チームマネジメントの観点で見る東京五輪のゴタゴタについて

2021年06月02日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

今日は『チームマネジメントの観点で見る東京五輪のゴタゴタについて』というテーマで、お話ししたいのですが、本題に入る前に、お知らせをさせてください。

僕の絵本最新作『みにくいマルコ  〜えんとつ町に咲いた花〜』が発売となりました。
雨の日も風の日も、コロナで世界中がシッチャカメッチャカになった日も、こうして新刊を届けてくださる全国の書店さんに御礼申し上げます。

(※こちら→)みにくいマルコ ~えんとつ町に咲いた花~ | にしの あきひろ |本 | 通販 | Amazon

そして、すでに手にとって読んでくださり、さらにはSNS等で感想を発信してくださっている読者の皆様にも御礼申し上げます。

たぶん、ここで僕がタラタラと宣伝するよりも、皆さんの感想の方が真実に近いと思うので、是非、ツイッターで「みにくいマルコ」で検索してみてください。

こちらの作品はサイン本のご予約も承っておりまして、お求めの方は『キンコン西野のサイン本屋さん』で検索してみてください。

(※こちら→)https://nishino.thebase.in/items/28763178

みにくいマルコ | キンコン西野のサイン本屋さん powered by BASE

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あと、昨日、僕の先輩であり、僕が19歳の頃からお世話になっているロザンさんが、公式YouTubeチャンネルで『みにくいマルコ 〜えんとつ町に咲いた花〜』を取り上げてくださっていて、この回のロザン菅さんの考察がメチャクチャ面白いので、是非、観てください。

「みにくいマルコという物語には、本来あるハズのものが無い」という話から始まって、「それが西野の優しさであり、残酷さ」という、かなりエグった話までいっているので、超オススメです。
ロザンさんの公式YouTubeチャンネルでチェックしてみてください。

そして、お知らせがもう一つあります。

月に2回、僕の友達を自宅に招いて、酒を呑みながら、「今やっていること」や「これから仕掛けること」などを話す月額590円のYouTubeのメンバーシップ『スナック西野』をやっております。

結局、僕の場合は、お酒の席の話が、どこよりも本音だし、なんてったって一次情報なんです。
なので、それを産地直送でお届けしようというのが『スナック西野』の趣旨です。

次回のゲストは「IT評論家・尾原和啓さん」です。
先に言っておきますが、今度の話題は「空中戦」です。

 冒頭から「商品やサービスがコピーされるまでの速さが限界に達した時代に生きる僕らが、はたしてどんな発信をしていけばいいのか?」みたいな話をしていて……
途中、何を言っているか分からない人がいるかもしれませんが、「普段の呑み会の会話をそのまま届ける」が趣旨なので、そのまま話を続けています。

先々のゲストですが、「堀江貴文さん」「美容室NORA代表・広江一也さん」と続きます。

興味がある方は、僕の公式YouTubeチャンネル『西野亮廣エンタメ研究所』の動画の画面の下にある「メンバーになる」をクリックしてください。

西野亮廣 / Akihiro Nishino

https://www.youtube.com/channel/UCOy5sLcFLqYNqZ1iurp4dCg




さて。そんなこんなで本題です。

普段はあまり時事ネタに首を突っ込まないようにしている…というか、「学」が無いから、突っ込みたくても突っ込めないのですが、
このテーマに関してはチョットだけ得意領域であり、かつ、このラジオをお聴きの皆様の活動の少しは参考になるかなぁと思って、取り上げさせていただきます。

先に僕の自己紹介をしておくと、まぁ、いろんなエンタメを作っている人間でして、ポイントは「チームで進めている」というところです。
絵本もチームで作っていて、映画なんかも数百名のチームで作っています。ミュージカルとか、V Rの開発とかもチームで、それこそオンラインサロンなんてのは数万人のチームです。

リスクを回避したり、メンバーのモチベーションを上げたり、改善速度を上げたり、あらゆることを仕組み化したり……そういういくつもの課題を解決することでチームをハンドリングしながら、どうにかこうにか前に進んでいます。

自分のことを棚に上げて喋りたくはないので、ここもハッキリさせていただきますが、目指している場所にはまだまだ届きませんが、たくさん失敗しながらも、まぁ、チームとしてはそれなりに結果を出し続けている方だとは思います。
「誰が言うとんねん!という話ではありませんよ」という話です。

今日は、そういうチームマネジメントの観点から意見させていただこうと思うのですが…

今、「コロナ」と「五輪」を巡って、日本中がシッチャカメッチャカになってるじゃないですか?皆さんのお怒りは痛いほど分かります。
いろいろ納得がいかないですよね。
国や東京都のハンドリングに関しては「目も当てられない」といったところがあるのは事実です。
しかし、まぁ僕は全ての事情を知っているわけではないので、そこに関してはコメントを控えさせていただきます。

ただ一つ、「ああ、これは、勿体ないなぁ」と思うところがあってですね…

いきなり具体例を出しますが、代々木公園に建設予定だった「五輪のパブリックビューイング会場」が中止になったニュースってご覧になられました?

代々木公園の木を剪定(せんてい)して作る予定だったのですが、猛批判が起きたんですね。
木はバッサバサ切る上に、「そもそも感染症対策はどうしたんだ?」という。
なんか、3万人を動員する予定だとか何とかで、「お前、あれだけ人流どうのこうの言っといて、流石に、それは無いだろ!」と。

そりゃ、もう、グウの音も出ないほどの批判が起こって、それもあってか、今回、「中止」の発表がありました。

皆で声を上げて、その通りの結果になったわけですから、こうして声を上げることは重要だなぁと思ったのですが、
ただ、「中止」の発表を受けて「そら、見たことか!」とか「こうなるんだから最初から計画するなよ!」とか「ここまでにかかった費用はどうするんだ!」みたいな“追い討ちの批判”が起きたのですが、
チームマネジメント的に言うと、それは絶対にやっちゃダメです。

大切なのはチームが前に進むことで、その為には、間違いがあったらすぐに改善した方がいいですよね?

その為には「間違いを改善した方が得をする」という環境を作っておいた方がいいんです。

間違いを改善して、攻撃されちゃうのあれば、「間違いを改善しよう」という運動が起きなくなっちゃうので。

代々木公園のパブリックビューイング会場建設を批判して、政府がその批判を受けて「中止」という判断をしたのであれば…そこは「やるじゃん!」と全力で政府を讃えるべきです。

そうすると、政府も「あ、こうして間違ったことを改善したら、自分達の評価が上がるんだ。
次からも、間違ったことがあったら、正直に白状して、どんどん改善していこう」となるので。

これは五輪の問題に限らず、全てにおいて言えることで、基本的には「政治家を作り出しているのは自分達だ」という自覚は持っておいた方がいいと思います。

政治家が謝らないのは、本人の人間性もあるかもしれませんが、一方で、チームマネジメント的には「謝った時の取り分を設計できていない」という落ち度があって、そこに関しては、我々国民の責任です。謝った後に、さらに立ち直れないぐらい叩かれてしまうのであれば、誰も謝らない。

「怒るな」という話ではなくて、「怒る部分を決めた方がいいよね」という話です。

僕はチームを運営する上で「怒る部分」を決めていて、まず、「ミス」は怒りません。ミスを秒速で報告してくれたら、むしろメチャクチャ褒めます。
で、すぐに改善策を一緒に考える。

一方で、ミスを隠したり、嘘をついたら、メチャクチャ怒ります。
この時の僕は結構怖いです。
これは「報酬設計」の話で、ザックリ言うと、「ミスを報告したら得をして、ミスを隠したら損をするゲーム」を作っているわけですね。

たぶん、そんな感じで日本というチームを作っていった方がいいんじゃないかなぁと思います。偉そうにすみません。創作活動に戻ります。

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