日本企業の『遅い昇進』に思うこと…

2021年06月28日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

今日は「日本企業の『遅い昇進』」という話です。
 


本題に入る前にお知らせをさせてください。

お知らせ!絵本最新作がでたよ!


僕の絵本最新作『みにくいマルコ  〜えんとつ町に咲いた花〜』が発売となりました。


(※こちら→)みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~ | にしの あきひろ |本 | 通販 | Amazon




今回の物語は恋物語がベースになっていますが、今の僕の気持ちを反映させていて、ラストシーンは僕の本音でもあります。

その辺りの事情も踏まえて読んでいただけると嬉しいです。


そして、こちらの作品はサイン本のご予約も承っておりまして、お求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。


コチラのオンラインショップでは『みにくいマルコ』以外のサイン本も並べているのですが、僕が本当に毎朝、サインをせっせと入れて、梱包して、配送に励んでおります。もう内職中の内職です。

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よろしくお願いします。

そんなこんなで、本題です。


僕が働いている会社について!


今日は僕の会社の一風変わったお話です。


知らない人もいると思うのですが、僕は『CHIMNEY TOWN』という会社で働いています。
『CHIMNEY TOWN』は僕が吉本興業を退所してから立ち上げた会社ではなくて、吉本興業の在籍中に作った会社でして、
僕まわりのエンタメと、そこから派生したサービスを企画・運営している会社です。

具体的な業務内容は……たとえば、『映画 えんとつ町のプペル』を作りながら、出資もしています。

映画は、多くの場合「製作委員会方式」といって、複数の企業がお金を出し合って、リスクや広告を分担したりするのですが、『CHIMNEY TOWN』は、そこに名を連ねています。
吉本興業の芸人が、吉本興業が作る映画に出資することって、あまり聞いたことがないのですが、

「映画がコケても、自分には金銭的なダメージがない」

というのは、僕の中ではチョット気持ち悪かったので、少々無理言って、出資させていただきました。

あとは、
絵本を作ったりだとか、
国内外の個展をやったりとか、
ラオスの学校は僕個人で建てたのですが、その学校を卒業した子達の雇用の創出(まだまだ出来てません!)に走り回ったりしているのも『CHIMNEY TOWN』です。

最近だと、ミュージカルとか、コーヒーショップとかをゴリゴリやってます。


もしかすると見たことがあるかもしれませんが、キングコングでやっている『毎週キングコング』というYouTubeチャンネルの収録会場になっている『ZIP』という会議室の管理・運営も『CHIMNEY TOWN』の仕業です。

まぁ、なんか、エンターテイメントを中心にサービスを横展開している変な会社です。


学生インターンをサロン内で募集する理由


昨日、そんな会社の学生インターンの最終面接がありました。
インターンの期間は2~3ヶ月なのですが、たとえば、その間に「エッフェル塔の個展をハンドリングして」とか「渋谷でコーヒーショップを立ち上げるから、そこの責任者をやって」と無茶振りされたりすることがあります。

そうなってくると、「大学でマーケティングを学びました」とか「大学は経営学部です」というだけの子は手も足も出ないんですね。

学校で学ぶこと(体系化されたこと)は、無駄ではないと思うのですが、「マーケティングの歴史」であったり、「経営の歴史」であったりするので、基本的には今のビジネスシーンでは通用しません。
#少なくとも僕まわりのエンタメビジネスシーンでは100%通用しません

「映画をヒットさせてください」という課題を出された時に、「まずはセグメントを切って…」とか、そういった小細工ではクリアできないんです。
「クラウドファンディングの戦い方」を正しく教えられる先生なんて日本には一人もいないので、「あの企画でクラファンを立ち上げて、1000万円を集めといて」と言われても、学校の勉強しかしてこなかった学生はアワアワしちゃうんですね。

なので、「ウチで働くのなら、最低限、これぐらいは押さえといて」というのがリアルにあるので、学生インターンの募集はオンラインサロン内でおこなっています。
もちろん、「オンラインサロンメンバーじゃないけど知識や才能がある学生」も世の中にはたくさんいると思うのですが、そういった学生と出会える確率は低いので、学生インターンの募集は、いつもサロン内でおこなっています。


昨日は最終面接の時に少し時間ができたので、急遽、最終面接にきた学生さん達を対象にした「西野さんの勉強会」がおこなわました。
講義内容は『いかにして経済合理性限界曲線の外側のサービスを作るか?』です。

簡単語に翻訳すると、「『モトがとれない』という理由で皆が手放したサービスを、どうすれば事業として回していくことができるか?」です。
「なぜ、2021年にこのテーマで話しているか?」とか、「話の内容」を秒速で理解できないと、ウチで働くのはチョット難しいと思います。
 インターンとして入ったはいいものの、「まわりの人達が何を喋っているのかが分からない」という状態だと、その子が可哀想なので、「まずはオンラインサロンで今のビジネスシーンを勉強してね」という形にしています。


なぜ、新入社員に独立をそそのかすか?


そんな『CHIMNEY TOWN』という会社にはチョット変な文化があります。
それは、「新入社員に独立をそそのかす」というもの。

これには二つ理由があります。

一つ目は、日本の企業の『遅い昇進』問題。
日本企業って、偉くなるまで(裁量権を持たせてもらえるまで)に時間がかかりすぎるじゃないですか?
なんか、40歳過ぎてから徐々に自分のプロジェクトを持つ感じになっちゃってませんか?

今の40代の基本スペックは「TikTokって何が面白いの?」です。

そんな人が、20代にエンタメを届けられるわけないじゃないですか?


僕は二十歳でこの世界に入って、いろいろ勉強させていただいて、25歳の時に、自分でお金を集めて、作品を作って、販売して…ということを始めた人間です。
当然、最初は全然上手くいかないのですが、だけれど、あの年齢で裁量権を持ってスタートできたのはメチャクチャ大きかったんです。

若いうちの失敗は最高ですよ。
失敗したところで、被害が少ないので。

だけれど、40歳、50歳になってからの失敗は、場合によっちゃ取り返しのつかないことになるから、だから、挑戦することが億劫になる。
挑戦することをやめたら、猛スピードで老いるから、どんどん時代についていけなくなって、最後はフェードアウトです。

自分が若いうちに挑戦して、その恩恵を受けているクセに、「次の世代には、それはさせない」というのは、ちょっとモテなさそうなので、僕は結構、独立をそそのかします。


僕らが社員の独立を応援できる理由


ただ、会社側の立場から話すと、新人を育てるのって、メチャクチャお金がかかるんですね。
現場に立たせてあげないと成長しないから、会社の評判や売上が少し下がったとしても、新人を現場に立たせたりします。
そこで、コストをかけて、ようやく育った社員が、すぐに出ていっちゃうと、会社的には「コストのかけ損」になっちゃうので、一般的には「あんまりすぐに出ていかないで」となる。
#ソコは分かってあげて


ですが、僕らの会社は、IP(絵本や映画の世界観)を保有しているので、それを絡めた独立であれば、会社としても積極的に応援できる。
たとえば、ミュージカル『えんとつ町のプペル』を担当している社員が、「ミュージカル『えんとつ町のプペル』を軸にした会社を作る為に独立する」となったら、当然、CHIMNEYTOWNとしては、その挑戦が上手くいった方が美味しいわけですから、どんどん応援します。


今日は「入社して、西野に1~2年しごかれて、IPを貰って独立する」という文化が生まれつつあるCHIMNEY TOWNという変な会社のお話をさせていただきました。

「将来的には独立したいけど、これといった武器がないなぁ」という若手の皆さんは是非、ウチに立ち寄ってみてください。





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CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
 
  

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