アホみたいな靴下が1日で1000足売れた理由
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「共感」を稼いでも食っていけない未来。だって円安だもの。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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「『共感』を稼いでも食っていけない未来。円安だもの」というテーマでお話ししたいと思います。
もうタイトルで、内容の全てをほぼほぼ言っちゃいましたが、頑張って時間を稼ぎたいと思います。
「共感から創造への切り替え」が大事だが、難しい
僕は、『映画 えんとつ町のプペル』を公開した後ぐらいから、しきりに「『共感』を取りにいくのをやめて、『創造』を選ぶ」みたいなことを言うようになりました。
前からその意識はあったのですが、映画祭で海外をまわったり、ミュージカルをニューヨークに持っていく中で、『創造』しかカウントされていない(=日本で得た『共感』は微塵もカウントされない)場面を何度も何度も目の当たりにして、「共感よりも、創造だ」という意識がより強くなりました。
海外に行くと、良い作品を作っていれば、人が寄ってくるし、逆に、何も作っていなかったら、どれだけ英語が堪能でも、誰とも話せません。
「国内最大のオンラインサロンを運営している」はノーカウントで、コミュニケーションツールとして機能するのは「『えんとつ町のプペル』を作った」です。
で、
こんな話をすると「創造と共感の両方を取りにいけばいいじゃない?」と言われます。
そりゃその通りで、それが一番理想で、両方いける時もあると思うのですが、多くの場合、「創造」と「共感」が共存しないんです。
ここで言う「共感」というのは、「クリエイターの共感」ではなく、「世間一般の共感」のことです。
たとえば(これは極端な例ですが)、SNSに舞台の美術セットの図面をアップしたところで、よっぽどの物好き以外は反応しません。
一方で、タレントの誰それが不倫したニュースを取り上げて、「一番近くにいる人を泣かせてしまうような人間が、大衆を感動させられるわけがない」的なツイートをしたら、そこそこ『いいね』がつくと思います。
前者が「創造」で、後者が「共感」ですね。
ただ、前者を積み重ねたものしか、世界のコミュニケーションツールになりえない。
これが、まぁ、悩ましいところです。
僕らのチームでは、そんなことをよく言っているのですが、昨日、「けんすうサン」のオンラインサロンでも、この件に触れていて、「やっぱり、ワイドショーも新聞もネットニュースも商売なので、一定のビジネスが成り立たないといけない。そうなってきた時に、どうしても『コストが安いコンテンツを作り、たくさんの人に見せる』という方向に向かってしまう」と言ってました。
やっぱり、皆、ここが気になっているんですね。
「共感」というのは、「参加ハードルの低いトークテーマ」と言い換えることができると思うのですが、参加ハードルが低いだけに、ウチの母ちゃんでも参加することができます。
が、それを積み重ねても、資産として残るものは何もない。
だけど、「食っていかなきゃいけない」という目の前の問題もある。
よく、「魚を与えるのではなくて、魚の釣り方(あるいは釣り竿)を与えろ」とか言いますが、釣り方を覚えるまでに飢え死にしたら元も子もないわけで、やっぱり「魚」は必要なんですね。
大切なのは、「魚が確保できたので、しばらくは飢え死にしない」が確認できたタイミングで、「釣り竿を手にする」という“共感から創造への切り替え”だと思うのですが、その“切り替え”ができている人をあまり見かけません。
ゆうこすサンとか、鴨頭サンとか、小嶋陽菜サンとか、篠原ともえサンとか…ときどき、いらっしゃいますが、まぁ、あんまり多くないですね。
やっぱり難しいんだと思います。
「共感」に比べて、「創造」は、時間がかかっちゃうので。
「共感」よりも「創造」が歓迎されるコミュニティーを持っておくべき
ただ、「仕事が速い」ということと、「時間のかからない仕事を選ぶ」というのは、まったく意味が違っていて、時間がかからない仕事を選んだ先に待っているのは「円安の国の共感」なので、ロクなことが待っていないと思います。
それが消費に結びついたとしても、つまり、共感によって何かが売れたとしても、手元に入ってくるのは「価値の低いお金」なので、食っていくのがなかなか大変そう。
なんか、ここって、結構忘れられがちですが、たとえば動画の「再生回数」と「円安」ってメチャクチャ関係あるわけじゃないですか?
円安になると、再生回数が落ちてなくても、収入は確実に落ちているわけで、「円安の国の共感」を取りにいっていること(それが当たり前になっていること)には危機感を覚えた方が良いと思います。
まぁ、結局のところは「創造(生産)」しないといけないのですが、創造は時間もコストもかかっちゃう上に、リターンが約束されていない。
時々ネタには確実に需要はあるけれど、「他人のクリエイティブには誰も興味ない」というのが現実で、こことどう向き合っていくか?
僕自身、明確な答えは持っていないのですが、一つ言えることは「『共感』よりも、『創造』が歓迎されるコミュニティー」は持っておいた方がいい(所属しておいた方がいい)と思います。
僕、オンラインサロンをやっているんですけども、たとえばサロン内で、芸能人の不倫を取り上げて「一番近くにいる人を泣かせてしまうような人間が、大衆を感動させられるわけがない」みたいな投稿をしようものなら、「他人の家庭の事情に口を挟むな!」とか「そんなこと呟いている暇があったら、作れ!」と大ヒンシュクもいいところだと思います。
『いいね』なんて、絶対につかない。
自分を作ってくれるのは「環境」であることは間違いなくて、「共感」にポイントが入る環境にいたら、共感を取りにいく人になるし、「創造」にポイントが入る環境にいたら、作る人になる。
なので、まずは環境(コミュニティー)選びから始めることをオススメします。
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