クリエイティブに必要なのは「締切」
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新作至上主義(新作が偉い!)から抜け出さないと未来は無い | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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一般の人は、その作品が「新作」か「再演」かなんて知らない
タイトルで中身の全てを言い切っちゃったので、あとは誤魔化し誤魔化し時間を稼ぎたいと思います。
昨日、舞台『テイラーバートン』の幕が閉じました。
ここで自分の感想を言っても、想いがのってる分、少し贔屓した感想になりそうなので、昨日観に来てくださった鈴木おさむサンのツイートを紹介させていただきます。
舞台『テイラーバートン』
西野 作・演出
宮迫博之 主演
めちゃくちゃおもしろい!
脚本の気持ちよさ!
なにより、やはり宮迫さんのパフォーマーとしての能力!すごい!
いやー、いいもの見た!
配信あるらしいので、みなさん、是非
鈴木おさむ
いやはや、メチャクチャお忙しい中、お越しいただいて、本当にありがたいです。
おさむサンって、ホント優しい。
ただ、作品に関しては「おべっか」を言うような人じゃなくて、だからこそ、おさむサンが言う「めちゃくちゃおもしろい!」は本当に嬉しいです。
おさむサンからご案内いただいたとおり、オンライン配信チケットが出ておりますので、よろしくお願いします。
【オンライン配信チケットはコチラ↓】
https://chimneytownusa.zaiko.io/e/tayler-burton
そんな舞台『テイラーバートン』は、実は、あまり知られていないのですが、今回が「再演」なんですね。
でも、今回、劇場に来られた方および配信チケットを買われた方のほとんどが(僕の肌感でいうと8割ぐらいの方)が、「再演」であることを知りません。
厳密に言うと『テイラーバートン』を上演するのは今回で3回目なんです。
初演は2014年で…ここがポイントなのですが、当時もチケットは完売していたんです。
だけど、『テイラーバートン』のことを、ほとんどの人が知らない。
この事実が全てなのですが…日本の演劇業界は、とにもかくにも「新作至上主義」なんです。
「新作を作ったこと」が高く評価されて、「再演」は、ともすれば「使い回し」のように捉えられてしまう。
だけど、そんなこと言っているのは業界人とコアファンだけで、僕らがエンタメを届けなきゃいけない一般層は、その作品が「新作」か「再演」かなんて知らないんです。
ミュージカル『キャッツ』は初演が1981年で、かれこれ40年以上「再演」し続けているわけですけども、「再演」だと思っているのは作り手とコアファンだけで、はじめて『キャッツ』を経験する子供からすると「新作」なんですね。
過去に、『キャッツ』を観たことがあって、「『キャッツ』は面白い」という確認がとれているお父さんお母さんからすると、確かな安心感を持って子供と一緒に『キャッツ』を観に行くので、ミュージカル『キャッツ』は常に新規顧客を獲得しています。
逆に、「新作」しかやらない劇団の作品は、一般層からすると「面白いのかどうか?」の確認が取れなくて、「◯◯さんの今の頭の中が知りたい」というコアファンのニーズだけで回してしまっているので、劇団が、お客さんと一緒に老いていってしまって、新規のお客さんが取れない。
「新作を作る」のではなくて「定番を作る」
日本の演劇シーンは「新作至上主義」で、だけど、ほとんどの人は「新作」には興味がないから(というか新作は不安だから)、新規のお客さんをとる為に、今、流行りのアイドルをキャスティングして「キャストの集客力」で集客しているのが現実です。
この前、ブロードウェイで『ライオンキング』を数年ぶりに観たんです。
『ライオンキング』も歴史は古く、初演が1997年とかなので、かれこれ25年以上、再演され続けているわけですが、この前観たら、内容がブラッシュアップされていたんです。
時代に合わせたのか、上演時間も短くなっていたように思います。
さっきの話に戻りますが、「ミュージカル『ライオンキング』を一度も観たことがない」という人の方が圧倒的に多いので、一般層にとってはミュージカル『ライオンキング』は「新作」なんですね。
そう考えると、まったくの「新作」と25年間ブラッシュアップされ続けてきた「新作」とでは、クオリティーの差は歴然で、「新作至上主義」から脱却しないことには、日本の演劇シーンの裾野は広がらない(どころか、毎度毎度コストがかかってしまう)と思います。
僕らは2025年にミュージカル『えんとつ町のプペル』の大劇場版をやるんですけども、大劇場版(フルオーケストラ版)じゃないにせよ、ミュージカル『えんとつ町のプペル』はYouTubeに全編アップされています。
少なくとも、すでに100万人は観てくださっているんです。
だけど、「生で観たい」というニーズはあるだろうし、「子供に観せてあげたい」というニーズもあって、2025年の「再演」も劇場に足を運んでいただけると思うんです。
目指さなきゃいけないのはココで、「新作を作る」のではなくて「定番を作る」という思考が大事なのだと思います。
昨日、戸田恵子さんが「『テイラーバートン』、またやりましょうよ。次は3日、稽古すればできるわ」と言ってらっしゃったのですが、本当にその通りだと思っていて、新作をやる度に1ヶ月ぐらい稽古するのが当たり前になっている日本の演劇シーンに対して「定番」を目指すことを提案していきたいと思いました。
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