クリエイティブに必要なのは「締切」
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「これまで売ったことがないモノ」を売ることを恐れる人の末路 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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今日は「これまで売ったことがないものを売ることを恐れる人の末路」という話をしたいと思います。
本題に入る前にお知らせをさせてください。
お知らせ!『プペル ~天明の護美人間~』B席C席、残りわずか!
来年1月3日〜20日に、市川海老蔵さんファミリーが総出演する新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』があります。
プペル~天明の護美人間~|新橋演舞場|歌舞伎美人
https://www.kabuki-bito.jp/theaters/shinbashi/play/737
チケットは絶賛発売中です。
昨日の時点で、B席とC席が「残りわずか」になっていました。
この機会に、是非です。
そして、今回の新作歌舞伎『プペル ~天明の護美人間~』を、より深く楽しんでいただく為というか、ただ僕が喋りたいだけというか…「キンコン西野がプペル歌舞伎のストーリーを全て喋ってしまう会」(オンライン配信)を開催する運びとなりました。
ストーリーを喋るだけじゃなくて、歌舞伎制作の裏側もズケズケ喋ろうと思います。
これらのオンライン配信チケットをお求めの方は『CHIMNEYTOWN BASE』で検索してみてください。
宜しくお願いします。
お知らせ!ミュージカル『えんとつ町のプペル』オンライン配信7000名突破
そして、もう一つ。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』のオンライン配信の参加者が7000名を突破しました。
こちらは、定点カメラで記録映像的に撮ったものではなく、撮影用に、公演を止めて、客席を一旦全部取っ払って、カメラのレールや、クレーンカメラなど、「カメラ7台」で撮った、バッキバキの本気の映像作品です。
オンライン配信特典として、「脚本・演出のキングコング西野亮廣による副音声付き配信」がありまして、こちらの副音声は「オン/オフ」のスイッチが付いているみたいなので、西野の副音声が「うるせぇ」と思ったら、切ってください。
11月29日に配信があるんですけど、驚いたことにアーカイブが3ヶ月ほど残るそうなので、何度でもご覧いただけます。
とにもかくにも超絶オススメです。
是非、ご自宅で、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』をご覧ください。
オンライン配信チケットをお求めの方は「えんとつ町のプペル オンライン」で検索していただけると、『えんとつ町のプペル オンライン劇場ZA』というサイトが出てきますので、そちらでチェックしてみてください。
ミュージカル えんとつ町のプペル | オンライン劇場 ZA
https://za.theater/events/54b16102-d98f-4dc1-9013-5079c515bea5
採算度外視で圧倒的なものを作るために
そんなこんなで、本題です。
今日は、「これまで売ったことがないものを売ることを恐れる人」についての話をしたいと思います。
今、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の公演中なのですが、この作品が他の作品と明らかに違うのは、「劇場に足を運んでくださったお客様のチケットの売り上げで回してるわけではない」という点です。
通常、舞台やミュージカルは「座席数✖️チケット料金」が制作予算となって、その中から、キャストさんやスタッフさんのギャランティーが支払われたり、美術セットや小道具や衣装が作られたりするので、作れるものに「上限」があるんですね。
すごいセットを作ろうと思っても、「座席数✖️チケット料金」を超えるものは作れないんです。
ただ、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』は、「まずは採算度外視で圧倒的なものを作って、作る過程を販売して予算を作りつつ、オンライン配信で回収していこう」という感じになっていて、「座席数✖️チケット料金」の中でやりくりすることを最初から諦めているんです。
先ほど、申し上げましたが、オンライン配信チケットが、7000枚を超えて、まだまだ伸び続けています。
これを販売し続けることで、時間をかけて、ジックリと回収していくわけですね。
予算を作っちゃダメな理由なんてない
僕らは「予算を作る」ということと「回収をする」ということをやっているわけですが、これが舞台やミュージカルの世界では当たり前じゃないんです。
「舞台セットの中に○○を入れたいな」と演出家が言ったところ、プロデューサーは「そうすると、追加で200万円かかっちゃうので、諦めてください」と言うんです。
「追加で200万円かかっちゃうから、200万円を作りにいきましょう」とか、「200万円を回収できるビジネスモデルを作りましょう」と、ならないんですね。
ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』を観にこられた方は、あの舞台セットに度肝を抜かれたと思うのですが、あんなのは、既存のやり方じゃ絶対に作れないんです。
今、この話を聞いて、どう思いました?
「いや、やりゃイイじゃん」と思いませんでした?
「それで作品が面白くなるのであれば、予算をつくりゃイイじゃん。数年スパンで回収するモデルを作ればイイじゃん」と思いませんでした?
そうなんです。
やりゃイイんです。
予算を作っちゃダメな理由なんて一つもないんだから、予算を作りにいきゃいいんです。
だけど、ほとんどの人がやらないんです。
何故か?
売ったことがないもの売ることを恐れていると詰む
これ、最近、なんとなく分かってきたのですが、人って、「売ったことがないものを、売ることを極端に恐れる」んですね。
たとえば、舞台の世界でも「グッズを販売する」とかはやっていて、これなんかは予算を作る行為ですよね。
で、グッズで、オリジナルTシャツを販売することには、何も抵抗しないんです。
これまで、オリジナルTシャツを販売しているからです。
だけど、たとえば「ミュージカルのワンシーン」をNFTで出す…ということを提案しようものなら、「いやいや、それはチョット」と言い出す。
今回のウチのミュージカルがそうだといっているわけじゃないですよ。
今回のウチのミュージカルは、そこらへんはメチャクチャ理解してくださっている。
ミュージカルのワンシーンをNFTで出すことには抵抗を示すのに、ミュージカルの衣装を着て、ブロマイドを販売することには反対しないんです。
これまで以上に予算を作ろうと思ったら、当然、「これまで売っていなかったものを売る」という作業が入ってくるわけですが、ここを皆、嫌がるんですね。
僕らは「制作過程を販売する」ということをよくやっていますが、「制作過程は見せたくない」という人もいて、その反対はすごくよく分かるんです。
ただ、ブロマイドをグッズ売り場で販売しているのに、「作品のワンシーンをNFTで販売するのはチョット…」というのは本当によく分からなくて、「何がいやなんですか?」と訊いても、「なんか、そういうのは違う気がする」という言葉しか返ってこないんです。
明確な反対理由がないんです。
今、言っているNFTの話はあくまで喩えですが、舞台の世界では、こういったことが当たり前に起きていて、たぶん、皆さんの周りでも「これまで売ったことがないものを売ることを極端に恐れる」は普通にあると思います。
ここってまあまあキチンと向き合った方がいいと思っていて、「これまで売ったことがないものを売ること」を恐れていたら、新しいアプローチができないことは勿論ですが、売れるもの(「お客さんが価値がある」と判断するもの)は時代によって変わるので、つまり、どこかのタイミングで「これからは◯◯を売るのをやめて、△△を売ってください」と時代に言われる日が来るので、その時に詰んでしまう。
これまでは「情報」が売れていたのに、「情報」が無料化してきた…みたいなことが平気で起きる。
なので、「これまで売ったことがないものを売る」ことに、抵抗を覚えている自分がいたら、少し見直した方がいいかもです。
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