社長という孤独

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社長という孤独 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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会社が本当に終わるのは、現金が尽きた時
『ジャングリア沖縄』の親会社であるジャパンエンターテイメントホールディングスが、開業後初となる決算で約173億円の最終赤字となった、という報道が出ました。
この「マイナス173億円」という数字については、ちょっと注意が必要です。
これは親会社が保有する株式の評価額を見直したことなどによるもので、「ジャングリアが1年間で現金173億円を失った」という意味ではありません。
ただ、だからといって軽く見ていい数字でもありません。
少なくとも会計上は、「当初想定していたほどの企業価値を、現在は見込めなくなっている」という判断が反映されているからです。
そして、この番組でも何度もお話ししていますが、会社が本当に終わる時というのは、評判が落ちた時でも、集客に苦戦した時でもありません。
現金が尽きた時です。
ここからは、あくまでラフな試算として考えてみます。
ジャングリアの初年度の来場者数は約100万人だったそうです。
※この数字にはテーマパークだけではなく、スパの利用者も含まれています。
開業から前半6カ月の来場者数は約65万人。
となると、単純計算で後半6カ月は約35万人です。
仮に、この後半6カ月のペースが今後の「平常時の集客力」に近いと考えて年換算すると、年間の来場者数は約70万人ということになります。
もちろん、実際には季節変動もありますし、今後の施策によって数字は変わるので、これはあくまで思考実験です。
いったん細かな変数をすべて無視して、「年間70万人」「客単価1万円」と置いてみる。
すると、年間売上は約70億円です。
問題は、この70億円という売上規模で、施設を維持するための人件費、設備費、光熱費、広告宣伝費、借入金の利払い・返済などを、どこまで賄えるのかということです。
売上が立っていることと、キャッシュが増えていることは、別の話です。
ここが黒字になる構造になっていなければ、売上を上げても、会社の現金は少しずつ流出していきます。
そして、追加の投資や融資を呼び込むためには、
「これから来場者が増える」
「客単価が上がる」
「コスト構造が改善する」
といった、将来のキャッシュ創出力を示す必要があります。
前を向いて会社を動かし続ける社長にエールを
そんなことを考えていたところ、先ほど、沖縄振興開発金融公庫が新たに『ジャングリア沖縄』に30億円を融資するというニュースが飛び込んできました。
「現金がいつまで持つのか?」
「年内がギリなんじゃないか?」
そんな声も出ていましたが、少なくとも新たな資金調達が決まったことで、当面の資金繰りには時間が生まれたことになります。
ただ、「30億円の融資が決まったから、もう安心」という話ではありません。
むしろ、「V字回復までの時間を買った」と捉えた方が近いのではないかと思います。
これは「ジャングリア沖縄」に限った話ではありません。
世の社長も、同じように、
「あと何カ月、会社を走らせられるのか」
「次の資金調達まで、どうつなぐのか」
「どうすれば、もう一度キャッシュを生み出せるのか」
という問いを、毎日のように突きつけられています。
社員には給料を払い、取引先には約束を守り、金融機関には返済をしながら、それでも「まだいける」と未来に張らなければならない。
最後に決めるのは社長です。
うまくいっている時だけではなく、数字が崩れた時、計画どおりにいかなかった時、資金繰りに頭を抱えた時に、それでも前を向いて会社を動かし続ける。
数字と向き合い、孤独と戦いながら、それでも会社を前に進めている社長という生き物に心からエールを送りたいと思います。
ジャングリア沖縄の復活劇を見たいです。
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