地元を潰す「人見知り」

この記事は、2026年5月19日のオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』の内容をもとに作成したものです。
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イベント屋を苦しめる物価高騰問題 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は、過去にオンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』に投稿した記事を一部紹介したいと思います。
『地元を潰す「人見知り」』
「たったそれだけのことで、自分の可能性を閉ざしてしまうのは、あまりにも惜しいよね」という話をさせてください。
昨日、アメリカ・ノースカロライナで『映画 えんとつ町のプペル』の上映イベントが開催されました。
主催は、日本文化とアメリカ文化の架け橋として長年活動を続けているジャパン・ソサエティ。アメリカ各地に拠点を持つ団体で、僕自身もニューヨークでは何度もお世話になってきました。
今回、このイベントを企画・プロデュースしたのは、演出家のセルジオ。
日本でもUSJのショーをはじめ数々のエンターテインメントを手がけ、昨年の『えんとつ町の踊るハロウィンナイト』でも力を貸してくれた、才能と人間的魅力を兼ね備えたクリエイターです。
彼と出会ったのは、ミュージカル『CHIMNEY TOWN』の演出家を探していた頃でした。
以来、折に触れて一緒に食事をし、お互いの作品を見せ合い、率直に意見を交わし続ける中で信頼関係が生まれ、やがてCHIMNEY TOWN USAの仲間として迎えることになりました。
今回の上映イベントは、内容面でも集客面でも非常に良い結果となり、すでにボストンやアトランタでの開催の話が動き始めています。
けれど、その展開は偶然ではありません。
すべては、セルジオがこれまで現地で築いてきた信頼関係の延長線上にあるものです。
もし日本人スタッフだけでチームを組んでいたなら、この流れは生まれていなかったと思います。
一方で今日もブロードウェイでは、ミュージカル『CHIMNEY TOWN』のリハーサルが進んでいます。
『えんとつ町のプペル』というIPがブロードウェイの中へ入っていけたことも、そしてトニー賞9部門にノミネートされた『CATS: The Jellicle Ball』の共同プロデューサーとして関わることができたのも、原点をたどれば、ブロードウェイのプロデューサー・ミーガン・アンが長年築いてきたネットワークがあったからです。
ちなみに彼女も、今ではCHIMNEY TOWN USAの大切な仲間です。
ブロードウェイで活動するようになって、毎日のように実感することがあります。
日本では、ともすると「コネ」と揶揄されるものが、こちらではれっきとした“実力”として扱われている、ということです。
関係性を育てるために朝食を共にする。
信頼を築くために時間を投資する。
未来の協業のために、先に資金を出す。
そうした行動は、こちらでは決して特別なことではありません。
むしろ「作品を届けるために必要な技術」の一つとして、極めて自然に扱われています。
この視点を持ったうえで日本の地方を見ると、少し気になることがあります。
地域を盛り上げようとするチームの多くが、地元のメンバーだけで構成されていることです。
もちろん、それには素晴らしい強みがあります。
気心の知れた仲間と、一緒に「つくる」ことはできる。
ただ、その先。外に「届ける」「売る」「広げる」という局面になると、急に足が止まってしまう。
そこで、「外に届けられる人をチームに迎えればいいんだよ」とアドバイスをすると、必ず返ってくるのが、
「そんな人、どこで知り合うんですか?」という言葉です。
最初から都合よく理想のパートナーに出会えるはずがありません。
会って、断られて、空振りして、また会う。
その繰り返しの中でしか、人との縁は育たない。
言葉を覚える時に漢字や発音を練習するように。
歌やダンスを磨くように。
野球でバッティングやピッチングを反復するように。
「人とつながる力」もまた、訓練によって磨かれる技術です。
人見知りは、個性で終わらせず、必要に応じて乗り越える訓練ができる。
コネクションは、偶然ではなく、自ら育てていける。
そして、AIがあらゆる“技術”を高速で代替していくこれからの時代ほど、「誰と組むか」「誰に声が届くか」という関係性の価値は、むしろ大きくなっていくはずです。
だからこそ、ここは避けて通れません。
言い訳を並べるより、一歩外へ出る。
知らない人に会いに行く。
断られても、また声をかける。
その積み重ねが、自分の可能性を広げ、やがて地元の未来を広げていく。
お互い、頑張りましょう。
それでは、これより日本に戻ります。
現場からは以上です。
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