バレエ界にも起きている「夢と金」問題。「やりがい搾取」が当たり前になっている業界慣習の蓋を西野亮廣が開いた!――ロングセラー本『夢と金』必読の理由

2024年03月10日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

※この記事は、2024年3月8日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。

谷桃子バレエ団のYouTubeの見せ方が本当に最高

 
『毎週キングコング』でもお話しさせていただきましたが、最近、谷桃子バレエ団のYouTubeにハマっています。
 
見せ方が本当に最高で、「バレエに興味がない人にバレエに興味を持ってもらうにはどうすればいいか? 公演を観に来てもらうにはどうすればいいか?」を本当に丁寧に考えられていて、おそらく、これまでバレエ関係者が隠してきた裏側のドロ臭い部分も、全部、曝け出しているんです。
「バレエはこんなに美しいものなんですよ〜」という押し付け宣伝じゃなくて、「ここで、泥臭く頑張っている人達がいます!」という物語を見せていくスタイルです。
 
このYouTubeチャンネルを仕掛けたスタッフさんも最高だし、それを受け入れた谷桃子バレエ団さんも本当に最高です。
お時間あれば、是非、観てください。
 
 

バレエ団に起きている『夢と金』問題

 
さて。
その谷桃子バレエ団のYouTubeチャンネルですが、これまで週2で配信されてきたのですが、バレエ団の懐事情的に「週2配信が厳しい(週2配信分の予算を払うのは無理)」という状況に今、陥っていて、まさに『夢と金』問題が起きているんですね。
 
これに関しては、「やっぱりバレエを作るにはお金がかかるんだなぁ〜」という感想を持たれる方もいらっしゃるだろうし、実際お金はかかるんですけども、ただ、これは谷桃子バレエ団さんに限った話じゃなくて、日本の多くのバレエ団が「お金」と「ビジネス」に関して知識が無さすぎる(勉強してなさすぎる)という身も蓋もない問題は確実にあって、ここに関しては『大人バレエアカデミーのイノくん』というYouTubeチャンネルで最近アップされた「バレエの世界はなぜお金に困るのか?」という動画をご覧いただきたいのですが、そこで、「東京シティ・バレエ団」という公益財団法人のお金まわりを分かりやすく紹介してくださっています。
 
公益財団法人なので「収支報告書」を公開しているのですが、それが驚きの内容で、年間の事業収益が「3億3417万7600円」のうち、「助成金収入」というお国からいただいているお金があって、それが「1億7875万6000円」もあるんです。
 
半分が助成金なんです。
これ、ちょっとビックリしますよね。
 
これはあくまで「東京シティ・バレエ団」さんの収支報告書であって、他のバレエ団さんの収支報告書ではないのですが、だけれど、基本、バレエ団って、公演する度に、かなり多くの助成金を貰っているんです。
 
くれぐれも「助成金を貰うのが悪」と言いたいわけじゃないですよ。
そういう制度があって、キチンと申請を出して、判子を貰ってやられているわけですから、「助成金」を受け取ることは何も悪くない。
 
問題は、「それだけ助成金を貰っておいて、なんで経営に困ることがあるの?」というところ。
 

(続きはこちらから【連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】

バレエ界にも起きている「夢と金」問題。「やりがい搾取」が当たり前になっている業界慣習の蓋を西野亮廣が開いた!――ロングセラー本『夢と金』必読の理由

https://goetheweb.jp/person/article/20240308-nishino-135

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