『合宿』のすすめ

2023年03月07日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/485254

合宿のすすめ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/485254

 
 

コロナが明けたこのタイミングで、現在、クリエイティブ合宿中

 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』は2021年に東京で、2022年には大阪でそれぞれ上演させていただきました。
 
このうち、大阪公演は僕らがやったわけではなくて、僕らはあくまで脚本&楽曲&美術の提供という立場で(※途中、運営があまりにもズタズタだったのでボランティアでフォローにまわりましたが)、僕らがやったのは2021年の東京公演です。
 
この時、何が大変だったかというと、ゴリゴリのコロナ禍だったので、ニューヨークの音楽スタッフは「ZOOMで稽古場と繋ぐ」という遠隔での参加だったんです。
 
ガッツリと膝を付き合わせて作れる状態じゃなかったんですね。
 
もちろん、その中で、メチャクチャ頑張ってくださいましたが。
 
その東京公演がモデルとなって、大阪公演があったわけで、つまり、皆さんにお届けしたミュージカル『えんとつ町のプペル』は演出家と作曲家&作詞家が、まだガップリ四つで組めていないモノだったんです。
 
僕らは、このままの状態で世界に打って出るつもりは無いので、コロナが明けたこのタイミングで、クリエイティブのスタッフがニューヨークに集まり、現在、クリエイティブ合宿中でございます。
 
そういえば、大人になってから「合宿」をする機会なんて、ほとんどありませんが、やってみると、これがメチャクチャいいんですね。
 
というわけで今日は「合宿のココが良い!」という話をさせていただこうと思います。
 
 

「合宿のココが良い!」一つ目は「そのことしかやってない」

 
「同じ釜の飯を食っているので仲が深まる」というような皆が予想できるメリットは除いて、今現在、僕が感じているメリットは2つです。
 
一つ目は、「そのことしかやってない」ということ。
 
僕らでいうと、先月末から、毎日朝から晩まで「ミュージカル『えんとつ町のプペル』」のことしかやってないんです。
 
それ以外のことに時間を使っていない。
 
なので、会議を始めるタイミングで「あのシーンって、どうなってたっけ?」というような“再起動”の時間が無い。
 
合宿をやってみると、「日頃、僕らがいかに“再起動”に時間を使っていたか?」がよく分かります。
 
言い換えると、「効率を求めて、隙間時間に他の仕事を入れることが、いかに非効率だったか?」が分かる。
 
これが一つ目のメリット。
 
 

二つ目は「本気で意見をぶつけ合える」

 
二つ目は「本気で意見をぶつけ合える」ということ。
 
これが今回の合宿の最大の収穫なんですけども、合宿初日から皆、ガンガン意見をぶつけ合ってるんです。
 
「その態度はどうなんだ?」とか「それは面白くない!」とか、喧嘩の火種になりかねない意見をガンガン言い合うし、僕も今日までに2〜3回怒りました。
 
では、何故、合宿だと忌憚ない意見を言い合えるのかと言うと、「明日も必ず会うから」です。
 
泣いても笑っても、明日も必ず会うんです。
 
意見をぶつけ合って、たとえ関係性が崩れても、その関係を修復できる時間が確保されているんです。
 
ここで分かったのは、意見をぶつけ合うには時間が必要だということです。
 
僕らが日頃、「ここで意見したら関係が崩れる」というブレーキを踏んでいる原因は、愛や勇気や覚悟の類が不足しているわけではなくて、「『意見をぶつけ合って、ギスギスしてしまった関係を修復する時間』を確保していないから」で、そこを確保しない限り、僕らは作品や商品の内容よりも、関係性を優先してしまう。
 
「時間」を確保していないのに、「遠慮なく意見を出し合いましょう」というのは無茶な話なんです。
 
今回の合宿でそのことを強く強く感じました。
 
今日、皆さんに(皆さんが所属しているチームに)お伝えしたいのは、特に二つ目です。
 
「まとまった時間を確保する」というのは、その間、他の仕事ができなくなるわけですから、かなり勇気のいる決断になりますが、長い目で見たときに、チームメンバーの本音は早いうちに出し合っておいた方がいいと思います。
 
繰り返しになりますが、その時に「本音で話して」と言っても、本音で話した後にも関係性を修復できる時間(心理的安全性)を確保していない限りは本音は引出せないので、チームの皆でガッツリと時間をとる「合宿」はかなりオススメです。
 
 

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