ハロウィンなので、こんなことをしてみます!
※この記事は、2021年11月19日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。
第17回 「オフライン用に作ったものをオンラインでも販売する」という発想のままでいたら、未来が無い!?
ステージが変な形をしている舞台作品の作り方
ずいぶん前から仕込んでいたファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の幕が、ついについに上がりました。
新型コロナウイルスに襲われ、ブロードウェイ公演が白紙になり……幾度となく消えかけた企画でしたが、土俵際いっぱいで踏ん張りました。
往生際の悪いスタッフ(とくにプロデューサー陣)に拍手を送りたいです。
会場は連日満員。
皆さん、マナーを守りながら、すんごい熱気です。
舞台の感想は、ツイッターで検索してみてください。
手応えは十分です。
さて。
そんなこんなでスタートしたファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』ですが、実は、ステージは、ものすごーく変な形をしています。
客席を大胆に潰し(一階席の半分ぐらい潰したので、プロデューサーが泡を吹いて死んだよ)、ステージの前っつらがビョーンと(台形状に)飛び出しているのです。
会場の雰囲気(内装が素敵!)も相まって、「ステージの中に客席がある」みたいな感じになっておりまして、そりゃあもうワクワクしてたまらない空間になっているのですが、多くの舞台人は、この手の形をしたステージを嫌います。
というのも、座る席によって「見切れ(見えない部分)」が生まれてしまうからです。
こちらに関してはすでに攻略法は見つけていて……「お客さんの満足度は相対的なモノである」という前提から、演出プランをスタートさせていくとイイと思っています。
つまり…
「下手席にいる僕が見えていないのに、上手席に座っているあの人は見えている」が不満を生んでいるというのであれば、「下手席に座っている僕」にしか見ることができないモノを、作品の中に組み込んでいけば、相対的に満足度が上がります。
というわけで、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』では、「下手席に座っている5~6名しか見ることができない場所」で、キャストが芝居をしていたりしています。
たとえば「スコップ(オリラジ藤森君)が、そんなところから顔を出しても、僕にしか見えないじゃん!」みたいな演出が各所に盛り込まれているわけです。
映像作品ではなく舞台作品には「絶対的な満足度と、相対的な満足度がある」という部分を丁寧につついてみました。
んでもって……ここからが本題です。
(続きはこちらから【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】)
【西野亮廣】オンラインコンテンツを加速させる、オフラインの設計
https://goetheweb.jp/person/article/20211119-nishino_akihiro_17