33歳まで続けてしまったルールは変えられない

2021年07月01日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

今日は「33歳まで続けてしまったルールは変えられない」というお話です。
  
  

お知らせ!11月8日武道館でイベント開催!

 
本題に入る前にお知らせです。
 
11月8日に日本武道館で『サーカス!~世界で一番楽しい学校~』という学校イベントをおこないます。

 

 
こちらのイベントの内容に関しては、また今度、お話させていただくとして、今回は「武道館イベントができるまで」もお客さんと共有していきたいなぁと思っておりまして、7月2日(明日です!)22時から、「武道館イベントの予算会議」をオンライン配信することが決まりました。
 
前回もやったのですが、その第二弾ですね。
「イベントの予算が、どうやって組まれていくのか?」を、そのまま生配信します。
 
西野の会議の様子も楽しんでいただけると嬉しいです。
   

 
 

7月2日22時からの『【働く西野先生!】11月の武道館イベントの第二回オンライン予算会議(視聴料金400円)』に参加される方は、こちら↓
https://sacus.thebase.in/items/47382961
 
 
宜しくお願いいたします。
 
 
 
そんなこんなで、本題です。
 

報酬の形が変わってきたよね

 
僕が働いている「CHIMNEY TOWN」という会社には、毎シーズン、新しい学生インターンの子達がたくさん来てくれます。
そんなこともあって僕は学生と触れ合う機会も多いのですが、彼らが求めているものは、「お金」や「名誉」なんかよりも、「貢献」とか「発信」だったりします。
 
そうじゃない子も勿論いるのですが、「食っていけたらそれでよくて、そんなことよりも…」という子が少なくありません。
「社会問題に真正面から向き合える」とか、「数万人のお客さんを沸かせられる」といった“機会”を『報酬』としている子です。
 
もちろん会社としては彼らの「やりがい」につけこんではいけないので、新入社員にはキチンとお金の教育もしています。
 
ただ、彼らが「お金」や「名誉」以外のもの報酬としている傾向は明らかにあります。
皆さんも、それが1円にもならなくても、「いいね」や「フォロワー数」を獲得する為に頑張った経験がおありだと思います。
 
「報酬の形が変わってきたよね」という話です。
 

西野が10年前から言っていること

 
でもって、こんな話は10年近く前から言っているですけど…人々の『報酬』が変わってくると、当然、サービスや、エンタメの形も変わります。
 
たとえば次の選択肢のうち、「どっちか選ばないといけない」となったら、どっちを選びますか?
 
 
A.3000円を払って、エッフェル塔で開催されている個展を観に行く。
B.5000円を払って、エッフェル塔で開催する個展の設営スタッフになる。
 
 
…当然、結果は分かれると思いますが、「B」を選んだ人も少なくないと思います。
 
 

 
批判し、出遅れ、負けてしまった

 
夜中のエッフェル塔に入って、光輝くパリの街並みを見下ろしながら、みんなと文化祭みたいなノリで、トンチンカンチンと設営するの楽しそうじゃないですか?
そのタイミングを逃すと、きっと一生できない経験です。
 
……ということを、10年前に提案した時に、先輩方からは「はぁ?」という言葉が返ってきました。
「なんで、お金払って働くの?」と。
 
その先輩に、
「BBQをしたことありますか?」と聞くと、「ある」と返ってくるんです。
「イチゴ狩りをしたことありますか?」と聞くと、「ある」と返ってくるんです。
「それ、お金払って、働いてませんか?」と聞くと、「それとこれとは別だ」と返ってくるんです。
 
「なんで、お客さんがお金を払って、働くんだ!」と問われて、その都度、「それはお客さんが決めることであって、第三者が口を挟む問題ではないと思います。お客さんがそれを望んでいるのであれば、そこで、需要と供給が成り立っているんだから」と返しても、「お客さんがお金を払って働くなんておかしい!」の一点張り。
 

そうこうしている間に、韓国では、BTSのファンの方がお金と時間を払ってBTSを世界一のアーティストに押し上げて、今日も、BTSとファンの方は素晴らしいエンターテイメントとコミュニケーションを展開しています。
 
「お客さんが働ける機会を設計する」とか、あるいは「制作過程を販売する」とか、そういったことをやる度に、日本では「詐欺だ〜!」「宗教だ〜!」という声があがって、日本人がそんなことをギャーギャー言ってる間に、BTSやNiziUが、「お客さんが働ける機会を設計する」とか「制作過程を販売する」をやり始めました。
 
そして、今はもう、背中が見えなくなるぐらい離されました。
 
それでも自分は絵本やアニメーションの領域で、そこをやり続けたらからアレなんですけども、でも、正直、悔しさもあります。
 
あの時、「詐欺だ!」「宗教だ!」と言ってた、僕の知り合いのミュージシャンが今になって、BTSとかNiziUを見て、「お客さんと作ろう!」とか「今の時代はセカンドクリエイターだー!」とか言い出している。
彼らに対して「そら見たことか!」と言いたいわけじゃなくて、「あなたの素晴らしい才能を、あの段階で、そこに注ぎ込んでいれば…」という無念が僕にはあります。
 
『才能』で負けたのなら納得もいくのですが、「才能で負けた」とは言いきれない。
その負けには、「異文化を批判したことで、出遅れた」という要素が混じっているからです。
 
こんなことを自分で言っちゃ世話ないですが、当時から僕、そこまでおかしなコトは言ってないと思います。
むか~しの書籍を読んでみてください。
「無料公開は当たり前になる」「セカンドクリエイター」「制作過程を販売する」……全部言ってます。
全部批判されたけど。
 
 

 

当時は、どれだけ上の人に説明しても、全く話が伝わらないから、結局、呑み友達と共謀して、『えんとつ町のプペル』をゲリラで無料公開して、オンラインサロンを自前で立ち上げて、クラウドファンディングのプラットフォームを作りました。
 
 

誰と関わっていくといいかを考えなきゃね

 
そして、ここからが本題です。
 
あの時と違って、今は下の子と話す機会が増えました。
今も僕は毎日のように実験を繰り返していて、「おお!これは面白い!」という発見に満ちていて、そこでの学びを、上の人にも、下の人にも提案するんですね。
 
今は少しだけ実績もあるから、話を聞いてもらえるようにはなっているのですが、それでも、上の人と、下の人では、明らかに反応が違うんです。
 
あくまで僕の肌感ではありますが、それは、「話が理解できる/話が理解できない」という違いではなくて、「話を理解したい/話を理解したくない」という違いです。
 
たとえば、NFTの話を先輩に話しても、否定はされないまでも、「まぁまぁ、そういうのはええやん」みたいな感じで、取り合おうとしないんです。
ですが、後輩に話すと、それとは真逆の反応です。
 
ポイントは「先輩も後輩も僕に対して否定的な目を向けているわけではない」というところ。
そこで思い出すのは、『新しい音楽を受け入れられる年齢』の話です。
 
音楽の趣味って、(一般的には)「20歳頃に固まって、33歳を過ぎると、新たな音楽を聴くことはほぼなくなる」ということが、データで出ているんです。
なので、33歳までに聴いた音楽を一生聴き続ける傾向があるそうです。
 
これはきっと音楽だけじゃなくて、いろんなシーンで同じことが起きていて、つまり、どのシーンでも(具体的な年齢はさておき)「33歳まで続けてしまったルールは変えられない」みたいなことがあるんだろうなぁ、と。
 
そして、それは個人の能力ウンヌンの話ではなくて、人間がDNAレベルで持ち合わせている。
 
抗いようがない。
 
 
だとするなら、当然、僕にも「新しいルールを受け入れにくくなる日」は来るわけで、当然、あなたにもその日はくるわけで、
 
「意思の強さ」でどうこうするのではなくて、あらかじめ織り込んでおくことが大事なんだろうなぁと思います。
つまり、「何が面白いか分からへん」という新しい文化が目の前にやってきた時に、いつもつるんでいる同い年の人達と話し合ったら、「何が面白いか分からへん」が正解になってしまうので、そもそも同世代に同意を求めることが間違っている。
 
そこを織り込んでおくといいかもしれません。
 
 
 

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