信頼と依存
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値下げをするな。付加価値を創造しろ。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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お知らせ!バリアフリー映画館での上映決定
今日は「売ることよりも、値上げすることの方が難しいよ」というテーマでお話ししたいと思います。
フリーランスで働く方が最初に必ずぶつかる壁で、そして、なかなか突破できない壁の話です。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
まずは、とっても大切なお知らせです。
もし、お知り合いがいたら、伝えていただけると嬉しいです。
7月15日〜7月31日まで、東京のJ R田端駅のすぐ近くにある『シネマ・チュプキ・タバタ』という日本初のユニバーサルシアター(バリアフリー映画館)で、目や耳が不自由な方を対象とした『映画 えんとつ町のプペル』が上映されます。
基本的に僕は「誰も置いてきぼりにしない」ということを掲げていて、それは映画でも同じです。
いろいろ話あって、走り回って、ようやく「音声ガイド」と「日本語字幕」の準備が整いました。
『シネマ・チュプキ・タバタ』は座席数の少ない小さな小さな劇場なので、ご来場の際は必ず事前にご要約ください。
上映時間等の詳細に関しましては、『シネマ・チュプキ・タバタ』の公式H Pでご確認ください。
(※こちら→) https://chupki.jpn.org/
目の不自由な人も、耳の不自由な人も、どんな人も一緒に映画を楽しめるユニバーサルシアター
https://chupki.jpn.org
このお知らせが届かなかったら意味がないので、お知り合いの中に、目や耳が不自由な方がいらっしゃったら、お伝えいただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
お知らせ!えんとつ町のプペル こどもギフト
それともう一つ。
これは、もともと僕の趣味で始めた企画なんですけど、絵本『えんとつ町のプペル』を、スラム街の子供達や、被災地の子供達や、孤児院の子供達に、ずっとプレゼントしていたんですね。
その活動を知ったファンの方から、「西野さんみたいにウン百冊をプレゼントすることはできませんが、毎月1冊ぐらいなら僕もプレゼントしたいです」と声をかけていただき、「もしかしたら、他にも同じような人がいるのかな?」と思って、『えんとつ町のプペル こどもギフト』という国内外の子供達に毎月1冊ずつ絵本をプレゼントするプロジェクトを立ち上げました。
現在700名近い方が参加してくださっています。
絵本を贈ることが、被災地の千羽鶴のように「贈る側のエゴ」になっちゃいけないので、キチンと運営の方で「絵本が欲しい」という子供施設の声を集めて、その声とマッチングしています。
ただの足長オジサン活動ですが、興味がある方は『えんとつ町のプペル こどもギフト』で検索してみて下さい。
https://salon.jp/child_gift
Salon.jp | えんとつ町のプペル『こどもギフト』
https://salon.jp/kodomo_gift
参加者の方には、写真と文章で活動報告を逐一おこなっております。
よろしくお願いします。
毎⽇eluというサービスを使い絵を描いてる
そんなこんなで本題です。
昨日もお伝えしましたが、僕は今、ロサンゼルスにいます。
会議とかはチョコチョコ入っていますが、人と会う時間は減っているので、比較的、時間に余裕があったりします。
なので、絵を描く練習を兼ねて「elu」という画像を販売するサービスに出品するイラストを毎日最低1点は描いているんですね。
なんか、ここ最近の朝のルーティンになっています。
そんな中、「他の皆さんはどんな作品を出されているのだろう?」と思って、Twitterで「#elu」で検索してみたのですが、まぁ、素敵な作品がたくさん出てきます。
イラストだけじゃなくて、写真なんかもあるんですね。
これで食っていけるクリエイターが増えるのは、すっごくイイことだと思います。
eluを⾒ていて、値段のつけかたが気になる
ただ、一つ気になったのは「値段」です。
eluは自分の作品に自分で値段を付けるのですが、結論から言うと、多くの人が、ちょっと安いんです。
そこに「まだ、自分は何者でもないし、このぐらいの値段で」という気持ちがあるのはメチャクチャ分かるんですが、自分や自分の作品を値下げする前に、この話だけ聞いていただきたいです。
これは、eluに参加されているクリエイターさんに限った話ではなくて、フリーランスで活動されている全ての皆様に向けたメッセージです。
以前も似たような話をさせていただきましたが大切な内容なので、もう一度言わせていただくと…「自分や、自分の作品の値段を上げるのは、自分や、自分の作品を売ることよりも、遙かに難易度が高い」ということは絶対に絶対に踏まえておいた方がいいと思います。
「売ること」よりも、「値上げすること」の方が難しいんです。
「本当は3000円ぐらいで売りたいけど、さすがに売れないかもしれないから、500円で売ろう」という考えってあると思うんですね。
ぶっちゃけ、メルカリなら、それでいいですよ。
それは誰かが作った商品の価値だから。
それらの相場は市場が決めるし、そもそも自分の価値ではないから。
ただ、クリエイターやフリーランスは、自分や自分の作品を売って生きていくわけじゃないですか?
つまり、自分や自分の作品に価値をつけなきゃいかない。
「売れないかもしれないから、安く売りまーす」は価値をつける作業の放棄です。
繰り返しになりますが、一度、500円の値段をつけてしまったら、値上げする場合は何かしらの理由が必要になってくるので、500円から値上げするのがメチャクチャ難しいんですよ。
昨日まで500円で売っていたものを、今日から800円にできます?
お客さんからは、「なんで値段が上がったんですか?」と言われますよ。
そこから1000円に値上げしたら、「また値上げですか?」と言われますよ。
そこから1200円に値上げしたら、「また?」と言われる。
それに耐えられます?
おそらく、自分の中に、「さすがに、これ以上、値上げするのはやめておこう」という気持ちが芽生えると思います。
値上げの自主規制です。
甘く見積もっている人が多いのですが、一度値下げしちゃった値段を上げるのって、メチャクチャ難しいんです。
安易な値下げではなく、付加価値の創造を
なので、「本当は3000円ぐらいで売りたいけど、さすがに売れないかもしれないから」と思っている人がやらなくちゃいけないのは、「500円への値下げ」じゃなくて、「ならば、どうすれば3000円で買ってもらえるか?」と考えることです。
作品に物語(意味)をつけるのか、はたまた応援される人間になる努力をして、作品を購入することが作家の「応援」になるように持っていくのか?
とにかく、「3000円じゃ売れない」となった時に最初にやらなきゃいけないのは、「値下げ」じゃなくて、「付加価値の創造」です。
これはクリエイターさんや、フリーランスの方に限った話じゃないですね。
今、「付加価値の創造」がメチャクチャ求められています。
アーティストのライブ会場で売られているライブタオルなんて、付加価値の塊じゃないですか?
原価に販売員の人件費を足しても、あの値段にはならないですよね?
「ロゴマークが入っている」ということが付加価値(ブランド価値)になっている場合もあるし、あるいは、「ライブグッズを買うことによって、アーティストの応援をする」ということを、ファンはもう分かっているので、「応援できる」ということや「自分が支えている」ということが付加価値になっている場合もある。
そして、ここがポイントです。
多くの場合、「付加価値」というのは当事者同士で成立しているので、第三者からすると、歪に見えるということです。
たとえば、ウン千万円もかけて、ランボルギーニを買おうとは思わないでしょ?
でも、当事者同士では、正しい価値交換がおこなわれている。
アート作品の場合は、特にそれが強くて、「なんで、あんな、白い紙にペンキを飛ばしただけの絵にそんな値段がつくんだよ。騙されてんじゃないの?」という第三者の声が起きやすいから、先回りして、値下げをして、そういった批判から逃げたりしがちですが、くれぐれも言っておくと、「価格を決めるのは、第3者じゃない」ということですね。
そこに合わすとロクなことがないので、値下げに逃げずに、付加価値の創造と向き合ってみてください。
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