クリエイティブに必要なのは「締切」
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海外進出の苦労とソウルメイト | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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現地スタッフとの脚本ミーティング、やっぱり議論になるのは「言語と文化の違い」
そんなこんなでニューヨークに来ております。
ミュージカル『えんとつ町のプペル』は来年の年明けに「投資家向けのプレゼン公演」を控えておりまして、今回は、そのプレゼン公演に向けたクリエイティブのテストを主におこなう予定です。
「予定です」も何も、すでに現地でのミーティングは始まっておりまして、昨日は(NY到着まもなく)現地スタッフとの脚本ミーティングが5時間ブッ通しでありました。
作詞を担当するジェスが「こういう言い回しはどうか?」や「この部分はカットできないか?」や「ここは脚本のセリフと、この後に歌う内容が被っているので、どう整理する?」など、ミーティングのテーマを事前に100個(ちょうど100個)用意してくれていて、それを片っ端から打ち返していく…という、なかなか終わりが見えないミーティングでございました。
やっぱり議論になるのは「言語と文化の違い」で、ここが難しいのが「アメリカでは、こういう言い回しはしない」という言い分が、本当にアメリカの言い分なのか、それともジェス個人の言い分なのか?がなかなか分からないところ。
「アメリカではこれがハマらない」とジェスが言っていても、ジェス個人の好みにハマっていないだけで、アメリカにはハマる…ということは可能性として全然ありえるわけで、それもあって、また別のスタッフに参加してもらって、第三者委員会みたいなのを設けていたりします。
言葉の壁を越えるためには「内臓の擦り合わせ」みたいな時間が絶対に必要
ただ、そういったラリーを繰り返していると明らかに「直訳じゃ意味が伝わらない」というポイントが明らかになってきます。
たとえば、ゴミ人間・プペルの「私はハロウィン・プペル。ゴミ人間です」というセリフがあるんですけども、これ、直訳すると「I’m just Halloween Poupelle.(もしくはMY name is Halloween Poupelle) I’m just a Trash man.」になると思うんですけど、「Trash man」って、コッチでは「ゴミ人間」という意味で受け取ってもらうことが難しくて、場合によっては「ごみ収集作業員」という意味で伝わったり、あとは、自分を卑下する時に使う「クソ人間」という意味で伝わったりしてしまう。
そうすると、「I’m just Halloween Poupelle.I’m just a Trash man.」は、「私はハロウィンプペル。クソみたいな人間っす」という意味になってしまう。
なので、ここに関しては、「ゴミ人間」というワードは使わずに、「I’m just Halloween Poupelle. I’m a Monster.」とした方が、脚本の意味が伝わると思います。
1時間半の作品となると、今みたいな微調整が2000個ぐらいあったりするんですけども、それを一つ一つチェックしていくんですね。
こんな作業をしていると、あらためて思い知らされるのが「翻訳」というお仕事の難しさです。
「英語力があればいい」という話じゃないんですね。
作品の場合だと、作品に対する理解・深い愛がないと絶対に成立しないんです。
「プペルは、この状況でこんな言葉は選ばない」という感覚や、もっと言うと、「西野がこの場面でこんなセリフを書くハズがない」という感覚を持ち合わせていないと、まず間違いなく、スットンキョウなものが出来上がってしまう。
言葉の壁を越える時というのは、互いのことを骨の髄まで知り、とことん興味を持つ必要があって、そのためには「内臓の擦り合わせ」みたいな時間が絶対に必要です。
日本とアメリカを行ったり来たりする生活で最も痛感しているのは…
僕らのカンパニーの場合だと、世界のエンターテイメント集団「STOMP」の日本人初キャストのYakoさんが、ミュージカル『えんとつ町のプペル』の「監修アシスタント」という形で参加してくださっているんですけど、彼女には(本当にお忙しい中)西野にベタ付きでいてもらっています。
Yakoさんとは2021年の東京公演からご一緒させていただいているんですけど、とにかくお互いが観たショーの感想を交換したり、僕が手がけている他の仕事の内容を共有したり、一緒にショーを観に行っては、「あそこは、ああだよね。こうだよね」とか言いながら朝方まで飲んだりして、それでようやく西野の理念や趣味趣向が共有できて、それでようやく「翻訳のチェック機能」が働くわけです。
僕なんてまだまだ「アメリカでの成功」から程遠い人間ですが、ただ、日本とアメリカを行ったり来たりする生活で最も痛感しているのは、この「擦り合わせ作業」の大切さで、「ここを後回しにすると何も生まれない」ということだけは確信しています。
本質的な翻訳をしてくれるのは「翻訳家」ではなくて(翻訳家さんが正しく翻訳してくださることもあるけど「プロの翻訳家さんだからOK」というわけではなくて)、本質的に伝えてくれるのは「ソウルメイト」だということ。
いよいよスピ系みたいな話になってきましたが、ですが、やっぱり「心で繋がっていないと、言語と文化の壁は越えられないなぁ」とホテルの部屋で黄昏ているのが僕の現在地です。
今日はこれから、今回のクリエイティブテストに参加してくれるブロードウェイのキャスト陣との顔合わせです。
朝の挨拶の瞬間から丁寧に向き合って、深いところまで繋がりたいと思います。
ブロードウェイは今日も朝から賑やかです。
それでは行ってきます。
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CHIMNEYTOWNのホームページを、
スマホのホーム画面(待受画面)に追加する方法
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【注意】
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