負けたことがある

2026年10月26日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

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https://voicy.jp/channel/941/8335247

負けたことがある | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/8335247

 
 

 
『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』がプチョン国際アニメーション映画祭に招待されまして、ここ数日は韓国におります。
 
この先、韓国でも公開されるような気配が漂っておりまして、また公開が決まればご案内させていただきます。
 
ちなみに、台湾では先週末から劇場公開がスタートしております。
 
台湾の皆様、何卒、よろしくお願いします。
 
さて。
 
そんな中、一昨日の夜、久しぶりに『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』を最初から最後まで鑑賞しました。
 
映画というのは、我が子のような存在で、あらためて、この子のことが心から好きだと感じました。
 
自分達が生み出した作品でありながら、一人の観客として、その物語に惹かれ、心を動かされる。
 
そんな時間でした。
 
一方で、劇場公開のタイミングで、この作品をもっと多くの人に届けることができなかった自分の不甲斐なさとも、久しぶりに向き合うことになりました。
 
作品を愛していることと、その魅力を世の中に届けきることは、まったく別の話で、どれだけ愛情を注いで生み出したとしても、その価値を届けることができなければ、作り手として、親としての責任を果たしたとは言い切れない。
 
「親として、どうなの?」と自問自答しながら、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』を観る胸の痛い時間でもありました。
 
ちょっと悔しかったです。
 
一方で、「新作を届けきれなかった」という事実が、CHIMNEY TOWNや僕個人にもたらしたものの中には、結構ポジティブなものもあります。
 
 

 
やっぱり、劇場公開のあのタイミングで『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』がスマートにヒットしていたら、これまでどおり「公開から3日間で結果が出なかったら終わり」という既存のゲームにのっていたと思います。
 
今、本作は「イベント上映」に舵を切り、そこに合わせてグッズが作られ続け、映画そのものがポップアップショップのようになっていて、会社としてはかなり手堅い事業になっています。
 
これ、映画の「イベント上映」をずっと続けている会社があまりないので、「ポップアップショップのようになっている」は、ほとんどの人がイメージできないと思うのですが、生々しい話をすると(以前もお話しさせていただきました)、グッズ売り場において、「滞在時間」と「購入率」に、概ね比例関係にあると思っています。
 
売り場に入った瞬間から購入を決めているお客さんばかりではありません。
 
商品を眺め、手に取り、比較検討する時間の中で、少しずつ「何か買って帰ろう」という気持ちが生まれてくる。
 
となってくると、サービスを提供する側には「お客さんの滞在時間」を伸ばすことが求められるわけですが、それを実現するには、泣いても笑っても「商品数」が大事。
 
ただ、「映画館」での上映だと、商品棚を他作品とシェアすることになるので、並べられるグッズの種類は限定的になってしまう。
 
これだと、滞在時間は伸ばせない。
 
一方で「イベント上映」だと、グッズ売り場を全て自分達仕様にできるから、たくさん買っていただける。
 
おかげで、『映画 えんとつ町のプペル 〜約束の時計台〜』のグッズって、今も開発され続けている。
 
これは本当に大きいですが、これは「負け」が始めてくれた世界線なんです。
 
あそこで負けていなかったら、この未来は始まってなかった。
 
振り返ってみると、僕が絵本や舞台を作り始めたのも、テレビの「雛壇」が下手すぎたことが大きいと思っていて、雛壇戦争で勝っていたら、たぶん僕はあのままテレビの世界にいたと思います。
 
なるべくなら「負け」は経験したくないですが、いつも「負け」から聞こえてくるのは「お前、そっちじゃないぞ」という声で、この声に強引に手を引かれることによって、僕はよく救われています。
 
大人になって下手に経験を積み上げると、ついつい「負け」を回避するように立ち回ってしまいますが、それだと自分の間違いに気づけない。
 
そうしているうちに、どんどん世間との感覚のズレが出ちゃう。
 
だからやっぱりバットは振っていかないといけないなぁと思った韓国の映画館でした。
 
 

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CHIMNEY TOWNのホームページを、
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【注意】
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