『自分の人件費』を想像できる労働者、ほぼいない説

2023年05月17日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/530150

「自分の人件費」を想像できる労働者、“ほぼ”いない説 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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全員が知っておかなきゃいけない、とっても大切な「給料」の話

 
ご好評をいただいております西野亮廣最新刊『夢と金』にちなんで、今日は、「全員が知っておかなきゃいけない、とっても大切な『給料』の話」をしたいと思います。
 
僕が働いているCHIMNEY TOWNは日本とアメリカに会社がありまして、アメリカの会社(CHIMNEY TOWN USA)の代表のセトちゃんが今、帰国しているので、一昨日呑みに行ったんです。
 
「セトちゃん」の説明を簡単にさせていただくと、もともとウチのインターン生だったんです。
 
インターンの時にエッフェル塔の個展の責任者を任されて、エッフェル塔の個展終わりは、「ウユニ塩湖で個展しようぜ〜」ということで話を進めていたんだけれど、当時、ボリビアの情勢があまりよろしくなくて足踏みしている間に、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の話が立ち上がり、「ちょうど今、手が空いてそうだし、そっちをやったら?」という流れで、ニューヨーク・ブロードウェイでの上演を見越したミュージカルのプロデューサーを担当し、「ブロードウェイで何かしようと思ったら、結局、『現地の人』にならないと話にならないよね」という話になり、CHIMNEY TOWNのインターン生から社員になり、そして独立してCHIMNEY TOWN USAの代表になった男です。
 
一昨日、そのセトちゃんと喋っていた中で、「多くの労働者は自分に人件費がかかっていることが頭から抜け落ちているよね」という話をしたところ、「…実は僕も経営者になるまで分かりませんでした」と正直な意見が返ってきたんです。
 
セトちゃんで思い出されるのは、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の東京公演(2021年)で彼が起こした珍事件です。
 
「公演の予算の足しになれば」と思って、休演日(夜公演が休みの日)に僕が1人でトークイベントを開催したんです。
 
キャストさんには休んでもらわなきゃいけないんだけど、その間も劇場代は払っているわけで、要するに空家賃を払っているんですね。
 
そこを僕1人で客席を埋めたら、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の懐事情は少し助かるじゃないですか?
 
というわけでチケットを販売して、完売させて、当日を迎えたわけですけども、蓋を開けてみたら僕1人のトーク(時々ギターイベント)なのに、昼公演で頑張ってくださっていたミュージカルの全スタッフ(数十人)が劇場に残っているんです。
 
トークライブなので、最初に照明をつけたら、後は何もやることがないですね。
 
スタッフで言えば、2〜3人いればイベントは回せるんです。 
 
だけど数十人の“何もやることがないスタッフ”が現場にいて、そのスタッフに残業代を出していたんです。
 
当然、スタッフに残業代を出したわけですから、手元にお金は残らなくて、ミュージカルの予算の足しにはなりません。
 
「何やってんだよ」「何の為に西野1人のトークライブをやったと思ってんだよ」という話なんですけども…それもこれも、「経営者になってみないと分からない」と。
 
 

「給料」で働いているので、「自分の人件費」を経費にカウントできない

 
似たような話があって(以前もお話ししましたが)、ウチの会社は定期的にインターン生をとるんですけども、会社で不定期におこなっているフットサルイベントがあって、それをインターン生に担当させたんですね。
 
大きなフットサルイベントじゃないですよ。参加者の上限は15〜20人といったミニマムなイベントです。
 
インターン生の仕事としては「会場を予約して、参加チケットを販売して、当日、現場フォローに来るだけ」です。ぶっちゃけ、小学生でもできる仕事です。
 
で、やらせてみたところ、会場を予約して、参加チケットを販売して、当日、現場フォローに来たんですけども、現場フォローのスタッフとしてインターン生が5人来たんです。
15人の大人のフォローとして、5人のインターン生が来たんです。
 
この5人のインターン生には給料が発生しているわけですから、5人が稼働してしまった時点で、このイベントは赤字確定なんです。
 
ここがポイントで、彼らには「売上」のことは見えているんですが、「経費」のことがあまり見えていない。
 
「フットサルイベントの経費」に「会場レンタル費」や「ボールレンタル費」はカウントすることはできるんですけども、「給料」で働いているので、「自分の人件費」をそこにカウントできないんです。 
 
「会場費」は払うし、「ボールレンタル費」は払うから、「そこにお金がかかる」ということは確認できるんですけども、彼らは「人件費」を払っているわけではないから、彼らの頭の中ではそこは「無料」になっちゃうんです。
 
 

1人の人間を雇うのにかかるお金ってメチャクチャ大きい

 
「自分の人件費」を想像できる人って、ほとんどいないんですけども、人件費ってメチャクチャ高いんです。
 
人件費って「給料」だけだと思ったら大間違いで、「退職金費用」もあれば、「採用費」や「教育研修費」もある。
 
他にも「法定福利費」「法定外福利費」もある。
 
「法定福利費」というのは、「健康保険」とか「厚生年金保険」とか。
 
「法定外福利費」というのは「慰安旅行代」とか「社宅の費用」とか。
 
1人の人間を雇うのにかかるお金ってメチャクチャ大きいんですけも、雇われている人の多くは、自分にどれだけのお金がかかっているかが分かっていない。
 
挙句、自分が担当するプロジェクトの「経費」の中から「自分の人件費」が抜けていたりする。
 
「こんなことぐらい小学校で教えてやれよ」と思うんですけども、どうやらこの先も日本の学校では教えてくれなさそうなので、是非、親子で最新刊『夢と金』を読んでください。
 
そして、今日の放送を聴いて、「ホントに、これぐらい分かっておいてよぉ〜」と嘆いている経営者の皆様は、社員さんに『夢と金』を配ってください。
 
骨が折れる作業ですが、学校で教えてもらえない以上、自分達から率先して学習していきましょう。
 
『夢と金』(西野亮廣)
https://www.amazon.co.jp/dp/4344040503?tag=chimneytown-22
 
  

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