「日本を獲ってから、世界」という考え方じゃ世界は獲れない

2023年03月03日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/482838

「日本を獲ってから、世界」という考え方じゃ世界は獲れない | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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「日本」の延長に「世界」があるわけじゃない

 
昨日、プレミアム放送『白熱教室』の公開収録をしてまして、公開収録終わりで、収録に立ち会ってくださったリスナーさんと少しだけお話しさせていただいたんですね。
 
今、僕がニューヨークにいるのもあって、「世界(海外)」の話になったんです。
 
その中で、「世界を狙うとか言う前に、まず日本を獲れよ」という声があることを聞いたんです。
 
これは僕が直接言われたわけじゃなくて、「レペゼン地球さんに向けて、このようなコメントしている人がいた」という報告です。
 
たぶん、同じように「世界を狙う前に、日本だろ」と考える方もいらっしゃると思うので、今日はこの点についてお話しさせてください。
 
話の前半戦は以前もお話しさせていただいたので、サラッと「おさらい」になりますが…
 
僕らは「小学校」でバケモノ的な結果を出せば、「中学校」からスカウトが来て、「中学校」でバケモノ的な結果を出せば、「高校」からスカウトが来て、「高校」でバケモノ的な結果を出せば、「プロ」からスカウトが来て…みたいな感じで、「今いる場所で結果を出せば、自動的に上のステージにいける」みたいな世界線でずっと育ってきたじゃないですか?
 
スポーツでも、勉強でも。芸能のお仕事でも。
 
なので、僕らはあらゆる分野において「市内大会」の上が「県大会」で、「県大会」の上が「地方大会」で、「地方大会」の上が「全国大会」で、「全国大会」の上が「世界大会」のように捉えちゃっていますが、僕の肌感だと、「全国大会」の上に「世界大会」があるのは、かろうじて「スポーツ」ぐらいで、その他は、「全国大会」と「世界大会」は繋がってないんですね。
 
スポーツは「数字」で結果が出るので、「誰が一番足が速いか?」「誰が一番、重いバーベルを持ち上げられるか?」といった調子で、国境を超えて競えるので、言ってしまえば「世界一なのに、日本一じゃない」みたいなことはありえないんですね。
 
ですが、それ以外の分野は全然違って、たとえば、それこそブロードウェイの話をすると、今、日本の演出家で一番の位置にいる人の名前、パッと出てきます?
 
それとか、シルク・ド・ソレイユの「KA」という作品で準主役を務めている日本人パフォーマーの名前って出てきます?
 
「日本で人気の演出家」の名前や、「日本で人気のパフォーマー」の名前は言えても、ブロードウェイやラスベガスで活躍している日本人の名前は、おそらく、ほとんどの日本人が答えられないと思います。
 
みたいな感じで、「日本」の延長に「世界」があるわけじゃないんですね。
 
僕の肌感だと、「まったく別のジャンル」ぐらいの感じなんです。
 
つまり、「世界を狙うとか言う前に、まず日本を獲れよ」というのは、「プロ野球でホームラン王を狙う前に、まず、ボーリングで結果を出せよ(ボーリングで結果を出してから言えよ)」と言っているようなもので、繋がってないんです。
 
競技が違うので、使う筋肉が全然違うんですね。
 
なので、「日本の延長に世界があるわけじゃないんだよ」というのが一点。
 
 

「日本」に最適化してしまうと「世界」が遠のく

 
そして、もう一つは「日本に最適化してしまうと、世界が遠のく」というのがある。
 
これがもう本当に悩ましいところで、たとえば(たとえばですよ!!)、ニューヨークのリーディング公演の様子を撮影した動画よりも、西野が梶原宅に突撃した様子を撮影した動画の方が再生回数が回る。
 
だけど、西野が梶原宅に突撃した動画が100万再生しようが、「世界」には1ミリもリーチできないどころか、その間、世界に向けて正しくアプローチしているライバル達がいるわけだから、そこで「差」が生まれて、どんどん世界が遠くなっていく。
 
他にも、日本人同士で論破し合ったところで、喩えるなら、それはもう、「離島のお爺さん同士が口喧嘩をして、お爺さんAが勝った」みたいな話なので、本島では1ポイントも入ってないんですね。
 
知らないお爺さんが、知らないお爺さんに口喧嘩で勝ったところで、知らないじゃないですか。
 
だけど、離島では、その口喧嘩がコンテンツになっていて、離島では勝ったお爺さんに何かしらのポイントが入っている。
 
ここがメチャクチャ悩ましいところなんです。
 
「人は、自分が体験したことしか想像できない」とか「聞き手は、自分が体験したことしか聞けない」という言葉があったりしますが、似たような感じで「人は、自分が想像できることしか応援できない」というのがあると思っていて、「応援してもらおうと思ったら、皆が想像できる程度の挑戦に収めなきゃいけない」というジレンマがあったりします。
 
ブロードウェイやラスベガスで頑張っている演出家やパフォーマーさん達は挑戦の規模を落とすのは嫌だから、「日本人からの共感」というものを一旦諦めて、「いつか母国・日本の皆さんにも届くといいなぁ」と願いながら、己の身体を海外仕様に改造して頑張っています。
 
まぁ言いたいことは、多くの分野において、「日本」の延長に「世界」があるわけじゃないから、「世界を狙うとか言う前に、まず日本を獲れよ」とか言ってたら、悪戯に時間を費やしてしまいかねないので気をつけた方がイイっす…という話です。
 
 

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★iPhoneの場合
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【注意】
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