インバウンドの別の視点

2023年05月18日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/530910

「インバウンド」を別の視点から考える | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/530910

 
 

「花火大会」という日本の素晴らしい文化をどう守っていくか

 
先日、万年赤字体質の『阿波踊り』がVIP席(100席)を「1万5000円」で出したところ、地元民(特に高齢者の方)から「高すぎる!」「そんなの売れない!」という物言いがついた問題があったじゃないですか?
 
それに対して、「『全員に1万5000円で売る』と言っているわけじゃなくて、1万5000円で買いたい人(限定100名)に1万5000円で売るわけで、ここで阿波踊りがキチンとお金をいただくと、そこで働く人にお金が回るし、安い席をもっと安くできるし、『阿波踊り』という世界トップクラスに素晴らしい文化を守っていけるし、全員助かるじゃん。それより何より、『阿波踊りのVIP席』が1万5000円は安すぎるって!」という話をさせていただいたところ、Yahoo!ニュースに取り上げられて、大きな話題となりました。
 
このへんの話(日本人の誤ったお金の考え方、あるいは誤った清貧)はまさに最新刊『夢と金』で書いた内容だったので、めちゃくちゃタイムリーなニュースだったわけですけども、実は個人的にもタイムリーなニュースでして…このニュースが出た日はちょうど地元・兵庫県川西市の市長と話していて、「毎年恒例の花火大会をどう守っていくか?」という話になっていたんです。
 
花火大会を開催するには、お金がかかるんです。
 
特に「警備費」ですね。
 
兵庫県では過去に明石市の花火大会で、歩道橋で群衆雪崩が発生して、183名の方が怪我をされ、11名の方が亡くなられる…という痛ましい事故があったので、ここらへんの「警備上の問題」に関してはメチャクチャ慎重になっているんです。
 
要するに、警備費をケチっちゃうと人が死ぬ可能性が上がるから、警備費はキチンを確保しなきゃいけない。
 
問題は「そのお金をどうやって用意するの?」というところで、花火なんてほとんどの人が無料で見るわけで、予算の確保が簡単じゃないんですね。
 
そこで川西市長に「5万円のVIP席を作った方がいい」という話と、「その価格に納得感を持たせるためには、たとえばこういうやり方があります」という提案をさせていただいたんです。
 
そして、「そのVIPの売上を花火の運営費にまわしましょう」と。
 
ちなみに、僕、地元の花火の実行委員でも何でもなくて、ただのボランティアです。
 
地元で事故が起きて欲しくないし、「花火大会」という日本の素晴らしい文化がずっと残って欲しいので、仕事の合間を縫って地元に帰って、市役所に行って、そんな時間を設けました。
 
ちょうどその日に「阿波踊りのVIP席」のことがニュースになったんです。
 
 

VIP向けサービスの理解が無いと、経済的に余裕がない人が苦しむ

 
で、この調子で丁寧に話を進めれば、川西の花火大会はVIP席(つまり花火大会の予算)が確保できると思います。
 
だけど、いまだに日本のあらゆる地域では(とくに年配の方々には)、VIP向けサービスの理解が無いから、その結果、経済的に余裕がない人がメチャクチャ苦しめられている。

先日、税理士の大河内さんが「コロナが明けて外国人観光客が戻ってきても、必ずしも日本が元気になるわけじゃない。大きなお金を落としてくれる外国人観光客が戻ってきても、日本人が『大きなお金を落としてもらえる受け皿』を用意していないとダメ」とツイートされていて、本当にその通りだなぁと思いました。
 
ここでいう「受け皿」というのは「サービス」は勿論のこと、「考え方」もそう。
 
本当に学校の先生にお願いしたいのは、「高いお金を払ってくれる人がいるから、僕らはあらゆるサービスを安く使えるんだよ。だから、高いお金を払ってくれる人を潰しちゃダメだよ」という教育を子供達にしてあげて。
 
もしくは『夢と金』を学校の教科書にして…といったところです。
 
 

時間とお金をかけた先に待っている人間心理

 
で、今日は「インバウンド」について、もう少しだけお話ししたいです。
 
「インバウンド」というと、皆なんとなく「お金に余裕がある外国人が来る」というイメージを持ってるじゃないですか?
 
「円安」で日本がメチャクチャ安くなってるわけだから、「お金に余裕がある外国人がたくさんお金を使ってくれる」という考え方は大きくは間違ってないと思うんですけども…「お金に余裕がない日本人」が外国に行った時も、そこそこお金を落とすんです。
 
日本人ってあんまり海外に行かないから、この視点が抜け落ちている人が少なくないんですけども、そもそも海外に行こうと思ったら頑張って「まとまった時間」を確保しなきゃいけないんです。
 
そして「飛行機代」がメッチャ高いんです。
 
海外に行く時というのは、ここまでのものを支払って行くんです。
 
たとえばあなたが「大きな時間」と「大きなお金」を払ってメキシコのカンクンに行ったとします。
 
カンクンではシルク・ド・ソレイユの「ホヤ」というショーがやってます。
 
仮に、ステージの目の前で大迫力で見れるS席が「3万円」で、ステージから遠く離れた場所にあるB席が「8000円」だったとします。
 
おそらく、このショーを見るのは人生で最後ですよね?
 
どっちの席を買います?
 
それでもB席を選ぶ人もいると思いますが、「大きな時間と、大きなお金を払って、ここまで来て、もう2度と来ることないんだから、S席いっちゃうか!」という人も少なくないと思います。
 
要するに「ここまできたら、むしろB席を選ぶ方が勿体無い」と考えるわけですね。
 
時間とお金に余裕がないから、むしろ高い方(せっかくなら良い方)を選ぶという行動です。
 
時間とお金をかけた先に待っている人間心理ってコレなんです。
 
わざわざ時間とお金をかけて、徳島まで行くんです。
 
遠方から来たお客さんは「次に来るのはいつになるか分からないから、少々お金がかかったとしても、できるだけ良い思い出を作るぞ!」というモードに入っているのに、B席しか用意していないのが『阿波踊り』です。
 
海外から往復50万円かけて来る人もいるんです。
 
中には、ファーストクラスで往復350万円ぐらいかけて来る人もいるんです。
 
お金に余裕があろうが、なかろうが、その人達にしてみれば、VIP席が1万5000円であろうが、5万円であろうが、「微差」でしかない。
 
阿波踊りのVIP席(1万5000円)に「高いぞ!」と声をあげている地元の方の頭から抜け落ちているのは、「徳島に行くまでに支払っているコスト」です。
 
「ここまで来たら、奮発して、いい思い出を作って帰るぞ」という気持ちは貴方にもあるでしょう?
 
そこを忘れちゃダメです。
 
最新刊『夢と金』には、お金の作り方、守り方、使い方をトコトン書いています。
読み終わったら、大切な人、守りたい人、そして子供達に贈ってあげてください。
 
 
『夢と金』(西野亮廣)
https://www.amazon.co.jp/dp/4344040503?tag=chimneytown-22
 
 

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