素人の頑張りどころは、そこじゃない

2024年05月31日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/1234666

素人の頑張りどころは、そこじゃないっ!! | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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仕事のオファーをもらうものの・・・

 
今日は、以前、お話しした内容の続編みたいな話ですが、以前、どこまで喋ったか忘れちゃったので、重複する部分があるかもしれませんが、懸命に我慢してください。
 
先日、CHIMNEY TOWNのクリエイティブチームとビジネスチームが一堂に会する飲み会がありまして、そこには元インターン生も来ていたんです。
 
その中の一人に「モリゴン」という男がおりまして、彼は僕と同郷で、CHIMNEY TOWNで働いている時から「東京の水が合わない」みたいなこと言っていて、CHIMNEY TOWN卒業後は地元・川西に帰って、「(株)かわにし」という会社を立ち上げたんです。
 
事業内容は「とにかく川西を盛り上げること」です。
 
なんともフザけた会社ですが、話を聞くと、今、「(株)かわにし」に仕事のオファーがチョコチョコと舞い込んでいて、少しだけ忙しくしているそうです。
 
その仕事の中でも、「西野さんを引っ張ってこれないか?」「西野さんにプロジェクトメンバーに参加してもらえないか?ちょっと聞いてみて」という相談がメチャクチャあるそうで、よく、モリゴンから「スケジュールどうっすかね?」と連絡をいただくんです。
 
僕のスケジュールはガラ空きなのですが…その企画のプロジェクトメンバーに自分の名前が出る以上は、「西野なら面白いことを仕掛けてくれるハズ」と僕の仕事を信じて足を運んでくださる方もいるわけで…、でも、もう内容に関してはこれから大きく動かしようがないぐらいに固まっていたりします。
 
そして、それが行政の人達や、「はじめてエンタメを作ります」という人達が考えた企画だったりするので、正直に言っちゃうと、あんまり面白くないんです。
 
たとえば(これは実際にはありませんが!)、「3時間耐久アッチ向いてホイ大会」みたいな。
 
「今度、うちの町をあげて『3時間耐久アッチ向いてホイ大会』をするのですが、一緒に盛り上げてもらえませんか?」みたいな相談がモリゴン経由でくるんです。
 
「3時間耐久アッチ向いてホイ大会」は盛り上げようが無いというか、町を盛り上げることを考えるのであれば、まず最初にすることは「3時間耐久アッチ向いてホイ大会をやらないこと」じゃないですか?
 
だけど、「それはチョット…、もう、やることは決めちゃったので…」という感じなんです。
 
交流会で、この話をしていた時に、隣にいた一級建築士の只石さんも「実は僕もありまして…」と話を切り出されたのですが、聞けば、新しくお店を出される方が、すでに店舗を決めた状態で内装工事(リノベーション)の依頼が来るんですって。
 
もちろんお店というのは立地も凄く重要なので、「まずは店を出す場所を決める」は分かるのですが、只石さんが設計されるようなお店って、一般的なお店というよりも、その内装デザインが目的地となるようなお店で、今回もそのオファーだったんです。
 
となってくると、「リノベーションしやすいお店」「世界観を作りやすいお店」…生々しい話をすると、「世界観を作るのに、そこまでお金がかからないお店(使えるものが多いお店)」というのがあって、店選びの際に、そこを選ぶことが重要なんですけども、そういうことを何も分からない人が、まず、店舗だけを選んじゃって、「これを、なんとかしてください」と言ってこられるそうです。
 
中には、「いや、このお店はどうしようもないよ。ここをどうにかしようと思ったら、メチャクチャお金がかかるよ」というお店を渡されることがあるそうで、只石さん的には「お店選びの段階からご一緒させてもらえたら、もっともっと自由が効くのに」というのが本音です。
 
 

どうせ後々プロを入れるなら、最初からプロを入れるのが吉

 
先のイベントの話もそうですが、そもそも企画の骨が腐っていたら、どうしようもないので、「やるなら、最初から声をかけてよ」なんですけども、地方に住んでいる人達ほど、地元の人達でどうにかしようとするんです。
 
僕も川西の人間なので、その気持ちは凄くよく分かるんですけども、(これは前も話しましたが)そういうことができちゃう人って引く手数多だから、大体の場合、街に出ていっていているんです。
 
「じゃあ、地元の人間が活躍する場所はないのか?」という話になりそうなもんですが、そうじゃないんです。
 
今日の話のメッセージは「素人(地元の人)がクリエイターとして参加する場所はあるけれど、そこじゃない」です。
 
子供の頃、家で餃子とか作りませんでした?
具を皮で包む作業を手伝わされたでしょう?
 
あれです。
 
具を作るのはお母さんなんです。
そして、皮で包むのは子供(料理素人)なんです。
 
そうやって、家族で作った餃子は美味しかったじゃないですか?
だけど、子供が具を作って、お母さんが皮で包んだ餃子はマズイでしょう?
 
地方のイベントや、只石さんに内装工事をお願いする人がやっちゃっているのは、コレです。
 
プロと素人の決定的な違いは何かというと「失敗の数」なんです。
 
プロは素人の何千倍も何万倍も失敗しているので、「うまくいかないパターン」を知っているんですね。
 
素人が寄せ集めて出した企画(アイデア)は、もう何年も前に試して失敗してるんです。
 
それで大金を溶かして、信用を失い、空席祭りで、惨めな思いをしているんです。
 
その知見はいただいた方がいいじゃないですか?
 
なので、どうせ後々プロを入れるのならば、最初からプロを入れるのが吉です。何事も。
 
 

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