社長はなぜ「自分より優秀な人材」を外すのか?

2026年01月30日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/7500252

社長はなぜ「自分よりも優秀な人材」を外すのか? | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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社長(リーダー)は三種類に分類できる

 
「自分よりも弱い人しか雇わない社長」の胸の内とは、おそらくこういうものなのだろう、という話をさせていただきたいと思います。
 
CHIMNEY TOWNには日本法人とアメリカ法人があり、それぞれに常駐しているスタッフがいます。
 
加えて、ミュージカルや映画の制作においては、プロジェクトごとに集まり、役目を終えれば解散するスタッフとも数多く仕事をしています。
 
僕は「社長」や「製作総指揮」という立場で、そうした複数のチームを束ねる役割を担っています。
 
その立場から痛感しているのは、会社やプロジェクトの成果は、突き詰めれば「採用」の時点でほぼ決まってしまう、という事実です。
 
採用の段階で判断を誤れば、その後にどれだけ教育や戦略に力を注いだとしても、取り返しがつかない。
 
これはCHIMNEY TOWNに限った話ではなく、周囲の組織を見渡しても、ほぼ例外なく当てはまります。
 
採用の最終決定権を持つ社長(リーダー)は、大きく分けて、次の三種類に分類できると考えています。
 
① チームが直面している課題を正しく把握し、その解決に必要な能力を持つ人材を採用できる社長
② 自分よりも能力の低い人材しか採用しない社長
③ 自分よりも能力の低い人材しか採用できない社長
 
③は論外です。
 
もう「自分磨きを頑張れ」としか言いようがない。
 
今日、テーマにしたいのは「② 自分よりも能力の低い人材しか採用しない社長」です。
 
皆さんのチームのリーダーはどうでしょうか?
 
僕が知る限り、せっかく優秀な人材が手を挙げてくれているのに、「自分よりも能力の低い人材しか採用しない社長」あるいは「自分よりも能力が高い人材を外す社長」は意外といらっしゃいます。
 
「なんで、あんな優秀な子を採用しないの?」とか、「なんで、あんな優秀な人を外すの?」という。
 
これ、社長の性格が悪いとか、支配欲が強いとか、そういう単純な話じゃなくて、むしろ、かなり人間的で、切実な理由があると思っています。
 
 

精神的な負荷を増やさないための「防衛反応」

 
というのも「経営」って、とにかく不確実なんです。
 
売上がどうなるか分からない。
 
人が辞めるかもしれない。
 
天候も、景気も、競合も、コロナも、地震も、台風も、自分ではコントロールできない。
 
この「不確実性の塊」の中に、ずっと立たされて、最終責任を取らされているのが社長です。
 
そのような状況下で、自分よりも明らかに優秀で、判断力が高く、影響力のある人材を迎え入れた場合、どのようなことが起こり得るか?
 
自分の判断が否定されてしまう可能性が生まれます。
 
周囲の視線が、自分ではなく「より優秀な人物」に向かってしまうかもしれません。
 
場合によっては、チーム全体が「その人の判断」を求めるようになることすら考えられます。
 
つまり、自分よりも優秀な人材を採用することは、組織内の「不確実性」を増大させる行為でもある。
 
ただでさえ経営は、先の見えない要素に満ちています。
 
その中で、自分よりも判断力があり、カリスマ性を備えた人物が加わることで、見通しの立たない領域はさらに広がっていきます。
 
要するに、怖いのだと思います。
 
一方で、自分よりも能力の低い人材を採用した場合、状況は大きく異なります。
 
意思決定権は常に自分の手にあります。
 
仕事の良し悪しを判断する基準も、自分が握ることができます。
 
上下関係は明確になり、役割分担も理解しやすくなります。
 
つまり、経営という混沌の中に、「自分が完全にコントロールできる領域」が生まれる。
 
ここが重要なポイントで、自分よりも能力の低い人材を採用して安心できる理由は、「自分の方が上だから」ではなく、「不安が軽減されるから」なんだと思います。
 
いわゆる“うまくいっていない社長”が「自分よりも弱い人」を選んでしまうのは、優越感を得たいからではなく、これ以上、精神的な負荷を増やさないための、防衛反応に近い。
 
ただし、その選択には明確な代償が伴います。
 
 

「安心を選ぶ」か「不安ごと未来を選びにいく」か

 
自分よりも能力の低い人材を選び続けると、判断はすべて自分に集中します。
 
現場対応も、トラブル処理も、人材育成も、最終判断も、すべて自分が担うことになります。
 
その結果、社長自身が最も忙しい存在となり、組織は拡大していきません。
 
安心と引き換えに、将来の成長可能性を手放している状態に陥ってしまいます。
 
興味深いのは、成長していく経営者の多くが、あるタイミングでこの「安心」を自ら手放している点です。
 
自分よりも優秀な人材を迎え入れ、自分が組織の中で最も「できる人」ではなくなることを受け入れます。
 
判断を委ね、失敗の可能性そのものも引き受ける覚悟を持ちます。
 
非常に勇気のいる選択ではありますが、その瞬間に初めて、人は「現場の人」から「経営者」へと立場を移していくのだと思います。
 
「自分よりも弱い人を雇いたくなる気持ち」そのものを否定する必要はない。
 
しかし、そこに留まり続けるかどうかは、まったく別の問題です。
 
安心を選ぶのか。
不安ごと、未来を選びにいくのか。
 
経営とは、その選択を何度も突きつけられる営みなのだと思います。
 
 

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