思うような結果が出なかった日があって、今がある

2026年08月10日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/8093533

思うような結果が出なかった日 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/8093533

 
 

第一希望が必ずしも一番良い未来とは限らない

 
8月8日、9日の2日間、僕の地元である兵庫県川西市で、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』の上映イベントをおこないました。
 
2日間の観客動員は、2420名。
(※チケット売り上げ、グッズ売り上げなどの細かい数字に関しては今日のサロン記事で全て共有させていただきますので、そちらでご確認ください)
 
今回、会場にはたくさんの子供たちが集まり、ロビーは縁日のような盛り上がりを見せ、映画を観に来たというより、お祭りに遊びに来たような空気がありました。
 
そこには、とにかく「熱狂」があって、それこそが僕らエンタメ屋がもっとも見たい景色でした。
 
ただ、最初からこの景色を目指していたかというと実はそうではなくて、Voicyでも何度もお伝えしておりますが、これは「プランB」なんです。
 
そもそも僕たちが上映イベントを始めたのは、映画公開時の初動が苦戦したことがキッカケで、「どうすれば、この作品を一人でも多くの方に観てもらえるんだろう?」という想いからでした。
 
4年半かけて作った作品が思うようなスタートを切れなくて、
申し訳ない気持ちになりましたし、みっともない気持ちにもなりましたし、
何より、悔しかった。
 
映画業界には、「映画は公開から3日の結果がすべて」という定説があります。
 
初動が悪ければ、上映館数や上映回数が減り、そのまま興行が終わっていく…というアレです。
 
ただ、『映画 えんとつ町のプペル ~約束の時計台~』に関しては、評価と数字がまったく合ってなくて、僕自身、この作品がこんなところで力尽きるとは到底思えなくて、こんなところで終わりにしたくなかったんですね。
 
だからこそ、「3日間で結果が出なければ終わり」ではなくて、その後からでも人を集めることができないのか考えてみることにしたわけです。
 
まず最初にやったのは「数字を盛ってよく見せようとするのではなくて、現状を正直に共有すること」「それによって、『応援シロ』を作ること」。
 
「知られたくない結果」ほど皆は知りたいわけで、ここを見せないと何も始まらない。
 
ということで「お恥ずかしい話ですが、今はココです」と現在地を正直に話して、そこから、逆転の策を練りました。
 
そこで僕が出した答えは「長期決戦」でした。
 
「映画を10年間上映し続ける為には、何をして、何をしたらダメなのだろう?」と考えてみることに。
 
映画館に来てもらうだけではなく、映画そのものを「イベント」にして、人が集まる理由をつくることはできないのか?という試行錯誤の先に、今回の川西での上映イベントがありました。
 
なので、初動が順調だったら、
何も問題が起きずに映画がヒットしていたら、
僕は、この2日間の景色を見ることができなかった。
 
これは以前もお話ししましたが、第一希望(プランA)が必ずしも一番良い未来とは限らないなぁと昨日あらためて思いました。
 
 

「失敗」だと思っていたものが、大きなギフトだった

 
そして、もう一つ思ったことがあります。
 
それは、「この景色を最優先しよう」ということ。
 
経営者なので、当然、収支は見ます。
 
事業として成立しているか。
キャッシュフローは大丈夫か。
投資したものをどう回収していくか。
 
それは、絶対に無視できません。
 
ですが、経営者の前に僕は一人のエンターテイナーです。
 
エンターテインメントには、目の前で人が笑い、子供たちが走り回り、町全体が少しだけ浮き足立っているような景色があって、数字では測れない価値があります。
 
僕たちは「この景色」を後回しにする会社であってはいけないと思っています。
 
今回の川西で、そのことを改めて教えてもらいました。
 
人生は、思い通りにいかないことだらけです。
経営も、思い通りにいかないことだらけです。
 
繰り返しますが、4年半かけて作った作品の初動が伸びなかった時、本当に苦しかった。
 
申し訳なかったし、みっともなかったし、悔しかった。
 
でも、今ならはっきり言えます。
 
あの時間があって、本当に良かった。
 
あの苦戦があったから、僕たちは「ならば、こっちでどうだ?」を考え、
その結果、僕の地元・川西で2400人以上の人たちと一緒に、宝物のような景色を見ることができました。
 
ここから『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』の上映イベントを各地で展開していきます。
 
皆様の街でもやらせていただきますので、是非、お越しください。
 
あらためて。
 
あの時は「失敗」だと思っていたものが、時間が経ってみると、僕たちを別の場所へ連れていってくれる大きなギフトでした。
 
だから、うまくいかないことを、すぐに「失敗」と決めつけないようにしたいと思います。
 
その出来事が、自分を連れていくのかは、その時点では分からないのだから。
 
 

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