「意味のある無駄」まで省いちゃダメ

2022年08月02日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/365196

『意味のある無駄』まで省いちゃダメだよね | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/365196

 
 

フットサルのユニフォームを作りたいという話

 
昨日の夜、ちょっと面白いことがあったんです。
 
僕、サロンメンバーさんとフットサルをよくやっているんですけども、そのフットサルでよくご一緒させていただく「大矢さん」という方が旗を振って、この度、フットサルのユニフォームを作ることになったんですね。

「どうせなら、格好から入りたいよね」みたいな不純な動機だったように思います。
ちょっと前のことだから、忘れました。
 
ただ、ユニフォームを作るといっても、どれだけの人が欲しいか分からないじゃない?

もしかしたら、「フットサルには参加しないけど、ユニフォームだけは欲しい」という方もいらっしゃるかもしれない。
 
なので、何着ぐらい作ればいいのかがチョット分からなかったんです。
 
作りすぎたら在庫を抱えることになるし、足りなくなって、追加で発注するのも勿体ない。
 
当たり前ですが、ロットが多ければ多いほど、安くなるので。
 
 

「やらなくてもいいこと」で人のつながりが生まれる

 
ということで、大矢さんが旗を振って、クラウドファンディングを立ち上げることになったんです。
 
「フットサルのユニフォームを作りたい」という実にシンプルな、予約販売型のクラウドファンディングです。
 
基本的には、自分の欲しいサイズのユニフォームをリターンの中から選んで購入する…という形なのですが、リターンの中には、子供達へユニフォームをプレゼントするリターンもあったので、ただの予約販売サイトというよりも、「支援」の意味も兼ねています。
 
ユニフォームのデザインや、製造、そして、このクラウドファンディングの準備を、大矢さんが旗を振って、サロンメンバーさん同士で進めたそうなのですが、まず本当に素敵だなと思ったのは「ユニフォームを作る」という目的で、知らない人同士が集まって、話し合って、仲良しになっちゃっているところ。
 
こんなことでもない限り、出会うこともなかった人達です。
 
ポイントは「やらなくてもいいこと」です。

大矢さんにとって、そして、他のサロンメンバーさんにとって、「ユニフォームが絶対に必要だったか?」というと、勿論、そんなことはなくて、「ユニフォーム作り」なんてしなくても、彼らは普通に生きていけるんですね。
 
だけども、その「やらなくてもいいこと」を選んだおかげで、人と繋がることができて、結果、それが自分達の仕事に活きている。
 
地元のお祭りの位置に近いですね。
 
別にやらなくてもいいけど、やることで出会いがあり、交流があり、そこで生まれた関係が、たとえば町の治安を高めたり、そこで出会った人達が、たとえば子供の面倒を見てもらえたり、たとえばお店の常連さんになってくれたりする。
 
そう考えると、「自分の人生に必要ないね」と無駄をカットしていることで、失っているものはたくさんあるなぁということを、今回、あらためて思いました。
 
 

「意味のある無駄」から、活動し続けられるコミュニティが生まれる

 
そして、クラウドファンディングです。
 
目標金額を100万円に設定して、昨日の夜に「フットサルのユニフォームを作りたい」というクラウドファンディングが…一般の方による一般の方の為のクラウドファンディングがスタートしたんですが、開始2時間で目標金額の「100万円」を突破して、今なお、グイグイ伸びています。
 
ちなみに、僕は、このクラウドファンディングにはノータッチで、設計もしていなければリターンで稼働することもない。
 
そのクラウドファンディングが、一気に目標金額を達成させたわけですが、これって、すごいことだと思うんです。
 
「100万円」って大金じゃないですか?
 
そんなサクッと集められる金額じゃない。
 
でも、一気に集めた。
 
これにはカラクリがあって、大矢さんが、昨日の22時に至るまでに、「ユニフォームのデザインどうしよう?」「クラファンの文章、どうしよう?」ということを、毎日発信し続けて、「こうしたらいいんじゃない?」とアドバイスしてくださった方々が、今回、支援してくださったんです。
 
大矢さんの応援も兼ねているわけですね。
 
これ、大矢さんが一人で考えて、一人で進めていたら、昨日の22時スタートのクラウドファンディングはウンともスンとも言わなかったと思います。
 
これはそのまま商品開発や、サービス開発にも置き換えることができて、やっぱり今、コミュニティー無しに活動していくことは極めて難しくなってきている。
 
逆にコミュニティーがあれば、今回の大矢さんのケースが生まれる。
 
昔から言ってますが、「個の時代」なんてとっくに終わっていて、今は「集落の時代」だといことを、昨日、あらためて感じたので、このことを皆さんに共有したいと思い、今日はこんな話をさせていただきました。
 
まとめとしては、「無駄なものの中には、コミュニティー作りにつながる、意味のある無駄があるので、そこは絶対に省かない方が良いと思います」といったところです。
 
大矢さんのクラウドファンディングは、締め切りまで3週間ぐらいあるので、興味がある方は一度覗いてみてください。

https://www.kamofunding.com/projects/chimney01?p_token=51b32c46dc1b499b86a778361226012a

 

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