共通のモノサシが無いエンタメの作り手が発動させる「言い訳」

2023年07月12日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/567266

共通のモノサシが無いエンタメの作り手が発動させがちな「言い訳」 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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今日は僕が前々から抱いている違和感をお話しさせていただきます

 
僕は、「お笑い」→「絵本(出版)」→「舞台」→「映画」といった感じで、エンタメ村の中の様々な地域を渡り歩いている人間なのですが、今日はそんな僕が前々から抱いている違和感をお話しさせていただきます。
 
これ、聞く人が聞くと本当に耳の痛い話なのかもしれませんが、そういう人こそ受け入れなきゃいけない現実のような気もするので、軽く嫌われる覚悟でお話しします。
 
いろんなエンターテイメントと向き合ってきて思うのは、まず「お笑い」と「お笑い以外」で大きく分けられるということ。
 
“何が”分けられるかというと、ザックリ言うと「ジャッジ」です。
 
お笑いの場合、そのネタが面白かったかどうかの最終ジャッジは誰がくだすかというと、多くの場合は「客席」です。
 
たとえばM−1グランプリにしたって、素晴らしい審査員の方々がいらっしゃって、皆さん「俺はコレが好き」という基準を持って審査に臨まれていますが、とはいえ「笑わせること」が目的の競技であることは間違いなくて、そこは審査員の先生方も十分すぎるぐらい理解されているので、やっぱり一番ウケたコンビが優勝している。
 
自分もM−1とかチョコチョコ出ていたので、「今の拍手笑いで今年の優勝はこの人達に決まりだな」みたいな空気ってあるんです。
 
それは誰も覆せない。
 
お笑いのジャッジマンは「客席」であって、べつの言い方をすると「客観」なんですね。
 
なので、お笑いコンクール系で破れ去ったお笑い芸人達は、優勝したコンビに対して、ネタの好き嫌いは別として、納得しているんです。
 
バラエティーとかでも、昔、品川庄司の品川さんが雛壇で「手柄総取り」みたいな立ち回りをしていた時に、若手芸人は皆、「なんやねん、アイツ」と言いながらも、「でも、品川は笑いをとってるしな」と納得していたんです。
 
お笑いには「客席の笑い声」という明確(残酷)なモノサシがあるので、「勝ち・負け」がめちゃくちゃハッキリしているんです。
 
「ラップバトル」もそれに近いかもしれないですね。最終的には「客席の拍手の量」で勝敗が決まるので、負けた方は悔しい気持ちはあるけれど、納得せざるをえない。
 
 
一方で、「絵本」や「舞台」や「映画」となってくると、その作品が良かったかどうかは、極めて「主観」になってくる。
 
もちろん「客席」にいる一人一人が良し悪しを決めているのは間違いないのですが、「笑い声」や「拍手の量」といった明確なモノサシがないから、「全体で共有できる勝敗」がつかない。
 
「俺はコッチの方が面白かった」「私はコッチの方が面白かった」という答えを一人一人が持っている状態です。
 
おかげで作り手の中には、「お笑い」や「ラップバトル」の時のような「納得感」は無くて、「なんで、あんなものが売れんねん。絶対に俺の作品の方がええやろ」という成仏されることのない想いを皆が持ち続けています。
 
「俺の作品の方が絶対にオモロイやろ!」という何クソ根性は活力に変わるので、健全だななぁと思う一方で、色々と「こじらせる要因」にもなっている場面をチョコチョコ見ます。
 
 

「アイツらは売り方が上手かったから」という言葉

 
「具体的に何がどうこじらせているのか?」というと、たとえば、すごくヒットした作品があったとするじゃないですか?
 
そして、その裏ではヒットに恵まれなかった星の数ほどのクリエイターがいる。
 
僕も呑み友達に「売れないクリエイター」がたくさんいるんですけども、彼らの話を聞いていると、二言目ぐらいに出てくるのが「アイツらは売り方が上手かったから」という言葉です。
 
要するに、彼らは「マーケティングが秀逸だったから売れただけで、中身は俺の方が勝っていた」と言いたいわけですね。
 
でも、その時、(毎回じゃないですが、多くの場合)第三者として覚える違和感は「いや、相手はマーケティングも見事だったし、中身も相手の方が良かったけどな」です。
 
このことを本人に伝えるかどうかは「その時の本人の体調次第」だったりするのですが、でも友達なので、なるべく正直に伝えるようにしています。
 
「アイツは売り方が上手かったから売れただけ」と自分に言い聞かせないと、クリエイターとして立っていられないのは百も承知です。
 
だけど、「お笑い」や「ラップバトル」みたいに明確なジャッジマンがいないから、「売り方が上手かったから売れただけ」という言い訳は未来永劫使えてしまう。
 
余計なお節介かもしれませんが、友達のそういう姿、見たくないんですよね。
 
「個人的にああいう作品は好きじゃない」という好みはあって当然だと思うのですが、自分が負けた理由の全てを「売り方」の一点に絞っているところには疑問を覚えます。
 
僕は「笑い声」や「拍手の量」で測られるエンタメも好きですが、そういった共通のモノサシがないエンタメも、(共通のモノサシが無いことで)いろんな形のものが見ることができて大好きなのです。
 
ただ、共通のモノサシが無いことで発生してしまうクリエイター達の言い訳(アイツは売り方が上手かったから売れただけ)は、あまり見たくないので、負けちゃった時は、「シンプルに力負けしている(かもしれない)」という残酷な現実と、「明らかに嫉妬している自分」を受け入れて、お互い頑張っていきませんか?という提案です。
 
 
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CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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★iPhoneの場合
→画面下にある変なマークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
★Androidの場合
→画面右上にある「三つの点」マークをクリックしたら、そこに『ホーム画面に追加する』が出るので、そこをポチッと!
 
【注意】
LINEアプリ(たぶんFacebookアプリも)でホームページを開いてしまうと『ホーム画面に追加する』が出ないので、その場合は、Google Chromeを立ち上げて、『https://chimney.town/』を入力して、そこから、★の手順でチャレンジしてみてねー!

 
 
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