時です。
 
この時は、どんな批判があったと思います?
 
今、聞くとビックリしますよ。
 
「自分の金でやれ」です。
 
クラウドファンディングの知識があまりにもないから、リターンの概念とか無いんです。
クラウドファンディングって、「2000円支援してくださったら、絵本にサインを入れてお送りします」みたいな感じで返礼品があるわけで、それって、つまるところ予約販売じゃないですか?
 
予約販売の売り上げで作品を作ったところ「自分の金でやれ」という声が上がったんです。
 
魚屋さんが魚を売って、その売り上げでエプロンを買ったところ、「自分の金で買え」と言われているようなもので、もうメチャクチャ変なことを言ってるんですけど、当時の人は、「自分達がおかしなことを言っている」という自覚はなかったんです。
 
 
次の炎上は、これも意外としつこかったんですけども、「関わったスタッフの名前を全部出せ。手柄を独り占めするな」です。
 
これはもうトップクラスに謎なんですけども、「関わったスタッフの名前を全部出せ。手柄を独り占めするな」も何も、絵本の巻末に、関わって下さったスタッフさんの名前を全部載せているんです。
 
それこそ当時のマネージャーの名前まで。
 
じゃあ、なんで「関わったスタッフの名前を全部出せ」という声が上がったかというと、「メディアに出る時に、関わったスタッフの名前を出していないから」ということらしいんですけど、それは僕を含む全クリエイター全アーティストがそうじゃないですか?
 
僕に限らず、プロモーションでテレビやラジオに出させていただく時、あるいはメディアの取材を受けさせていただく時の目的は「作品を売ること」で、限られた時間、限られた文字数の中で伝えなきゃいけないのは「作品の中身」であって、「関わってくれたスタッフさんの名前を読み上げること」じゃないじゃないですか?
 
スタッフもそんなことは1ミリも求めていない。
 
だけど、たぶん「分業制の絵本」の受け止め方をまだまだ皆よく分かってなくて、「あのインタビューでは、スタッフの名前を言ってなかった!あのメディアにはスタッフの名前を載せてなかった!手柄を独り占めしてる!」みたいなことを言ってたんです。
 
映画の時は、そんな変な批判が起きなかったので、やっぱり「絵本の分業制」の受け止め方を皆よく分かってなかったんでしょうね。
 
 
4つ目の炎上は、皆さんもよくご存知だとは思いますが、絵本を無料公開した時の「無料公開すな!」です。
 
これはもう説明不要ですね。
 
今の皆さんの気持ちを代弁させていただくと一言「なんで?」だと思うのですが、当時は、本当に「無料公開するなんてサイテーだ!」という声がメチャクチャあったんです。
 
毎日400回ぐらいは「死ね」と言われてました。
 
もう凄まじいですよね。
 
 

無知による攻撃でダメージを被るのは、叫んだ人に周りにいるクリエイターさん

 
今、あげた4つの炎上(批判)、全部、「ホンマになんで?」でしょ?
 
「一人で作れ」「自分の金でやれ」「全スタッフの名前を全メディアに載せろ」「無料公開すな」…全部、「なんで?」ですよね。
 
でも、当時は、ほとんどの人が「なんで?」とは思わず、一緒になって攻撃していたんです。
 
「無知」というのは本当に野蛮で、罪深いなぁと思うのですが、その無知がもたらした攻撃によって、ダメージを被ったのは、キンコン西野だけじゃなくて、「一人で作れ」「自分の金でやれ」「全スタッフの名前を全メディアに載せろ」「無料公開すな」と叫んでいた人間の周辺にいるクリエイターさんです。
 
彼らからも、「分業制」や「クラウドファンディング」や「無料公開」といった選択肢を奪ってしまったんですね。
 
 

自分が知らないモノは「知ろうとする」「黙っておく」がイイと思う

 
ぶっちゃけ、叫んだ本人が「しまった〜、『無料公開すな!』とか言っちゃった〜。でも、今度の作品は、宣伝の一環として無料公開したい…でも、あれだけ大声で批判しちゃった手前…」となるのはしょうがない。
 
そこは自己責任なので、自分が投げたブーメランは食らわなきゃいけないのかもしれませんが、バカみたいに叫んだ人の周りにいる人は何も関係ないじゃないですか?
 
でも、「え? クラウドファンディングをしたら、私もあんな感じで批判されるの? …だったらやめとこう」となっている可能性もあるわけで、その人達の選択肢を奪った罪は、本当に反省した方がいいと思うし、ひねくれたり、拗ねたりせず、その反省をキチンと活かして、今後は「自分が知らないモノ」に対しては、ゴリラみたいにウンコを投げるんじゃなくて、「知ろうとする」「黙っておく」というのがイイと思います。
 
 
昨日、オンラインサロンの記事で、「NFTの新しい使い方」について書いたのですが、それって、ブロックチェーンの前知識がないと読み取れない内容で、そういう話(可能性のある話)がサロン内でしか通じないことはやっぱり寂しいことで、とくにWeb3が始まってからは知識格差の拡がりが半端ないので、もうここらへんで食い止めたいなぁと、「これからは素直に聞いてもらえると嬉しいな」と思って、こんな話をさせていただきました。
 
 

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