【西野亮廣】資金調達の手段は3年おきぐらいで変わっている!

2022年10月23日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

※この記事は、2022年10月21日に掲載された「GOETHE」(幻冬舎)の記事より一部転載しています。

作品を作るにあたって、日本で重視されるのは「共感」。しかし、世界では「創造」だ!


ニューヨークでは、ほぼ毎晩誰かと会っています。
次回作の制作に集中したいのもあるし、呑み会が続くのは、あまり得意ではないのですが、人に会う(出逢いにコストを支払う)のも僕らの仕事の一つ。

ミュージカル『えんとつ町のプペル』の演出を務めてくれているウィルもまた、そうやって出会った才能の一人です。

せっかく「会いたい」「会わせたい人がいる」と言ってもらえるありがたい環境にいるのだから、そこはキチンと活かします。

昨晩は(ハシゴ酒になりました)、
一軒目はミュージカル『えんとつ町のプペル』のパーカッション振付でもめちゃクソお世話になってるYakoさんと、
二軒目は画家のチャズ・ゲスト(Chaz Guest)さんと御一緒させていただきました。

Yakoさんはニューヨークの『ストンプ』でも長年活躍されている凄腕。
チャズ・ゲストさんは、日本文化をこよなく愛する画家で、オバマ元大統領やアンジェリーナ・ジョリーも彼のファン(ホルダーで)。
ホワイトハウスにも彼の絵が飾ってあったりします。
#なんか凄いじゃん

ニューヨークでバキバキ頑張っているパーカッショニストと、世界中にファンを持つ画家と、日本の酔っ払い(カジサックのバーター)の共通言語は、やはり『作品』で、チャズさんとの御縁も『えんとつ町のプペル』が繋いでくれました。

「どうやって作っているんだ?」
「どんなメッセージがあるんだ?」
「この先、CHIMNEY TOWNはどうなっていくんだ?」 
という質問攻めが夜遅くまで(笑)。
もちろん、彼らの作品の話も。

一つの作品を生み出すのに数年かかってしまうなんてザラで、日本にずっといると、制作活動のコスパの悪さや、作り手の「対価は『やりがい』です」という慰め文句が悪目立ちして、僕たち日本人は「作品の飛距離」をついつい低く見積もってしまいます。

なので、日本の多くの才能がコスパの良い(売り上げがすぐに出る)「共感の獲得」に向かってしまっていますが(「切れ味の鋭いコメント」が共感の対象になったりしていますが)、
生まれも育ちも宗教も道徳感も貧困度合いもまるで違う多民族国家の「共感」は、日本のそれとは明らかに違っていて、「歌」や「ダンス」、さらには「普遍的なメッセージ」「社会問題」「環境問題」などを上手に描いた作品が「共感」の対象になります。
日本では「創造」と呼ばれる類のもの
です。

海外に来ると「作品」が多民族を一つにする場面に何度も出会い、その度、「作るのは大変だけど、作らなきゃ(グローバルでは)何も始まらない」と思い知らされます。
今回のニューヨークでも、改めて「共感ではなく、創造だ」と覚悟しました。

予算の作り方に「学び」があった

そんな中、作り手はいつも「お金」の不安を抱えています。
作品のサイズ(お客さんからの期待)が上がれば、それに合わせて制作費も上がるので、クリエイターの卵であろうが、超売れっ子の有名監督であろうが、「どうやって予算を確保しようかしら…」「今回は流石にヤバイ…」と、いつも頭を抱えています。

僕は、この問題と、かなり早い段階から真面目に向き合ってきました。
今では考えられないですが、当時はタレントが「オンラインショップ」を開設することすら御法度で、「BASE? 何それ? 美味しいの?」という時代がありました。
その頃から、
オンラインショップを立ち上げ(※炎上した)、
クラウドファンディングを始め(※炎上した)、
オンラインサロンを始め(※炎上した)、
今はNFT。

こうして見ると、資金調達の手段は3年おきぐらいで変わっている印象があります。
が、「3年おきぐらいで変える必要があった」ともいえます。
というのも僕が売っていたのは「こういう資金調達の方法がありますよ」という情報だったからです。

(続きはこちらから連載「革命のファンファーレ~現代の労働と報酬」】)

【西野亮廣】資金調達の手段は3年おきぐらいで変わっている!

https://goetheweb.jp/person/article/20221021-nishino-65

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