『才能』を活かすも殺すも人材配置

2022年03月26日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/298992

才能を活かすも殺すも人材配置 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/298992

今日は「『才能』を活かすも殺すも人材配置」という、俳句みたいなタイトルでお届けしたいと思います。
 
最近、僕の身の回りで起きた出来事を例にお話しします。
 
本題に入る前にお知らせをさせてください。
 
 

お知らせ!『映画 えんとつ町のプペル』3月30日と31日に石垣島で特別上映

 
来る3月30日と3月31日に、沖縄県の石垣島にある「石垣市民会館 大ホール」にて、『映画 えんとつ町のプペル』が特別上映されます。
 
チケットは大人1000円、そしてなんと、「子供(高校生以下)無料」となっております。
 
ごめんなさい。
 
これ、僕、あまり詳しく把握していないのですが、おそらく実行委員会の方が本当に頑張ってくださったんだと思います。
 
この場を借りて、お礼申し上げます。
 
上映時間ですが3月30日、31日の「11時〜」「15時〜」「19時〜」となっております。
 
参加ご希望の方は、「石垣島 プペル」で検索してみてください。
 
おそらく一番上に、『えんとつ町のプペル 石垣島上映会プロジェクト』というインスタアカウントが出てくると思うのですが、そのアカウントのプロフィール欄に「予約フォーム」がございますので、そちらから。
 
https://www.instagram.com/poupelleishigakijima/
 
また詳しい情報が入れば共有させていただきますが、僕自身、このインスタアカウントで知った企画でして、でも、多分これ、「島の子供達に映画を見せたい」と動いてくださった方がいるハズで、ありがたいし、応援したいしで、こうして宣伝させていただいております。
 
もし、このラジオをお聞きの方の中に、石垣島に住んでいるお友達やご家族がいらっしゃったら、このことを是非、お伝えいただけると嬉しいです。
 
よろしくお願いします。
 
 

お知らせ!今夜の『スナック西野』、ゲストは幻冬舎の舘野晴彦さん

 
そして、もう一点。
 
僕、ズボラがたたって、このご時世にYouTubeをやれていないのですが、唯一、『スナック西野』というのはやっているんですね。
 
ちょっとややこしいですが、『西野亮廣エンタメ研究所』というYouTubeチャンネルの中で、月に2度、僕の友達を僕の自宅に招いて、お酒を飲んで、アレやコレやとお話しするYouTubeのメンバーシップです。
 
今夜、その放送があるのですが、今夜のゲストは、知るひとぞ知る幻冬舎の舘野晴彦さんです。

舘野さんとは本当に長い付き合いで、出会ったのは、僕が20代で、まだ本を一冊も出したことがない頃です。
 
番組プロでデューサーを通じて出会ったのですが、その「初めまして」の席で、僕は絵本の構想を喋ったんですね。
 
2時間ぐらいだったでしょうか。
 
その席で、幻冬舎から本を出すことが決まって、「他所で出したら、僕、自殺する」という名言を残したことで界隈では有名です。
 
そんな話を含めてあれやこれやと喋っておりますので、是非、今夜10時、ご覧ください。

西野亮廣 / Akihiro Nishino

https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg

よろしくお願いします。
 
 

バレエ『えんとつ町のプペル』では、西野は「お手伝い」という形で参加

 
そんなこんなで本題でございます。
 
今日は、『人材配置』の話です。
 
「人材配置」というのは、その人のスキルや適正に合わせて、適切なポジションを任せることです。
 
これは、こうして喋っておきながら、僕自身、メチャクチャ気をつけなきゃいけないことなんですけども…
 
今、僕は、次回作の制作を進めながら、東京でバレエ教室を運営しているサロンメンバーさんが旗を振っている『えんとつ町のプペル』のバレエのお手伝いをさせていただいているんですね。
 
ボランティアでやっているのかな。
 
その辺の話はされていないのでチョット分からないですが、ボランティアで全然構わないと思っています。
 
ただ、「お手伝い」というラインは崩したくないなぁと思っているんですね。
 
というのも、そもそものゴールが「『えんとつ町のプペル』のバレエを作って、全国のバレエ教室の子供達にやってもらうこと」で、その雛形を作るのが今回なのですが、僕が映画とかミュージカルとかみたいに製作総指揮でゴリゴリに入ってしまうと、絶対に、再現できないものを作っちゃうんですね。
 
というか、お客さんが、そういうものを期待してやってくる。
 
「なんというセットだ〜!」とか、「なんという演出だ〜!」とか、そういうのです。
 
武道館イベントのオープニングみたいなのを期待されちゃうわけですね。
 
そこで「これは、全国のバレエ教室の雛形だから」というのは通用しないというか、それは、「作り手側の理由」すぎる。
 
なので、「演出で入ってください」とお願いされたのですが、そういう理由でお断りしたんですね。
 
「面倒くさい」とか「嫌」とかいう理由ではなく。
 
だから「お手伝い」という形で、「脚本」で参加させていただくことになったんです。
 
バレエ用のストーリーを書いたんですね。
 
 

主要キャラクターを活かすためには、他はトーンを少し落とす

 
今回のプロジェクトに関して、僕がやれるのは(やるべきは)ここぐらいまでかなぁと思っていたのですが、主催の方から、「衣装デザインもお願いしたいです!」と言われて、「まぁ、確かに面白くない衣装になるのも嫌だなぁ」と思ったんです。
 
たとえば、『美女と野獣』の「ランプ」とかって、ちゃんと、一人の魅力的なキャラクターになってるじゃないですか?
 
その逆は、お遊戯会の「木」とかだと思うのですが、背景の「木」の役って、もう本当にただの「木」で、あれだと、ただの人数調整ですよね。
 
あんな仕事は絶対にしたくないし、やらせたくないので、そういった「キャラクターを作らなきゃいけない衣装」は担当しようと思って、「めちゃくちゃカワイイ煙突」とか、「めちゃくちゃカワイイ街灯」とか、「少し妖艶な煙」とか、そういったものを描いて送ったんですね。
 
そうすると、「あと、○○と〇〇のデザインもお願いします」という連絡が来て、その中には、普通の町人とかも入っていたんです。
 
ここが難しいところで、アニメとかなら「モブキャラ」という呼び方をしますが、要するに、主要キャラ以外の「その他大勢の群衆」のことなんですけども、これって、ちょっと殺さなきゃいけないんですね。
 
なんとなくイメージつきますよね?
 
アニメとかだと、一見、手抜きっぽい表情の奴らです。
 
でも、あれは手抜きでも何でもなくて、あそこを濃くしてしまうと、お客さんは誰を見たらいいか分からなくなるんです。
 
なので、少し線の数を減らしたり、あるいは目を点にしたりして、キャラクターのトーンを少しだけ落として、統一させる。
 
そのことで、主要キャラクターに目がいくようにしたりします。
 
僕の絵本は分業制で作っていますが、主人公のプペルとかルビッチとかは僕がデザインしますが、町ゆく人は、別のスタッフさんがデザインしています。
 
そんな感じで分けているんですね。
 
 

チームとして適切なポジションに就かせる「人事マネジメント力」は超大事!

 
そんなこんなで演出の方から全ての役(数十人分)の衣装デザインをお願いされたのですが、「全部を西野にやらせるべきじゃないと思います」とお返事しました。
 
これは、まず、「西野は衣装デザインのプロではない」ということが一つ。
 
そして、もう一つは、これは本当に生意気な話ですが「西野をそんな使い方しない方がいい」というところです。
 
これは、くれぐれも「俺は雑用なんてしないぜ」みたいな話じゃありません。
 
お仕事に上下はありません。
 
社長なんて、社員がいなかったら、何もできません。
 
お仕事の現場であるのは「ポジション」であり、チームとしてやらなきゃいけないのは適切なポジションに就くこと(就かせること)です。
 
たとえば、ある有名なお寿司屋さんの大将がいて、この人は確かに、お寿司に関することならば全ての答えを持っているかもしれないですが、この大将には「お皿洗い」を任せない方がいい。
 
いや、この大将にお皿を洗わせたら、綺麗にやってくれると思うのですが、でも、そこは他のメンバーでカバーして、この大将には、その時間、メディアに出てもらって、広報活動してもらった方がいい。
 
皆さんの周りでも「この人に任せておけば大丈夫」というのってあると思うんですけども、乱暴に全部を任せちゃうと、その人の「もっと良い時間の使い方」を奪ってしまうケースがあって、ここをキチンと見極める「人事マネジメント力」って超大事だなぁということを、自戒を込めてお伝えしておきます。
 

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