『所有』とは何か?

2023年03月01日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/481678

「所有」とは何か? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/481678

 
 

どの状態にある時に、これは「自分のモノだ」と思えるのか?
 

僕らはどの状態にある時に「所有している」と判断する(これは「自分のモノだ」と思える)のか考えてみたんです。
 
たとえば、「自分の財布の中」に入っていると、さすがに「自分のモノだ」と思える。
 
「自分の部屋の棚」に並んでいても、やっぱり「自分のモノだ」と思える。
 
まぁ、ここまでは分かる。
 
人から借りているものを除いて、自分の部屋の中にあるものは、まぁ「自分のモノだ」と思えるみたいです。
 
じゃあ、たとえば、自分を含めて家族6人で暮らしているとして、部屋を一歩出て、玄関に置いてあるモノはどうだろう?
 
たとえば、傘立ての中にある「傘」。
 
手元から少し離れたところに保管してありますが、これもまぁ、「自分のモノ」と思えますよね。
 
理由は、家族全員が、「この傘はアキヒロのモノだ」と認識しているから。
 
じゃあ、庭に停まっている「お兄ちゃんのおさがりで貰った自転車」はどうだろう?
 
これは「自分のモノだ」と思えるでしょうか?
 
まぁ、思えますよね。
 
理由は、家族全員が、「この自転車は、お兄ちゃんからアキヒロに譲られたモノだ」と認識しているから。
 
 
じゃあ、さらに枠を広げて、学校の帰り道に見つけた「ズズメバチの巣」はどうだろう?
 
これは「自分のモノ」と思えるかな?
 
…まぁ、「自分のモノ」とは思えないですよね。
 
同じく、帰り道の橋の下で見つけた「巨大な鯉」は「自分のモノ」と思えるかな?
 
…これも、やっぱり思えない。
 
やっぱ、さすがに家の外にあるものは、「自分のモノ」とは思えないのかもしれません。
 
じゃあ、「『所有物』とは、手元にあるもの」という結論でいいのでしょうか?
 
…でも、ちょっと待てよ。
 
先日、Voicyでも話したヤップ島の石貨(石のお金)は、大きいもので、直径3メートルとかになるから、誰も持ち歩いてないんですね。
 
財布にも入っていなけりゃ、部屋の中にもない。
 
なんか、広場とか公民館の入り口とか、丘の上とかに、ドカン!と置かれていて、移動していない。
 
だけど、冠婚葬祭の時に贈られたり、揉め事があった時なんかに「お詫び代」として支払われたりしている。
 
この時、石貨自体は移動していなくて、「公民館の前に置いてある石貨の持ち主が変わっている」だけなんですね。
 
ヤップ島の人達は、石貨を「自分のモノ」と思えているから、そうした「交換」が可能になるわけですが、では、財布の中にあるわけでもない、家の中にあるわけでもない、道端にドカンと置いてある石貨を何故、「自分のモノ」と思えるのか?
 
答えは、自分を含む島の皆が「あの石貨はアキヒロのモノ!」と思っているからです。
 
僕らは「所有」というと、ついつい「手元にあるモノ」という風に捉えちゃいますが、こうして、よくよく深ぼっていくと、「所有」と「距離」って関係ないんですね。
 
傘立てに置いてある傘も、庭に停まっている自転車も、ヤップ島の石貨も、そのコミュニティーにいる皆が「これはアキヒロのモノ」と皆が思えた瞬間に、それがアキヒロのモノになる。これが「所有」の正体なんですね。
 
共同幻想なんです。
 
でも、ヤップ島ぐらい小さな島ならいいですけども、たとえば「日本」とかいう単位になってくると、一度も顔を見たことがない有象無象がウジャウジャいるわけで、その皆が一斉に「これは◯◯のモノ」と思うことなんてできないから、公的機関が「証明書」のようなものを発行して、「これは◯◯さんのモノです」と証明してくれる。
 
その紙を皆に見せたら、「なるほど。あの山は◯◯さんのモノなのね」と皆が認識してくれて、そこで初めて、あの山が自分のモノだと思える。
 
 

皆が「アイツのモノ」と思えれば「アイツのモノ」になる。NFTがやっていることはまさにそれ
 

だけど、べつに公的機関に証明書を発行してもらわなくても、皆が、「これはアイツのモノ」と思えるのであれば、それは「アイツのモノ」になるんですね。
 
体操とかフィギュアの技とかがそうじゃないですか?
 
何か「証明書」のようなものを発行してもらっているわけじゃなくて、その技に、その技の発案者の名前がつくから、選手の間でも、お客さんの間でも、「あの技は◯◯さんのモノだよね〜」となる。「荒川静香のやるイナバウワーは格別だよね〜」みたいな。
 
技に自分の名前を付けることで、「自分の所有物」にしている。
 
NFTがやっていることはまさにそれで、公的機関の証明書なんて無いんだけど、皆が「あのNFTはあの人のモノだよね〜」と思える仕組みになっているから、インターネット上の画像に「所有感」が発生している。
 
今、NFTは「値段が上がった」だの「値段が下がった」だの、「安く買って、高く売るには?」みたいな、なんだか投機商品みたいになっていますが、そんなことよりも、家の中だけで成立していたような、「先週までお兄ちゃんが使っていたこの自転車は、今はアキヒロのモノ」みたいな共通認識(皆で思える)が、世界中でやれるようになったことと、そして、「所有とは何か?」を今一度考えさせてくれるモノとしての面白さに光が当たると最高だなぁと思います。
 
 

「シングル家庭の子供達に本を贈るNFT」が期間限定でスタート
 

今日から、シングル家庭の子供達に本を贈るNFTプロジェクトが期間限定でスタートします。
 
僕の顔面を切り取ってメダルにしたNFTで、もうメチャクチャ恥ずかしいんですけども、どんな形であれ、「支援の履歴としてのNFT」が広まれば、少しは明るい世界になるかなぁと思っています。
 
クラウドファンディングのリターン(返礼品)で、NFTが発行されるという少し珍しい形になっておりますので、時代の勉強がてら、そのクラウドファンディングを覗いてみてください。
 
※シングルファミリーの学生にビジネス書『夢と金』を1000冊贈りたい!
https://www.picture-book.jp/projects/yume-kane-gift
 

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CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!  
 
★Androidの場合
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【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!
 
 
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