社長が「売れない商品」を作る惨劇!
今日は『「この環境じゃムリ」と言うのなら、どこなら勝てるの?』というテーマでお話しさせていただきます。
本題に入る前に「お知らせ」を2つさせてください。
ドライブインシアター追加上映のお知らせ
一つ目は、『映画 えんとつ町のプペル』のドライブインシアターの《追加上映》が決定しました。
会場は以下の通りです↓
6/24(本)イオン板橋ショッピングセンター
6/25(金)イオン板橋ショッピングセンター
6/25(金)越谷イオンレイクタウン
【鑑賞料金】
お車1台につき¥3,300(税込)
※ポップコーン2個、ペットボトル2本付き
【チケットはコチラから】 ⇒https://www.aeoncinema.com/cinema/drive-in-theater/schedule/
チケットはイオンシネマさんの「ドライブインシアター」のホームページでご購入ください。
よろしくお願いします。
そして、お知らせがもう一つあります。
スナック西野の次回ゲストは美容室NORA代表の広江さん
月に2度、僕の友達を僕の自宅に招いて、呑みながら語り明かす『スナック西野』という月額590円のYouTubeのメンバーシップをやっております。
次回のゲストは美容室NORA代表の広江一也さんです。
いろんなお店が悲鳴をあげているこのコロナ禍で、新たに5店舗をオープンしたNORAの実態を知りたくて、どうしてもお話ししたかった友人の一人です。
実店舗を持たれている方、そして、ギリギリのところでコロナと戦い続けている方のヒントとなり、エールとなるような話がたくさん聞けました。
是非、ご覧ください。
『スナック西野』に参加される方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の画面下にある「メンバーになる」をクリックしてみてください。
(※コチラ→) https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg/join
「国際映画祭に招待される」ってどういうこと?
そんなこんなで、本題です。
『「この環境じゃムリ」と言うのなら、どこなら勝てるの?』
情報キャッチが早い方なら、すでにお聞き及びかもしれませんが、今年8月にカナダ・モントリオールで開催される『ファンタジア国際映画祭』に、『映画 えんとつ町のプペル』が正式に招待されました。
ロッテルダム、上海、アヌシー…に続いて、海外では4つめの映画祭です。
先日、アヌシーのグランプリでヘタに期待させちゃったのですが、「負け」を共有するのもエンタメだとも思うので、お伝えしておくと「最優秀賞長編アニメーション賞の候補に選んでいただいた」という話です。
このへん、ややこしいですよね?
「映画際に招待されて、上映される」というのと、「グランプリに選ばれる可能性がある数本に入っている」というのがあって、アヌシーや今回のファンタジア国際映画祭は後者です。
ファンタジア映画祭は、今年は25周年を記念して、日本のコンテンツに焦点を当ててくださっているそうで、日本からもいろんな作品が選ばれています。
どれも素晴らしい作品ばかりです。
まぁ、「グランプリ」ばかりは、今日からの頑張りでどうなるわけでもなく、授かり物のようなもので、僕ができることと言えば神社に課金して神頼みするぐらいです。
今日、お話ししたいのは、「キングコング西野が海外の映画際(および国際評価)をどのように捉えているか?」という話です。
「海外」の映画祭で戦うむずかしさ
ひとえに「アニメーション映画」といっても、『一話完結のオリジナル作品』もあれば、『人気アニメ番組のどこか一話分や、スピンオフ的な作品』があります。
そして、皆さんも薄々お気づきだと思いますが、海外の映画祭から声がかかりやすいのは、『一話完結のオリジナル作品』です。
やっぱり世界中の人が、日本のテレビ放送を見ているわけではないので、『途中から始まってしまう人気アニメ番組を映画化した作品』は、ちょっと不利なんですね。
一方で、「国内の集客」を考えたら、そりゃもう断然、後者の方が有利です。
テレビで毎週放送されていて、「面白い」の確認がとれている作品の方が足を運びやすいですよね。
「テレビで毎週、映画の宣伝ができる」という広告面での強さもある。
「アタリかハズレか分からないオリジナル作品」に足を運んでくださるのは、かなりのチャレンジャーで、その絶対数は圧倒的に少ないんです。
そして、たとえ面白かったとしても、「口コミが広がる前に映画館が閉じてしまう」……というのがあるので、オリジナル作品を観てもらうのは本当に難しいんです。
例外もありますが、「海外の映画際を狙うならオリジナル作品」で、「国内でたくさんのお客さんに観てもらうならテレビ番組の映画化」……みたいな感じで、作り手は選択を迫られます。
で、「西野はどっちなんだ?」「どっちをイイと思っているんだ?」というところなのですが……
実際、玄人さん達の間では「海外の映画際で選ばれてナンボでしょ」みたいな空気もあったりするんですが……子供の頃、夏休みに胸を踊らせて『ドラゴンボール』の映画を観に行った僕からすると、その意見に手放しで賛同はできません。
そこは比べるものじゃないと思っていて、競技があまりにも違いすぎる。
実に期待ハズレな答えになっちゃいますが「どっちも素晴らしいと思っています」というのが僕の答えです。
国内の戦いと、西野の葛藤
そして、もっともっと本音の、みっともない自分を白状すると……去年末、『えんとつ町のプペル』という作品を映画館に並べさせていただいた時に、同じ商品棚には、すでにテレビ放送でたくさんの支持を獲得している素晴らしい作品がズラリと並んだんですね。それらは人気も認知も獲得していて、かけられる広告費もケタ違いで……もうね……こんなことを言うとカッコ悪いかもしれませんが、羨ましくて仕方がなかったです(笑)
それらの作品が、たまたまその立ち位置にいたら、もしかしたら僕はヘソを曲げていたかもしれませんが、“たまたま”じゃないじゃないですか?
もの凄く競争率の激しい少年誌の中で結果を出して、勝ち上がり、テレビアニメ化が決まって、そこからたくさんのスタッフさんが毎週締め切りに追われて、フラフラになりながら走って走って、ようやく手に入れたポジションであって、それは実力以外の何モノでもない。
だから、羨ましくてたまらなかったんです。
そして、これもツライのが、映画は数字で結果を出されちゃうじゃないですか?
「観客動員数」や 「興行収入」で。
そして、その結果に関しては、情状酌量の余地が無い。
「この作品は“オリジナル作品”だから、これでも、すごく頑張っている方だよね」という見られ方はしないですよね?
『映画 えんとつ町のプペル』は同時期に…
『鬼滅の刃』とか、
『ドラえもん』とか、
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』とか、
『ポケットモンスター』とか、
シリーズ史上最高の記録を打ち立てた『銀魂 THE FINAL』といったモンスター達と並べられて、
そこで、ちょっとでも数字的に負けようものなら、外野から「ざまぁ」とか言われるんです(笑)
もちろん、作り手はそんなことは言わないですよ。
皆、お互いの痛みをよく知っているので。
いつも口を滑らせるのは外野です。
「どこと比べてくれてんだよ」とも思いましたが、そういったモンスターの巣窟に飛び込んでいったのは僕なので、言い訳はできない。
まぁ、それでも、あの手この手で仕掛けて、弱小ながら頑張った方だと思います。
ただ、「一話完結」で作っている以上、僕らの主戦場は、ここからなんです。
だから、海外で結果出しに行くよ!
「オリジナル作品は商業映画の世界では不利だから…」とかグダグダ言うんだったら、「だったら、そうじゃないところで結果を出してみせろよ」という話じゃないですか?
なので、海外の映画際に関しては、さきほど「授かり物」とか言いましたが、「ここで結果を出さないとなぁ」とも思っています。
こういうところで結果を出すと、次に、国内でやる時に、たとえそれがテレビ放送されていない「一話完結」の作品であろうと、「ちょっと観に行こうかな」と思ってもらえるじゃないですか?
迎えにいく未来はなんとなくそんなところです。
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