演劇とPPV(ペイパービュー)の可能性

2023年08月09日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/586643

あらためて、「演劇×PPV」の可能性に迫ってみる。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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『テイラーバートン』オンライン配信チケットが【6000枚】を突破

 
先月末に『テイラーバートン』という舞台を(2日間限定という)超短期間公演でおこなったのですが、公演終了後からオンライン配信チケットがずっと売れ続けていて、昨日の時点で【6000枚】を突破しました。
 
皆さんは「○万人動員」といった大きな数字を聞き慣れていると思うし、それこそキングコングの武道館ライブはオフラインチケットとオンラインチケットを合わせて「3万枚」だったので、「オンライン配信チケットが6000枚を突破しました」と聞いてもあまりピンとこないかもしれませんが……僕的には「コロナ禍ではないこと」や「演劇」や「劇場の規模」、そして何より「売れ方」などを加味すると、これまでとは明らかに違った結果で、ちょっと驚いています。
 
今回の会場は、僕らのホームグランドでもある『東京キネマ倶楽部』という決して大きくない劇場で、キャパは300席ぐらい。
 
今回は3回公演だったので、オフラインで参加されたお客様は1000人弱。
 
オンラインでの参加者はその6倍になります。
 
オンラインサロンでは公演にかかる費用のことをかなり細かく出しているので、是非、そちらをご確認いただきたいのですが…ここで言えるコト(皆さんが知っているコト)で言えば、すっごく当たり前の話ですが「オフラインでの公演数を増やせば増やすほど、劇場や機材のレンタル費や、キャストやスタッフのギャランティーや、雑費などが追加でかかってくる」ということ。
 
ところがオンライン配信となると、損益分岐点を越えれば、あとは“ほぼ”全て「利益」なんです。
 
#テイラーバートンはキャストの皆様にオンライン配信の印税をお渡ししています
 
 

「撮影して配信することを踏まえて舞台作品を作る」ということ

 
そう考えると舞台屋は「演劇×PPV(ペイパービュー)の可能性」について、もっともっと深く考えるべきで、2025年に仕掛けるミュージカル『えんとつ町のプペル』(大劇場版)もここをトコトン探っていきたいと思います。
 
現時点でハッキリと言えることは、「作り上げてしまった舞台作品を撮影して配信する」ではなくて、「撮影して配信することを踏まえて舞台作品を作る」ということ。
 
コロナ禍(オンライン公演自体の目新しさがあった時代)は「作り上げてしまった舞台作品を撮影して配信する」でも、まだイケましたが、今はもう無理ですね。
 
なので、「撮影して配信することを踏まえて舞台作品を作る」をやっていかないと、「演劇×PPV」は上手く回らない。
 
なのでなので、ちょっと踏み込んだ話をすると、これからの演劇は「撮影して配信することを踏まえて舞台作品を作る」に理解がない(非協力的な)キャストやスタッフは絶対にブッキングしちゃいけない。
 
「舞台作品は、配信ではなくて、劇場で楽しんでいただくものですから!」というポリシーを持たれている方は全然少なくなくて、劇場オタクの西野からすると、その気持ちは痛いほど理解できるのですが、そういう人をブッキングしてしまって、配信の可能性を絶たれてしまうと、「皆で一生懸命作った作品」を届けられる人数に天井ができてしまうし、生々しい話をすると作品の売り上げがウン千万円レベルで変わってくる。
 
つまり、美術や照明などにかけられる予算が下がって、キャストさんやスタッフさんにお支払いするギャランティーも下がってしまう。
 
なので、繰り返しますが、「演劇×PPV」に理解がない(非協力的な)キャストやスタッフは絶対にブッキングしちゃいけない。
 
 

「本番に至るまでの物語」を見せていかなきゃいけない

 
さらに踏み込んだ話をさせていただくと、「演劇×PPV」を仕掛けるには、「本番に至るまでの物語」を見せていかなきゃいけない。
 
BreakingDownとかが良い例だと思うのですが、あれなんて「試合」だけ見せても仕方がないわけで、やっぱり「どういう物語(因縁)を持った2人がリング上で衝突するか?」という物語が大切で、「物語」が無料配信で、「試合(本番)」が有料配信となっています。
 
「演劇×PPV」もまったく同じで、「本番だけを有料配信します」とやっても仕方がなくて、やっぱり「どういう物語を背負った人が板の上に立っているのか?」と見せていかなきゃいけない。
 
今回の『テイラーバートン』はキャストさんにオファーを出しに行くところからカメラを回させてもらって、本番に至るまでの物語を何度も何度も丁寧に発信したのですが、それが大事なんだと思います。
 
一方で、「劇場でしか見ることができない作品」もあっていいと思うんです。
 
ニューヨークの『Sleep No More』とか、「配信に不向きな作品」なんて、山ほどあるので。
 
なので、決して「劇場でしか見ることができない作品」を否定しているわけではなくて、「劇場で観てもらいたい」という気持ちも否定しているわけでもなくて、「ちゃんと作品の性格と、興行と時代を理解して、『演劇×PPV』にも目を向けましょうね」という話です。
 
舞台『テイラーバートン』のオンライン配信は9月末まで何回でもご覧いただけます。
 
舞台『テイラーバートン』のオンライン配信チケットはコチラから↓
https://chimneytownusa.zaiko.io/e/tayler-burton
 
 

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