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多田神社境内に16億円の根抵当権。急死した宮司の借金か? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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そもそも根抵当権って何?
実は今、僕の地元・川西がとあるニュースで揺れておりまして、これ、事の本質を理解すれば本当にとんでもないニュースなので、今日は「川西で今、何が起きているか?」を分かりやすく解説したいと思います。
極めてセンシティブな内容で、まだ解明されていないことだらけなので、今日ばっかりは僕の意見は一切挟まずに、「現時点で分かっている事実」と、「川西で流れている噂」だけをお伝えします。
すでにYahoo!ニュースでも取り上げられていますが、兵庫県川西市には清和源氏発祥の地として知られる『多田神社』という神社があります。
国の史跡にも指定される歴史的な場所で、川西市民全員がお世話になっている場所で、個人的なことをいうと、僕が描いた『チックタック ~約束の時計台~』という絵本にも出てきます。
その多田神社の土地に、このたび、16億円を上限とする根抵当権(ねていとうけん)が設定され、競売手続きに入っていて、そして、この根抵当権を結んだ宮司は急逝した(今年、突然亡くなった)という驚くべきニュースが報じられました。
「そもそも根抵当権って何?」という方がほとんどだと思うので、根抵当権について簡単に説明します。
「抵当権」という言葉は耳にしたことがありますよね?
不動産などの資産を担保にしてお金を借りる際に設定される権利のことです。
「ウチの田舎の土地を担保に入れますんで、1000万貸してください」というアレです。
それで「1000万円+利息分」を返せば、担保に入れた土地というのは再び自分のモノになるのですが、「再び自分のモノになった土地」を担保に、またお金を借りたりすることもあるじゃない?
そして、また「1000万円+利息分」を返して、またまた土地を取り戻して、またその土地を担保にお金を借りる…を繰り返すのって面倒くさいじゃない?
そこで「根抵当権」というのが生まれたんですけども、根抵当権というのは、1回の借入に限らず、「一定の範囲内であれば、何度でも借入OKっすよ」というものなんです。
今回、多田神社の約5万平方メートルの土地に設定された根抵当権では、最大で16億円の借入が可能とされたそうです。
つまり、「16億円以内であれば、何度でも借り入れOKっす」という約束を結んだわけですね。
宗教法人が抱える財産管理やガバナンスの課題が浮き彫りに
さて、この件で不可解な点がいくつかあります。
まず1つ目は、借入の目的が不明確であること。
16億円という巨額の資金が何のために必要だったのかが明らかになってないんです。
神社運営や修繕のためであれば、通常はもっと透明な手続きが行われるのですが、神社関係者の誰もが、この根抵当権のことは寝耳に水だったんです。
つまり16億円の使い道は急逝した宮司しか知らない。
ちなみに地元民の間では、急逝した当時の宮司が個人的に作った借金(博打で作った借金)のために神社の土地を担保にしたのではないかと言われています。
2つ目の不可解な点は、借入のタイミングと急逝した宮司との関係です。
根抵当権が設定された時期(つまりお金を借りた時期)を見てみると、2023年9月15日から2024年2月21日の約5か月間にかけて、4回に分けて設定されています。
2024年2月21日に最後の借り入れをして、その1週間後に宮司が急逝しています。
この短期間で16億円もの根抵当権が設定され、その直後に宮司が急逝している。
これは「偶然」と考えるにはあまりにも不自然です。
急逝が借入とどのように関係しているのか?
ここはまだ明らかになっていません。
3つ目の不可解な点は、神社関係者への説明が全く行われていなかったことです。
この土地の担保設定について、他の神社関係者には何の説明もなく、契約書すら残されていないそうです。
通常、宗教法人が大きな決定を行う場合、内部の合意形成が必要なはずで、なぜこうしたプロセスが省略されたのか、非常に謎です。
4つ目の不可解な点は、債権者の構成です。
今回の根抵当権の債権者には、不動産仲介業者、飲食業者、中古車販売業者など、神社と直接的な関係が見えない業種の企業が名を連ねています。
なぜこれらの業者が神社の土地に関与することになったのか、その背景が不透明です。
今回の事件は、多田神社だけの問題ではありません。
これは、宗教法人が抱える財産管理やガバナンスの課題を浮き彫りにしています。
宗教法人は、その特性上、外部からの監視が弱いと言われています。
多くの神社やお寺が透明性を欠いた運営を行う中で、このようなトラブルが発生するリスクは多田神社以外でも常に存在しています。
この問題は、「歴史的価値の高い場所をいかに守るか?」という問いを突きつけています。
文化財や宗教施設がどのように管理されているのかを僕たちはもっと関心を持つ必要があるのかもしれません。
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