【西野亮廣】経営者なら、「取り分が最大化する道」をしたたかに選べ

2022年05月08日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

※この記事は、2022年5月6日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。

たしかなモノを作って正しく届けているか?

 
最近、「もう、勿体ない!」と思ったことが、ちょっと続いたので、そんな話を共有したいと思います。
これは会社をキチンと回せている経営者さんだったら(おそらく)共感しかないゴリゴリにビジネスのお話です。
 
結論は、タイトルそのままで「回収(take)を急いじゃダメだ!」というところなんですけども…僕、企業のコンサルをやっているのもあるのですが、なんか、いろんな人から相談されるんです。
意外と知り合いまわりでは評価が高いのかもしれないです。
 
いろんな相談を受けますが、会社の悩みって、だいたい「売り上げ」と「集客」なんです。
「売り上げ」とか「集客」に絡んでくるのって、「コンテンツの課題」と「マーケティングの課題」という二つの課題があると思うんですね。
つまり、「たしかなモノを作っているか?」と「正しく届けているか?」です。
 
で、これは西野調べなんですけども、僕が受ける相談内容の9割は、かなりフラットに見て「コンテンツの課題」なんです。
まぁまぁマズいラーメンを作っておいて、「お客さんが来てくれないのですが、どうすればイイですか? 何か逆転の広告戦略を教えてください!」という。
 
この場合、手をつける順番としては、まずは「美味しいラーメンを作る」だと思うのですが、これが面白い話で、多くの人が抱えているのは「コンテンツの課題」なのに、それを認めたくないから、「マーケティングの課題」ということにしている。
 
さらに面白いのは、社員さんはそのことに気がついているのに、「社長の肝いり案件だから言えない」というケースが本当に多い。
「社長、ダサいっす」とか「社長、シンプルに不味いっす」とか言えないんですね。
なので、社長が裸の王様的になって、「マーケティングに問題があるに違いない」と信じて疑わないケースがかなりあります。
 
ディズニー映画が990円で見放題のこの時代に、「クオリティーが低い」は確実に成立しないので、相談された時は少し胸が痛みますが「シンプルにクオリティーが酷いですよ」ということをお伝えするようにしています。
 
 

一回目で刈り取ろうとすると次はない

 
ただ、言いっぱなしも良くないし、だからと言って「クオリティーをあげる作業」のお手伝いを僕はすることができないので、それ以外の方法でどんなお手伝いできるか? を考えるんです。
仕事でもないのに。
そこそこイイやつでしょ。
で、たとえばお店の場合だったら、僕、「オンラインサロンの呑み会」とかを頻繁にやっているので、「オンラインサロンの呑み会」の会場として利用させていただく…という形でのお手伝いはできるんですね。
その日が仮に「100人の呑み会」だったら、そのお店に100人の新規顧客を連れて行くことができるんです。
自分で言うのも押し付けがましくて嫌ですが、僕が飲食店経営者だったら、こんなにありがたいことはないです。
自分ではリーチできないお客さんが来てくれるので。
 
そんなこんなで、サロンの呑み会をしたりするのですが、その時はお店を貸し切るんですね。
そして、そもそも応援でやっているので、貸し切る料金も、ちょっと色を付ける気マンマンなんです。
そうすると、どうなるか?
 
時々、それを上回る額の請求をしてくる方がいらっしゃるんです。
 
もう、僕が言いたいこと大体わかりますよね。
「なんで、ここで取ろうとしちゃうの?」です。
この一回目は、どう考えたって「好かれるターン」じゃん。
ここで、100人中30人が、「あのお店いいな」となって常連さんになったら、
ここで西野が「あの店、最高だよ」となったら、
その後の売り上げは増えるわけで、最終的な取り分は大きくなるじゃないですか。
でも、最初の一歩目で「ここがチャンスだから、少しでも刈り取ってやろう!」がチラついたら、その店は利用しないじゃないですか。
 
(続きはこちらから【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】)

【西野亮廣】経営者なら、「取り分が最大化する道」をしたたかに選べ──連載「革命のファンファーレ2」Vol.41

https://goetheweb.jp/person/article/20220506-nishino_akihiro_41

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