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「ジャパンマネー」って何? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は「『ジャパンマネー』って何?」というテーマでお話ししたいと思います。
知らなくても生きていけるけど、知っておいて損はないかなぁという感じの話です。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
お知らせ!『【教えて西野先生】親子で学ぶ!とっても大切なお金の話2022』参加者2650名突破
5月21日の20時から開催するオンライン勉強会『【教えて西野先生】親子で学ぶ!とっても大切なお金の話2022』の参加者が「2650名」を突破しました。
僕は、自分で会社を起こして、資金繰りをして、作品や商品を作って、売って、従業員を雇って…という活動をしているのですが、この活動は「お金」の問題と常に隣合わせなんです。
そして、そこでは「お金の勉強をしていない人の弱さ」を見る。
お金の勉強をしていない人が、自分や、まわりの人達を不幸にしていく様を、まざまざと見るんです。
やっぱりこのあたりの心配は拭えないので、今回、久しぶりに手を挙げてみました。
こちらはFacebookグループを使った勉強会になるので、参加者の方の声を拾いながら、授業を進めて行きたいと思います。
アーカイブは6月30日まで残りますので、当日参加できない人でもお楽しみいただけます。
チケットは「800円」です。
参加ご希望の方は『BASE 煙突屋』で検索してください。
よろしくお願いします。
日本のエンタメとブロードウェイとの違い
そんなこんなで本題です。
今日は「『ジャパンマネー』って何?」というテーマでお話ししたいと思います。
僕が働いている『CHIMNEYTOWN』は、エンターテイメントを中心に事業を横展開している会社なんですけども、西野が独立をそそのかせることでも有名です。
日本社会の絶望的なところって、決定権を持っているのが総じて「お爺ちゃん」というところで、もう少し掘り下げると「お爺ちゃんになるまで決定権を持てない」というところだと思ったので、なるべく早い段階から(なんならインターン生の時から)プロジェクトリーダーを任せて、そのまま独立させたりしています。
独立した若手スタッフの中に、瀬戸口君という24歳ぐらいの子がいて、その子は今、アメリカに渡って『CHIMNEYTOWN USA』という会社の代表をしていて、ブロードウェイでミュージカル『えんとつ町のプペル』を上演すべく、日々、ジタバタしているのですが…
そんな縁もあって、僕も時間ができたらニューヨーク(ブロードウェイ)に足を運んでいるのですが、そこで目の当たりにするのは、その街に住むクリエイター達が、10年後も20年後も本気で作品を残そうとする、その「覚悟」です。
「一回タッチして、はい、次!」とかじゃないんですね。
自分が関わる作品を本気で選んで、選んだからには人生をかけて、その作品をスタンダードに持っていこうとするんです。
一つの作品に人生をかけて、花開かずに終わるクリエイターなんてゴマンといるんです。
ここに、日本のエンタメや、そのエンタメを下支えする道徳観とは明確なズレがあります。
ときどき、YouTubeでライブ配信とかをしていると、日本のお客さんから「ブロードウェイのミュージカルの公演は年内にできそうですかー?」とか、アンチめいた方からは「いつまでプペルやってるんですか?」と言われたりするんですけども、これは、とんでもない話で、昔、チラッとお話ししましたが、まず、ミュージカルでいうと、日本でいうところの「初演」を迎えるまでに、平気で5年とか7年とか10年とかかかるんです。
お金を出してくれる人や劇場オーナーさんに向けておこなう『リーディング公演(本読み公演)』と呼ばれる、ストーリーの御披露目会があって、そこで「いいね」となったら、そこから『トライアウト』と呼ばれる地方公演が始まって、ようやくブロードウェイに戻ってきたら、次は『プレ公演』というのがあって……みたいな感じで、何年も何年もかけてブラッシュアップしていくんです。
「なんで、そんなに時間をかけるの?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思うのですが、一番分かりやすいところでいくと、そもそも制作費の桁が違うんですね。
日本で舞台を作るとなったら、何百万円~何千万円というレベルで、そこを突き抜けた極々一部の作品が「1億円」とかをかけて作って、数年に一度、「3億円」とかをかけちゃう舞台があったりして、これはもう事件レベルです。
「さ、さ、三億円?」みたいな。
関係者全員が震え上がるやつです。
そんな中、たとえばブロードウェイの『スパイダーマン』とかは制作費が75億円なんですね。
当然、1ヶ月やそこらで回収できる額じゃないんです。
何年も何年もヒットし続けて、ようやく回収できる額なので、「この作品が何年も何年も愛され続けるかどうか?」という見極めがメチャクチャ大事になってくるんですね。
なので、本読み公演を投資家とかの前でやるんです。
「この作品には回収できるだけの力があるのか?」という部分が見られるわけですね。
ちなみに、『スパイダーマン』は蓋を開けてみたら事故が続いちゃったので、早々に公演終了となりました。
つまり、75億円かけても負ける時は負けちゃう世界なんです。
ブロードウェイを広告媒体として使う『ジャパンマネー』
そんな話をライブ配信でしたところ、「いやいや、あの人(日本人)の作品は、昔、すぐにブロードウェイでやってましたよ」というコメントが届いて、おそらくそのニュースを見たであろう、他の視聴者さんからも「たしかにたしかに!」とコメントがあったのですが…これが現地の人が一番冷ややかな目で見ている『ジャパンマネー』と呼ばれるアクションです。
▼『ジャパンマネー』とは何か?
これは、日本で公演することを前提にして、その作品やプレイヤーに「ハク」をつける為に、お金を出して、「ブロードウェイでやりました!」を買う行為で……そういう時は、現地の人達に「タダ券」が配られるんです。
で、劇場が埋まっているところを映像におさめて、「ブロードウェイで大人気!」みたいな触れ込みで、何も知らない日本人に売り込む。
つまり、「ブロードウェイ」という場所を、広告媒体として使う行為ですね。
これには現地の人は辟易としていて、「はいはい。『ジャパンマネー』ね」という感じになっているのが実際のところです。
これだと、日本には売れるのですが、そもそもお金の出所と、ターゲットが違うので、ブロードウェイには売れないんですね。
「郷に入れば郷に従え」で、ブロードウェイの試合に参加する以上は、ブロードウェイのルールで戦わなきゃいけないんです。
でも、実際そうじゃないですか?
たとえば、バングラデシュから来たバングラデシュ人のカンパニーが、お金にモノを言わせて、身内にタダ券を配って、日本武道館でライブをして、「武道館でやったぞー!」とバングラデシュの人達に言ってても、日本の人はほとんど知らないでしょ?
それだと意味がないんです。
紅白歌合戦に出ないと、日本人は、そのバングラデシュ人の活動を認識しないんです。
せっかく自分達が、そういう場所に首を突っ込んでいるので、今後も、こうして「いやいや、実際はこうですよ」という情報を共有していきたいと思っているのですが、繰り返しになりますが、一つ確実に言えることは、国によって、エンタメのスピード感や、規模感、そして、取り扱い方(使い捨て前提orアップデート前提)が全然違うので、最低でも「違う」ということぐらいは知っておいた方がいいのかなぁと思います。
なんか偉そうに言ってますが、僕も、実際に現地に足を踏み入れるまでは何も知らなかったクチで、自分のことを棚に上げて喋っています。
お許しください。
今日は『ジャパンマネー』という言葉だけでも、覚えて帰ってください。
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CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
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