「マネーの虎」の批判について

2021年07月05日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/174172

『マネーの虎』の批判について | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/174172

 
お知らせ!えんとつ町のプペル こどもギフト

 
本題に⼊る前にお知らせをさせてください。

昨⽇もお話させていただきましたが『絵本ギフト』のお知らせです。

もともと僕の趣味で始めた企画なんですけど、絵本『えんとつ町のプペル』を、スラム街の⼦供達や、被災地の⼦供達や、孤児院の⼦供達に、ずっとプレゼントしていたんですね。

その活動を知ったファンの⽅から、「西野さんみたいにウン百冊をプレゼントすることはできませんが、毎⽉1冊ぐらいなら僕もプレゼントしたいです」と声をかけていただき、「もしかしたら、他にも同じような⼈がいるのかな?」と思って、『えんとつ町のプペル こどもギフト』という国内外の⼦供達に毎⽉1冊ずつ絵本をプレゼントするプロジェクトを⽴ち上げました。

現在700名近い⽅が参加してくださっています。

絵本を贈ることが、被災地の千⽻鶴のように「贈る側のエゴ」になっちゃいけないので、キチンと運営の⽅で「絵本が欲しい」という⼦供施設の声を集めて、その声とマッチングしています。

ただの⾜⻑オジサン活動ですが、興味がある⽅は『えんとつ町のプペル こどもギフト』で検索してみて下さい。

参加者の⽅には、写真と⽂章で活動報告を逐⼀おこなっております。

よろしくお願いします。
 
 

セカンドクリエイターの⼤事さと批判

 
そんなこんなで本題です。

 
僕は、いろんなオンラインサロンに⼊らせてもらっていて、それそれ内容が違って⾯⽩いのですが、Webサービスの開発&運営でいうと、けんすうサンがやられている「アル開発室」が、現在進⾏形でやっている開発&運営の試⾏錯誤が⾒れるので、ダントツで⾯⽩いです。

こんなことを⾔ったら怒られるかもしれませんが、全然上⼿くいっていないところも正直に全部⾒せてくれるんです。

「こうやったら成功しますよ」みたいなハウツーとは明らかに⼀線を画しているんです。

 
その「アル開発室」で、「Facebookは最初のS N Sじゃないし、Googleは最初の検索エンジンじゃないし、メルカリも最初のフリマアプリじゃない」という部分に⾔及していて、「『最速』じゃなくて『最⾼』を作るべきだ」と結んでおられたんですね。
 

これ、本当にそうで、僕が「セカンドクリエイター」とか⾔い出したのって、2015年とかだと思うのですが、その時、「これからは、2次創作してくれるファンをどれだけ抱えるかが最重要事項だ」と⾔っても、誰も反応しなかったんです。

「なるほど!」と声を上げてくださったのは岡⽥⽃司夫さんぐらいで、他の⼈は「搾取だ」とか「詐欺だ」とか「信者ビジネスだ」と、まるで取り合う様⼦がない。

「違うんだ。『良い発信ができる』ということが最⼤の報酬になるんだよ。それによって、直接、お⾦が発⽣する場合もある。だから、著作権は時にクリエイターの⾸を絞める」と⾔っても、変⼈扱いなんですよ。

 
で、今になって、たとえば「B T SのA R M Y」や「ひろゆきサンの切り取り動画」とかで、セカンドクリエイターの理解が進んだと思うのですが、実に、6年のタイムラグがある。

で、先に⾔っておくと、『映画 えんとつ町のプペル』で、ファンの⽅がポスターを⾃分で刷って、貼ったりしてくださっていたのを⾒て、「信者だぁ〜」と叫んでいた層がいるじゃないですか?

当然、その⼈達は、批判した⼿前、その⼿は取れないので、また2〜3年遅れると思います。

それはつまり、⾃分が応援しているアーティストの⽣存確率を下げることと同義です。
 

よく分からないものを批判する無意味さ

 
⾯⽩い話があって、本⼈の尊厳の為に名前は伏せさせていただきますが、以前、とあるアーティストさんから「実は僕、昔、『えんとつ町のプペル』の無料公開を公に批判しちゃったんです」と⾔われたんです。

オリラジの藤森君もそうですが、時々、そうやって正直に話してくれる⼈がいるんです。

素晴らしいと思います。

 
で、その⼈が⾔うには、「無料公開」を公に批判しから、当然、その⽅のファンの⽅も⼀緒になって批判したんですって。

でも、その数ヶ⽉後、事務所の⽅から「作品を知ってもらうことが重要だからで、広告無料公開をしよう」という提案があった。

事務所の提案には賛成だったんだけど、でも、つい数ヶ⽉前に無料公開を批判して、ファンの⽅を扇動してしまった⼿前、結局、できなかったんですって。

 
これ、こういった感じで名乗り出る⼈こそ少ないと思いますが、同じ⽬に遭っている⼈は結構多いと思います。

芸⼈のクラウドファンディングが出遅れたのが、まさに、これです。

 
何度も⾔いますが、批判すること⾃体が悪い⾏為じゃないのですが、「よく分からないものを批判する」は、⾃分や、⾃分が応援している⼈の為にやらない⽅がいい。

 
ちょっと話がそれかけているので、元に戻します。
 
 

「早けりゃいい」という問題でもない

 
さすがに、2021年にもなって、セカンドクリエイターの批判はやめた⽅がいいですよね。
ここからさらに2〜3年、セカンドクリエイターという打ち⼿がとれないとなると、さすがに⽣き残れないと思います。
 
 
ただね、2015年の段階で、セカンドクリエイターという概念を咀嚼して、アウトプットできていなかったことが失敗か?というと、実は、そうとは思いません。
 
 
2次創作してもらう為にはまずはクオリティーが必要だし、なにより、けんすうサンの⾔う通り「早けりゃいい」という問題でもない。
 
あの当時は、今みたいに、皆がYouTubeなんてやってなかったんです。
 
 
それこそ、覚えているんすけど、僕が梶原君に「これからはYouTubeの時代だから、YouTubeをやらない?」というお話をしたのが、2013年です。

その時の梶原君の反応は、「そんなもん、素⼈がやるやつやろ?」みたいな感じです。

もうね、全然、刺さってないんです(笑)

 
でも、世間全体が、そんな感じだったんです。

だから、セカンドクリエイターと⾔われてもピンとこない。

お客さんが発信する時代が来るとは、誰も思ってなかったんです。

動画も、まだまだ全然、重かったので。

やっぱり、適切なタイミングってあるんです。
 
 

実⾏する⼈と、タイミングが重ならないと 

 
でもって、ここから『マネーの⻁』の話になるのですが…『マネーの⻁』ってご存知ですか?

⼈気番組だったので、僕ら世代は皆知ってると思いますが、5⼈ぐらいの社⻑を前に、事業プレゼンして、お⾦を出してもらえるか否か?を追いかけるドキュメント番組です。
 
   
今は、YouTubeで『令和の⻁』というチャンネルがありますが、あれですね。
 
 
で、『マネーの⻁』が⾯⽩いのは、志願者が社⻑達に事業計画の⽢さを突かれて、タコ殴りにされるんです。

そして、お⾦を出してもらえずに終わることがほとんどなのですが、あの当時、社⻑達にタコ殴りにされて、お⾦を出してもらえなかった事業アイデアが、今、成功しているケースって結構あるんです。
 
  
それこそ、「アイドルの専⽤劇場を作って、『会えるアイドル』を作る」というアイデアがあったりして、それがタコ殴りにされて、ノーマネーでフィニッシュしているのですが、ご存知の通り、その後、秋元康さんがA K B48でコレをやって、社会現象を起こしています。
 
 
その結果を受けて、「あの時の社⻑の⽬は節⽳だ」みたいな批判があったりするのですが、
そうじゃないんですね。

まず、事業というのは、「アイデア」で勝負がつくわけではなくて、「アイデアを実⾏する⼈」に左右される。

あれは軍資⾦を業界の信⽤を抱えていた秋元康さんだったからできたわけで、そのへんの⼤学⽣が「会えるアイドルを作る!」と⾔っても、ちょっと難しいんですね。

 
あとは、時代です。

マネーの⻁でプレゼンされた時代と、A K Bの時代は、インターネット前とインターネット後なので、全然違っていて、接触できる機会が圧倒的に増えたんですね。

だから、何が⾔いたいかというと、「あの⼈が、あの時代に企画したプロジェクト」だったからアウトだったわけで、べつに、当時の社⻑達の判断というのは間違っていなかったという話です。

ライト兄弟が⾶⾏機の開発を進めている時に、「機内⻝のサービスを⽴ちあげようと思っています。出資して下さい」と⾔っても、そりゃ無理じゃないですか?
 
   
「アイデアというのは、実⾏する⼈と、タイミングが重ならないと爆発しません」とい
うお話でございました。
 
 

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【注意】
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