大切なことはすべて「漫才」が教えてくれた

2026年09月24日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/8238306

大切なことはすべて「漫才」が教えてくれた | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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僕にとって最大の幸運であり、奇跡

 
先日、『投資村』の収録があったのですが、これが、とにかく面白かったんです。
 
仕組み自体は至ってシンプルです。
 
挑戦者が自分の事業をプレゼンし、その後に質疑応答を行う。
そして、その事業に可能性を感じた投資家から、その場で投資が集まっていく。
 
事業投資型クラウドファンディングを組み込んでいることを除けば、いわゆる「ビジネスピッチ番組」のフォーマットです。
 
ただ、結果として、ありがちな「志願者を説教する番組」にはなりませんでした。
 
その理由の一つは、「話術」だと思います。
 
現場にはプロの芸人が3人いて、要所要所で小さなボケが入るわけですが、この「小さな笑い」が、番組全体の空気をほぐし、テンポを生み、視聴者を画面に留めてくれる。
 
厳しいことを言えば、この空気感やテンポ感を、経営者だけで作るのはちょっと難しいと思います。
 
そうなると、画を持たせるために、「揉める」「怒る」「説教する」といった強い感情をアクセントとして置く必要が出てくる。
 
「笑い」で場を繋ぐのではなく、「怒り」で場を繋ぐ。
 
世の中に数多くあるビジネスドキュメンタリーには、そういう構造が少なからずあるように思います。
 
そんなことを考えていたら、ふと気づきました。
 
『投資村』での、ほんの数秒のやりとり。
絵本を作る時に考える「フリ」と「オチ」。
ミュージカルを作る時の「テンポ」。
映画を作る時の「緊張と緩和」や、後半に向けて積み上げていく「カタルシス」。
一人で喋る講演会で、どこで声を張るか。
企画会議で、どうやってプレゼンを組み立てるか。
現場で何百人ものスタッフを前に、どう言葉を届けて、一つの方向を向いてもらうか。
 
考えてみれば、僕が今やっていることの多くは、全部「漫才」から学んだことなんです。
 
「ここでは、これぐらい声を張った方がいい」
「この場面では、この言葉を選んだ方が伝わる」
「ここはいったん、たとえ話を挟んだ方がいい」
「今は説明するより、笑わせた方が空気が動く」
 
そういうことを、僕は誰かに教わったわけではなく、客前に立って、何万回もウケて、何万回もスベって、そのたびに修正し、漫才師として舞台に立ち続ける中で、身体に叩き込まれていったものです。
 
そして今、僕はその財産で食っています。
 
講演会も、企画会議も、作品づくりも、チームづくりも。
 
一見すると「漫才」とは何の関係もない仕事のように見えて、その根っこには、ずっと漫才がある。
 
そう考えると、僕にとって「漫才」というものは、単なる一つの職業ではなかったんだなと思います。
 
キャリアの最初に漫才師になったこと。
 
それは、今振り返ってみると、僕にとって最大の幸運であり、奇跡だったのかもしれません。
 
そして今、僕はもう一度、その「漫才」と向き合っています。
 
 

何年ぶりかの、僕の「原点」

 
先日、「久しぶりに漫才を書いたら、ガッツリ鈍っていた」という話をしましたが、あれから少しずつリハビリを続けています。
 
ありがたいことに、徐々に感覚が戻ってきました。
 
それが、今はものすごく嬉しいんです。
 
そして、せっかく感覚が戻ってきたのなら、いろんなパターンのネタを書いて、お客さんの前で試してみたくなってきました。
 
そこでスタッフに少々無理を言って、11月15日(日)に、来春の全国ツアーでやるかもしれないし、やらないかもしれない新ネタを、1本だけ客前で披露させてもらうことになりました。
 
会場は、『河口湖 音楽と森の美術館』です。
 
▼チケットはコチラから
https://chimney-ticket.jp/event/group/3b0d21df-b159-4149-9531-cb9698f8db28/adb32298-aebf-48e2-b4af-780a0c0387f5
 
この日は新作漫才を1本だけ披露して、その後は、そのまま『毎週キングコング』の公開収録を行います。
 
ちなみに、この漫才は収録もしませんし、配信もしません。
 
その日、その場所に来てくださったお客さんだけが見ることのできる、完全な限定コンテンツです。
 
全国ツアーでやる予定の新ネタを、あらかじめ別の場所でこっそり試して、お客さんの反応を見て、また直す。
 
これは、昔から僕がやってきたやり方です。
 
舞台に立って、笑いが起きる。
起きなかったら、次は変える。
また舞台に立つ。
笑いが起きる。
その繰り返しの中で、少しずつネタが育っていく。
 
考えてみれば、僕の原点はずっとそこにありました。
 
そして今、何十年も経った後に、また同じことをやろうとしている。
 
いろんな作品を作って、いろんな場所へ行って、いろんな人と仕事をして、ずいぶん遠くまで来たつもりだったけれど、そのすべての景色を見せてくれたのは「漫才」でした。
 
遅れてやってきた青春を、もう一度やり直しているような。
いや。
あの頃の自分が置き忘れてきた青春を、今になって拾いに行っているような。
 
11月15日。
河口湖で、一本の新しい漫才を試します。
 
何年ぶりかに、僕の「原点」を、皆さんの前に持っていきます。
 
お楽しみに。
 
 

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