ここまで徹底しているブロードウェイの仕事環境

2024年01月18日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/708082

ここまで徹底しているブロードウェイの仕事環境 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/708082

 
 

ブロードウェイはユニオン(労働組合)がしっかりしている

 
ミュージカル『えんとつ町のプペル@NY』のプレゼン公演がいよいよ明日から始まります。
 
すでにお席は埋まっていて、「追加公演をするか?」みたいな話も一瞬あがっていたのですが、どうしてもスケジュールが合わないキャストさんが一人だけいて、「代役を立てる」という選択肢もあったのですが、「一人でも欠けたら意味がない」という少年ジャンプ的なモチベーションで意見がまとまり、結局、追加公演はやらないことになりました。
 
追加公演の話は全キャストさんのスケジュールが分かるまでは、キャストには話さないようにしていたので、「スケジュールが合わなかったキャストさん」が責任を感じるような流れは生まれておりません。
 
このあたりの配慮には抜かりない男です(ニヤリ)。
 
さて。
 
そんな中、今日は、あまり知られていないブロードウェイの仕事環境についてお話ししたいと思います。
 
以前の放送で「ブロードウェイはユニオン(労働組合)がしっかりしている」というお話をさせていただきましたが、それが一体どれぐらいしっかりしているのか?を今日はお話します。
 
 

キャストさんの時間外労働を一切認めないのがブロードウェイ

 
まず、キャストさんの方からお話しすると…
 
日本みたいに「タレントと、そのタレントの所属事務所のマネージャーが現場にきて、そのタレントが変な目にあわないように、所属事務所のマネージャーが睨みを効かせる」みたいなことはなくて、僕らのような演出側の席に、ユニオン所属の俳優に変なことがないように睨みを効かせる人がいます。
 
今回は「ティア2」と呼ばれる“台本を持っておこなう公演”なんですけども、そういうルールなので僕ら演出側が役者さんに対して「台詞を覚えてください」と一言でもポロッと言おうものなら、その人からイエローカードが出ます。
 
かなりレッドカードに近いイエローカードです。
 
分かりやすく睨まれます。
 
そして、リハーサル時間ですが、ストップウォッチ(スマホのタイマー)でキッチリと計られていて、終了時間がきたら、どれだけ途中であっても、問答無用で強制終了です。
 
キャストさんの動きが悪くて、最後まで仕上げきることができなかったのならば、それは、演出サイドの責任になります。
 
「何がなんでも時間内に仕上げてね」という世界線です。
 
日本だと、時間がきても、まだ仕上がっていなかったら、キャスト側から「もうチョイ、やりましょう!」という声が上がったりしますが、ブロードウェイではそれが絶対にないので、日本の時間感覚で仕事をしちゃうと大事故が起きます。
 
とにかくキャストさんの時間外労働を一切認めないのがブロードウェイです。
 
 

スタッフさんを「やりがい」で働かせない為の鬼ルール

 
労働環境が守られているのはキャストさんだけじゃなくて、劇場で動いてくださるスタッフさんも同じで、今回の「ティア2」だと、「キッカケは一回だけ」という鬼ルールがあります。
 
「キッカケ」というのは、照明や音楽などのことで、要するに、照明は一回しか切り替えられないし、音源は一回しか流せない。
 
たとえば、オープニングで照明を明転してしまうと(電気をつけると)、あとは、ずーっと、その照明のまま最後までいかなきゃいけません。
 
『えんとつ町のプペル』でラストで星空の照明を使いたいなら、そこまでは、街中であろうが、建物の中であろうが、地下であろうが、同じ照明で乗りきらなきゃいけない。
 
ここを僕らのチームがどう乗りきったかはオンラインサロンで詳しく書かせていただいているので、是非、御一読ください。
 
 
とにかく、泣いても笑ってもキッカケは一回だけなんです。
 
これは僕らがイジメられているわけじゃなくて、スタッフさんを「やりがい」で働かせない為のルールで、日本のスタッフからすると、「いやいや、良いものができるのであればスイッチングぐらい何百回でもやるよ」といったところなのですが、その例外を認めてしまうと、まわりが働かざるをえなくなってしまうので、例外は一切認められません。
 
日本人の感覚からすると、「もっと動こうよ」「もっとスピード出していこうよ」と思わされる機会が少なくないのですが、すごいのは、あまり動かなくても、あまりスピードを出さなくても、ブランドが確立されている(仕事として食っていけている)ところで、ここは僕たち日本人も見習わなきゃいけないところだなぁと思います。
 
「量でカバーしよう」という日本人に対して、「あまり働かなくてもいい(あまり働かなくても価値が発生する)状況を作るには、どうすればいいか?」というカウンターパンチですね。
 
「品質にこだわる日本と、ブランドにこだわる欧米」みたいな話かもしれません。
 
どちらが良いという話ではなくて、どちらにも良いところと悪いところはあるので、とりあえずは現地の様子(双方の事情)を知っておいた方が良いのかなぁと思います。
 
日々、勉強でございます。
 
 

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