ハロウィンなので、こんなことをしてみます!
※この記事は、2021年12月24日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。
「毎日ランチ&ディナー」が、何を生むのか?
前回、「世界戦は自由競争じゃないよ。コネクション(コミュニティーに入り込むこと)が超重要だよ」という話をさせていただいたのですが、今回はもう少し踏み込んだ話です。
ニューヨークに着いてすぐに、今回のアメリカ公開(12月30日からだよ) のプロデューサーが「会わせたい男がいる」と言って、会食をセッティングしてくれました。
※アメリカ版の『えんとつ町のプペル』のCMが完成しました。
そこに現れたのは、ブロードウェイで演出家として活動しているウィル。
ウィルは、もともとアーティストとして活動していて、カーネギーホール(ニューヨークの有名なコンサート会場)で公演もしていたのですが、かなり早い段階で「コッチじゃねーな」と思い、演出家に転職したそう。
会うやいなや、ウィルは『えんとつ町のプペル』の感想を熱っぽく伝えてきて、その後に、「芸人から絵本作家に転身した時の周囲の反応はどうだった?」と質問してきました。
「どうして、プペルの内容や、僕のパーソナルな情報を知っているんだ?」と訊くと、「この出会いを無駄にしたくないから、たくさん勉強してきた」と。
はたして僕ら(日本人)は、ここまで「出会い」に対して、下準備をしているでしょうか?
たぶん、していません。
この問題を整理する時に、ついつい『人』や『国民性』で片付けがちですが、きっとそんなことではなくて、「出会いの重要度」が違うのだと思います。
昨日、お話ししたとおり、世界戦は決して「自由競争」などではなく、世界レベルのクオリティーであることは大前提とした「コネクション」が大きくモノを言うゲームで、ウィルは、そのことをよくよく分かっています。
「日本でやったミュージカルは、どんな感じだった?」としつこく訊いてくるので、「映像におさめてるよ」と言って、ウィルにファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の映像を送ったところ、その晩に観てくれて、深夜に超長文の感想を送ってきてくれました。
#とにかく早い
その流れで、「どのポジションでもいいので、プペルを一緒にやりたい。今すぐ会えないか? 会って話したい!」とラブコールを受けました。
僕のスケジュールはパンパンに埋まっていて(連日連夜のランチ&ディナー&取材)、ウィルと会う時間は作れなかったのですが、同じタイミングでニューヨークに来ているミュージカルチームにバトンを渡しました。
#翌日の朝にミュージカルチームと合流して、朝食ミーティングをした模様
お伝えしたとおり、僕は連日連夜ランチ&ミーティングが入っていて、少しでも時間が空くと「会わせたい人がいる」「会いたがっている人がいる」といった感じで、「出会い」のスケジュールが組まれます。
すると、そこで会う人、一人一人が、ウィルと同じように、すでに僕や僕の作品のことを勉強してくれていて、感想を伝えてくれたり、「何か一緒にやれないか?」という誘いを持ちかけてくれます。
さきほど「出会いの重要度が違う」という話をさせていただきましたが、まったくもってその通りで、コネクションがモノを言う世界戦では、「出会い」はラストチャンスであり、神様からのギフトです。
そして、トップクリエイターほど、そのことをよくよく分かっていて、「会って話せるなら、今すぐ時間を作る」と前のめり。
こちらに来てからは、そんな毎日を過ごしているのですが、ふと考えるのは、「過去、ブロードウェイに挑戦し、敗れていった日本人のスタンス」です。
これはエンタメの世界に限った話ではなく、すべてのサービス&すべての挑戦に対して言えることですが、『成功』に再現性はありません。
イチローのやり方を真似たところで、イチローにはなれません。
ただ、『失敗』には再現性(パターン)があり、今、この瞬間に僕らがやれる作業としては、先人達の失敗パターン(地雷)をリストアップして、そこを踏まないこと。
「成功する確率を上げる」というよりも、「失敗する(ゲームオーバーになる)確率を下げる」という感覚です。
#ここテストに出るよ
海外に挑戦して敗れていった日本人の共通点が見えた!
そんなこんなで、過去、ブロードウェイ(あるいはアメリカ映画界)に挑戦して敗れていった日本人の共通点を探ったところ、一つ確かな答えが見つかりました。
続きはこちらから【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】
【西野亮廣】世界では、トップクリエイターほど「人と直接会う」ことの重要性を知っている!──連載「革命のファンファーレ2」Vol.22
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