「アイデアには価値が無い」を分かりやすく説明してみる

2024年04月05日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/766808

「アイデアには価値がない」を具体例をあげて説明してみる。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/766808

 
 

コマ撮りの短編アニメーションの予算回収方法

 
巷ではよく「アイデアには価値がない」と言われます。
 
まぁ、その心は「アイデアなんか、その辺に腐るほど転がっていて、それを実行できるかどうか?が全てだ」みたいなところだと思うのですが、もう少し解像度高く「アイデアには価値がない」を知っていただく為に、コマ撮り短編アニメーションの「予算回収」を例にお話ししたいと思います。
 
サンフランシスコ国際映画祭にノミネートされ、トレーラー(ダイジェスト映像)も公開され、盛り上がりを見せているコマ撮り短編映画『ボトルジョージ』ですが、昨日、スタッフのタケダの方から「6月1日(土)に大阪の映画館で試写会をブチ込んでみます!」という意気込みコメントが届いたので、大阪らへんにお住まいの方は、ひとまず6月1日のスケジュールは(仮)で空けておいてください。
 
たぶん、スタートは16時頃だと思います。
 
さて。
 
そんなこんなで作品制作には「予算づくり」が欠かせません。
 
これに関しては、一つの結論めいたものがありまして…「これまでどおりの予算の作り方だと、概ね、これまでのどおりの作品が出来上がってしまう」というのがあります。
 
「クリエイティブ」には3つ創造しなきゃいけないものがあって、その3つというのが…
 
・作品の創造
・届け方の創造
・予算の創造
 
です。
 
ほとんどのクリエイターが、このうち一個か二個を落としちゃってます。
 
とりわけ、日本だと「予算の創造」の話をすると『銭ゲバ』扱いされてしまうし、場合によっては、クリエイター自身が「俺は金の為にやってない」というナルシストを発動したりしますが、ここでは「収入を増やすこと」をゴールとした話をしているのではなくて、「圧倒的な作品を作るにはどうすればいいか?」という『作品』の話をしています。
 
大切なのでもう一度言いますが、モノづくりに関わる人間がやらなきゃいけないのは、
 
・作品の創造
・届け方の創造
・予算の創造
 
…以上3つです。
 
チケット代の売上と、既存のグッズの売上だけでは、誰も知らないライブ体験をお届けするのはチョット難しくて、そこにあるのは「個人の好み」の違いぐらいで、「誰の目にも明らかな違い」は無い。
 
てなわけで、コマ撮りの短編アニメーションの予算回収方法なのですが、TikTokとかにアップするような部屋で一人で作る映像作品であれば、そこまで大きな予算はかからずに「自分の空き時間」を犠牲にすればいいけれど、やっぱり「チームで作る」となると、まとまった予算が必要です。
 
「さて、どうしようか」となるわけですが、たとえば、『AI』に無くて、『コマ撮り』にあるものって、「制作過程」なんですけども、これはやっぱメチャクチャ魅力的で、TikTokでも、コマ撮りアニメーションの制作過程の早回し(クリエイターの手は半透明)って結構バズっているんですね。
 
なので、「制作過程の販売」は予算改回収案の一つに入れておいた方がいいのですが、これはクリエイターあるあるで「制作過程を見せたくない」という人って結構いるんです。
 
「完成品を見せるのがプロだ!」という。
 
なので、これに関してはクリエイターに声をかける時点で「我々は制作過程を撮影して、それも販売するつもりですが、それでもいいですか?」という断りを入れておく必要があります。
 
この儀式をスッ飛ばしてしまうと、確実にモメちゃうし、何より、売上が極端に落ちる。
 
ちなみに、2025年にやるミュージカル『えんとつ町のプペル』は、全キャストにこの断りを事前に入れております。
 
メチャクチャ大事なんです、これ。
 
 

「アイデアの表面」だけ真似をしても全く意味がない

 
コマ撮りの短編アニメーションの予算回収の打ち手は、まだ何個かあるのですが、時間の関係で、次で最後です。
 
今回の『ボトルジョージ』も、この手で結構な予算を作ったのですが、予算回収の時に意外と頼りになるのが『アートパネルの販売』です。
 
コマ撮りは一枚一枚撮った写真を繋いで作るので、言ってしまったら、その分だけの「アート写真作品」が出来上がるんです。
 
それをパネルにしたものを『アートパネル』と僕らは呼んでいるのですが、ちょうど今、クラウドファンディングのリターンで『アートパネル』を出していて、これだけで、約1000万円ぐらい売り上げています。
 
※『ボトルジョージ』のアートパネルはコチラ↓
https://www.picture-book.jp/projects/bottlegeorge-nora
 
もちろん、「パネルの制作費」や「サイトの手数料」など諸々ありますから、1000万円を丸々、コマ撮りアニメーションの制作費に充てられるわけじゃありませんが、とはいえ、大きな味方です。
 
ただ!(※ここからがポイントです)
 
コマ撮りのアートパネルを販売することぐらい誰でも思いつくし、誰でもできるんです。
 
ただ、日頃からアートパネルを買う文化(コミュニティー)にアクセスしていないと、アートパネルなんか出しても売れないんです。
 
アートパネルを買ってくれるお客さんって、「アートパネルを買う人」なんです。
 
当たり前のことを言っちゃっていますが、アートパネルを買わない人には、アートパネルは売れないんです。
 
なので、アートパネルを買う人(アートパネルを買うコミュニティー)と日頃からコミュニケーションをとっておかなきゃいけない。
 
このことから分かるとおり、予算を作る時は「アイデア」だけでは意味がないんです。
 
「制作過程を売る」ぐらい、今どき誰でも思いつくのですが、それを実行しようと思ったら、事前の根回しが必要だし、なんなら「制作過程を買ってもらえる文化」を作らなきゃいけない。
 
「アートパネルを売る」ぐらい誰でも思いつくのですが、実際に売ろうと思ったら、アートパネルを買う人(アートパネルを買うコミュニティー)と日頃からコミュニケーションをとっておかなきゃいけない。
 
アイデアの表面だけ真似をしても全く意味がないのですが、アイデアの表面だけを真似する人がほとんどなので、くれぐれも気をつけてください。
 
 

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【注意】
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