競合の「商品」を見るな。お客さんの「予算」を見ろ

2026年06月19日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/7939782

【新規事業の作り方】商品を見るな。予算を見ろ。 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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「どのみち使われるお金」に注目する

 
僕は年間に100社以上のコンサルと、あとは、表では言っちゃいけないグローバル企業の研修のようなものをやったりしています。
 
そこではよく「新規事業はどこから考えればいいのか?」という質問があがるのですが、この「新規事業の組み立て方」にはいくつか型があるので、そのうちの一つを今日は共有させていただきたいと思います。
 
通常のビジネスをまわす時、人は「競合の商品に勝とう」と考え、そして新しいビジネスを考える時、多くの人は「まだ世の中に存在しないものを作ろう」とします。
 
もちろん、それも一つの方法なのですが、新規事業を考える時に、もう一つの見方があります。
 
それは、「人がすでに使っているが、比較検討されていない『予算』の流れを見る」
ということです。
 
たとえば、電気代や携帯電話料金、インターネット回線などがそうです。
 
僕らは毎月お金を払っていますが、そのたびに真剣に比較検討しているわけではありません。
 
気づけば契約が続いていて、気づけば毎月引き落とされている。
 
こういう「慣習的支出」とか「固定支出」といった、「生活の中に組み込まれていて、毎回の意思決定を必要としない支出」が世の中にはある。
 
新規事業を考える時の一つとして、この「どのみち使われるお金(どのみち使われる予算)」に注目することが大事です。
 
なぜなら、人は新しい出費には慎重ですが、すでに使っているお金の使い道を変えることには、比較的前向きだからです。
 
敵は「切り替えが面倒」だけ。
 
 

「市場の正体」は「見えている商品」とは違うことが多い

 
具体例を出します。
 
後輩が風船屋さんをやっているんですね。
 
僕らがお酒を呑む時は、「その席にいる経営者の事業をブラッシュアップすること」を酒の肴にするわけですが、その流れで、後輩の風船屋の事業を見た時に、まず最初に目をつけたのは「イベントのロビーに並べられる『祝い花』に使われている予算」でした。
 
友人がイベントを開催する時や、お店がオープンする時、舞台の初日を迎える時。
 
昔から「お花を贈る」という文化があります。
 
でも、よく考えてみると、主催者は本当に「花」が欲しいのか?
お客さんは本当に「花」を贈りたいのか?
 
もちろんロビーに花が並ぶと綺麗です。
 
ただ、本質はそこではない。
 
あれは、「お祝いしたい」 「応援していることを伝えたい」 「関係性を示したい」
という気持ちの表現です。
 
つまり、あれは『花市場』と見せかけて、実は『お祝い表明市場』なんです。
 
この視点に立つと、見え方が変わります。
 
勝負する相手は花屋さんではありません。
 
考えるべきは、「お祝いの気持ちを表明するための予算」です。
 
 
そこで、風船屋の後輩と共に「お祝い用のバルーンスタンド」を作りました。
 

 
※コチラです↓

【お祝い】ルビッチバルーンツリー | BALLOON TOKYO powered by BASE

https://balloontokyo.base.shop/items/147575009

 
 
ここでポイントだったのは、ただ花をバルーンに置き換えたわけではないことです。
 
贈られたバルーンスタンドの売上の一部がイベント主催者に入る仕組みにしました。
 
イベント主催者からすると、
「同じお祝いをもらうなら、お花よりもバルーンの方が嬉しい」
という状況が生まれます。
 
なぜなら、会場が華やかになるだけでなく、収益にもつながるから。
 
結果として、主催者自身が積極的にバルーンスタンドを紹介してくれるようになる。
 
ここで、「商品を売りたい側が宣伝するのではなく、 商品を受け取る側が宣伝する」という構造ができあがった。
 
この事業の成功は、バルーンが花より優れていたからではなく、「お祝い表明」という既存の支出を再設計したからです。
 
新しいビジネスというと、つい「新しい商品」を探してしまいます。
 
でも、本当に見るべきなのは商品ではなく、お金の流れなのかもしれません。
 
人が毎月払っているお金。
毎年払っているお金。
何十年も続いている慣習的な支出。
 
そこには、まだ誰も再設計していない市場がたくさん眠っています。
 
そして、その市場の正体は、見えている商品とは違うことが多い。
 
花市場と見せかけて、祝意表明市場だったように。
 
もしかすると、ビジネスのヒントは、商品ではなく、人が何にお金を使っているのかを観察した先にあるのかもしれません。
 
「商品を見るな。予算を見ろ」
という話でございました。
 
 
 
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