会議の目的は「イケそうな空気に持っていくこと」

2023年09月21日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/617562

会議の一番の目的は「イケそうな空気に持っていくこと」 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/617562

 
 

CHIMNEY TOWNのビッグプロジェクトは毎回命懸け

 
映画やミュージカルや盆踊りを作っている裏で、僕たちCHIMNEY TOWNは今、美術館建設を進めています。
 
元は『えんとつ町のプペル美術館(仮)』という名前がついていましたが、作品数も増えてきて、「プペル以外の作品も展示しよう」という話になり、名前を変更して、さらには美術館のサイズも当初予定していたモノの3倍ほどのサイズになりました。
 
CHIMNEY TOWNが手掛ける「ハコもの」としては過去最大サイズで、現在、オンラインサロンの方で逐一、進捗状況を共有しておりますが、とにもかくにも、ダイナミックかつ丁寧に進めております。
 
「美術館ってどうやってできるんだろう?」という興味がある方は、是非、オンラインサロン『西野亮廣エンタメ研究所』を覗いてみてください。
 
 
さて。
 
 
一昨日は、その美術館の建設予定地の視察を兼ねたCHIMNEY TOWNの合宿がありました。
 
チームの皆で現地を視察した後に、近所の別荘に集まって、「予算」や「運営方法」に関しての全体ミーティング…というスケジュールです。
 
これは今回の美術館に限った話じゃありませんが、僕たちCHIMNEY TOWNって、日本の大手事務所よりも大きなプロジェクトをバンバン仕掛けているので忘れられがちですが、蓋を開けてみると、小さな小さなベンチャー企業なんです。
 
外注は山ほどしていますが、「社員」は5~6人です。
 
映画やミュージカルを作る…となるとスタッフの数は数百人に膨れ上がりますが、それを5~6人の社員がハンドリングしている…という感じです。
 
なので、潤沢な資金を元手にホイホイとビッグプロジェクトができているわけじゃなくて、本当に毎回命懸けで、「全プロジェクトに社運がかかっている」という追い込まれっぷりです。
 
でも、たぶん、皆さんにはそうは見えていないハズで、なんなら「CHIMNEY TOWNの仕事って、なんだか楽しそうだなぁ」と思っている人も少なくないと思います。
 
実は、それがメチャクチャ大事で、それこそが今日の本題です。

 
 

タメ息をついたところで問題は解決しない

 
大きな問題を抱えている会議をしていると、タメ息をつく人や、頭を抱える人や、後ろ向きな発言をする人がいます。
 
というか、西野調べによると、9割以上が、“そういう人”です。
 
いわゆる「空気に飲まれちゃう人」ですね。
 
だけど、(当たり前ですが)タメ息をついたところで問題は解決しないし、後ろ向きな発言をしたところで、チームが登る山が低くなるわけじゃないんです。
 
「エベレストに登る」と決めたんだったら、やらなきゃいけないことは、「正しい道具」と「正しい知識」と「正しい仲間」を集めること。
 
「しかるべきトレーニング」を受けること。
 
「持っていかないモノ」を決めること。
 
「撤退のライン」を決めること。
 
…であって、くれぐれも「タメ息をつくこと」じゃないじゃないですか?
 
そんなことをしても1円にもならない。
 
僕がよく言うことですが、熊が目の前に現れたらやることは「全力で逃げる」の一択じゃないですか?
 
タメ息をついている場合じゃない。
 
ところが会議(問題を解く場)となると、「それをやって何になるの?」ということを皆、平気でやったりします。
 
まぁ、でも、こればっかりは幼少期から培った生活習慣みたいなもので、気をつけることはできても、完全に改善するのは難しいのかも(諦めた方がいいのかも)しれません。
 
でも、タメ息やネガティブな発言って感染するし、チーム全体がその空気に包まれたら、もう終わりなんですね。
 
 

「イケそうな空気に持っていってくれる人」の重要性

 
僕、会議の最大の目的は「まだまだ問題は山積みだけど、イケそうな空気に持っていくこと」だと思っていて、その時、そういう空気に持っていってくれる人がいるんです。
 
僕なんですけども(笑)
 
たぶん僕、イケそうな空気に持っていってくれる人ランキングでいうと、日本だと5本の指には確実に入ると思います。
 
試しに、一度、西野を会議に呼んでみてください。
 
これまで、会議に臨む時の姿勢について、散々偉そうなことを言ってきましたが、ただ、この「イケそうな空気に持っていってくれる人」って、たぶん『天然』なんです。
 
ドラゴンボールの悟空が「強いヤツをみるとワクワクすっぞ!」とか言ってて、「いやいや、さすがに、それは主人公キャラをやりすぎできょ?」と思うじゃないですか?
 
僕、自分のことだから胸を張って言えるんですけど、本当に(ホントに!)問題が大きければ大きいほど燃えるキャラです。
 
作ったキャラじゃなくて、天然で、そういうキャラなんです。
 
クイズやナゾナゾやクロスワードパズルや知恵の輪を解くときと同じで、もう本当に目がランランしていますww
 
会議の頭では「まだ何も思いついてないけど、絶対に上手くいく」と口癖のように言っているのですが、それはパフォーマンスでもなければ、根拠のない自信でもなくて、きっと、これまでくぐってきた修羅場の数や、そこで獲得した引き出しの数が、そういう言葉を吐かせているのだと思います。
 
自分の話を自分でしちゃっているので気持ち悪いのですが、だけど、こういう「なんだかイケそうな空気に持っていくヤツ」が会議に一人いると、本当に会議の雰囲気が変わって、チームメンバーのパフォーマンスが明らかに変わるんです。
 
ナメック星の最長老みたいな仕事をする。
 
この「イケそうな空気に持っていってくれる人」って今、『運』に頼ってるじゃないですか?
 
「自分のチームに、たまたま、そういう人がいたらラッキー」みたいな感じで。
 
ただ、実行力があるムードメーカーって、あんまりいないので、チームとしては、プロジェクトメンバーの一人として雇った(外注した)方がイイと思います。
 
そういう人を目の当たりにしたことがあるチームが少ないので、あまりピンとこないかもしれませんが、そういう人が一人いると、チーム(会議)の生産性がメチャクチャ上がるので、どう考えても安上がりです。
 
以前、テイラーバートンの予算会議の様子をオンライン配信したことがあるのですが、そこそこ絶望的な状況だったのにも関わらず、メチャクチャ楽しそうにやってたみたいなんですね。
 
あれは何もオンライン配信されているから、そこを意識してやったわけじゃなくて、普段の会議からあの感じなんです。
 
アーカイブが残っているので『テイラーバートン 予算会議』で検索してみてください。
 
「イケそうな空気に持っていくヤツ」の重要性がスンゴク分かると思います。

 
 

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