『10年後に無くなる仕事』ってホント?

2021年06月05日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

ミュージカル「えんとつ町のプペル」

https://poupelle-musical.com/

今日は『「10年後に無くなる仕事」ってホント?』というテーマでお話ししたいのですが、本題に入る前に、お知らせをさせてください。


僕の絵本最新作『みにくいマルコ  〜えんとつ町に咲いた花〜』が発売となりました。
(※こちら→)みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~ | にしの あきひろ |本 | 通販 | Amazon


ここ数日は、ずっとツイッターやInstagramで「みにくいマルコ」で検索をかけては、皆様の感想を読ませれもらってニヤニヤしています。

本当にありがとうございます。
マルコを置いてくださっている全国の書店さんも、いつも本当にありがとうございます。


僕の今の気持ちを正直に描いた作品です。
良いのか悪いのか、世間のニーズのようなものをまったく意識しませんでしたが、ただ、きっと僕と同じような環境にある人には届くと思います。是非、手にとって読んでみてください。

そして、こちらの作品はサイン本のご予約も承っておりまして、お求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。
(※こちら→)https://nishino.thebase.in/items/28763178

みにくいマルコ | キンコン西野のサイン本屋さん powered by BASE

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よろしくお願いします。
そして、お知らせがもう一つあります。

月に2回、僕の友達を自宅に招いて、酒を呑みながら、「今やっていること」や「これから仕掛けること」などを話す月額590円のYouTubeのメンバーシップ『スナック西野』をやっております。


結局、僕の場合は、お酒の席の話が、どこよりも本音だし、なんてったって一次情報なので、それを産地直送でお届けしようというのが『スナック西野』の趣旨です。
 
そして、今日が配信日ですね。
ゲストは「IT評論家・尾原和啓さん」です。
18時頃に10分間の無料版が流れて、22時頃に本編が流れます。

かなりフルスロットルで話しているので、途中、話についていけない人もいるかもしれませんが、「普段の呑み会の会話をそのまま届ける」が趣旨なので、そのまま話を続けています。
先々のゲストですが、「堀江貴文さん」「美容室NORA代表・広江一也さん」と続きます。

興味がある方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の動画の画面の下にある「メンバーになる」をクリックしてください。

(※コチラ→)https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg/join


『スナック西野』は今夜配信です。
よろしくお願いします。

さて。そんなこんなで本題です。

「10年後に無くなる仕事」って、チョット雑じゃね? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/162898


 
昨日、「10年後になくなるかもしれない仕事ランキング」というのを見つけました。
それを見ると、1位が【小売店販売員】だったんです。
同じようなランキングはたくさんあるのですが、大体、「販売員」が上位にランクインしています。

その理由として、「レジの自動化が進むから」とか、「アメリカでは電子マネーを使った決済による無人の店舗ある」とか、あとは、「スマートフォンの普及によってインターネット通販市場は拡大しており、ほとんどのものは通販で購入することができるから」といった理由が並んでいました。

「スマートフォンの普及によって…」って、いつの時代の話をしてんだよ、とは思いましたが……それはさておき、このランキングにちょっと疑問を持ったので、その話をさせていただきます。

 
こんな仕事しているもんだから、僕は、一線で活躍するクリエイターや起業家の友達が結構多い方でして…きっと彼らも、このランキングには同じような意見を持つと思うのですが、「販売員という仕事が無くなる」ではなくて、「そのマインドだったら、販売員という仕事は無くなるよね」が正しいところだと思っています。


このランキングって、かなり「利便性」というものがモノサシになっている気がしていて……

そりゃ、「皆が利便性を追求する」という前提だったら、たとえばG A F Aみたいな大資本が、メチャクチャ便利な無人コンビニをポコポコと作ったら、利便性を求めている人達は、そこに飲み込まれますよ。

だって、便利なお店を探しているお客さんからしたら、利便性競争しているA店とB店とC店があったら、一番、使い勝手のイイ店を選ぶに決まってるじゃないですか。

でも、世界の全てがそっちに向かっているわけじゃないですよね?もし、そうならば、いまだに「スナック」がある説明がつかない。

「スナック」よりも安い居酒屋はいっぱいあるし、「スナック」よりも美味しい居酒屋はいっぱいあるし、「スナック」のママよりも、愛想の良いキャバクラ嬢さんなんて、いっぱいいますよ。
 
Salon.jp | スナック『キャンディ』

Salon.jp | スナック『キャンディ』

https://salon.jp/candy


僕、ときどきスナックに行くけど、無愛想なママに、働かされたりしますよ。

テーブルとか自分で拭いて、それこそ地方に行ったら、冷蔵庫からビールを取り出して、「自分が何本飲んだか?」を自分でつけておかなきゃいけない店とか、全然あります。

サービスのクオリティーで言ったら、鳥貴族の方が1000倍素晴らしかったりします(笑)


ただ、結局、何にお金を払っているかというと、無愛想だけどほっとけないママ(場合によってはお爺ちゃん)とか、そのママに集まって来たお客さんとのコミュニケーションにお金を払っている。
 
あれが、電子パネルで注文して、お酒が自動で出てきて、決済もスマホでピッという感じだったら、便利かもしれないけど、そんな店、僕は絶対に通いません。「フザけんなよ〜」って言いたかったりするんです。
イイ感じに迷惑を被りたいんです。

僕がスナックに期待しているのは、「ママが張り切って、電子パネルを導入したけど、電池が切れているから使えない」です。

スナックの場合なら、そういったコミュニケーションを買っている。


「10年後に無くなる仕事」の一覧には、「コミュニケーションが絡む仕事は生き残る」とあったのですが……洋服屋さんも、メガネ屋さんも、店によっちゃ「あの人から買いたい」とか「あの人が働く店にお金を落としたい」というのがあって、それって明らかにコミュニケーションが絡んでいるじゃないですか?
 
小売店であろうと、結局、「何を売るか?」というところがメインテーマだと思うんですね。


コミュニケーション以外でも、そうだなぁ……

たとえば「初詣のお賽銭を電子決済で」と言われても、僕らはそんなのしないじゃないですか?
僕なんて、現代の現金の価値は「音が出る」ということだと思ってるんですけど、お賽銭はやっぱり賽銭箱に投げて、「ジャラン」という音を鳴らしたいじゃないですか。
あれって、利便性もクソもでも無いですよね。

なんでもかんでも人が便利なものを求めるかと思ったら大間違いで、「販売員=ロボットのように正確に働いてくれる人」と位置づけたら、そりゃ、その販売員さんはロボットに代替されますが、「販売員=手伝いたくなる人」と位置付けたら、ロボットが逆立ちしても、その仕事は奪えない。

なので繰り返しになりますが、「販売員の仕事が無くなるんじゃなくて、そのマインドだったら、販売員の仕事は無くなるよね」という話です。
 
うちの後輩が渋谷から徒歩2分のところでやっているコーヒーショップ『CHIMNEY COFFEE』のスタッフの笑顔がメチャクチャ評判で、SNSで検索したら、「スタッフさんが素敵だった」という感想が少なくないんですね。
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ディズニーランドでいうところの「キャスト」みたいになっていて、スタッフに会いに行くリピーターさんが結構いらっしゃいます。
 
こういう仕事は10年後も無くならないどころか、大資本が利便性を追求したサービスを提供すればするほど、輝きが増してくる仕事だなぁと思っています。
 
ちなみに、ただいま『CHIMNEY COFFEE』では、ご来店いただいた小学生以下の子供達に絵本『みにくいマルコ 〜えんとつ町に咲いた花〜』を無料でプレゼントさせてもらっています。
是非、ご家族でお越しください。
 
今日は、「そのマインドだと、その仕事は10年後に無くなるよ」という話をさせていただきました。 

  





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