『完成されたユーザー体験』を甘く見ない方がイイ

2025年05月31日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/6760916

「完成されたユーザー体験」を甘く見ない方がイイ | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

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オフラインでのカード申込カウンター設置は、入会促進にどれほど効果があるのか?

 
一昨日、CHIMNEY TOWNのオフィスにて、日頃よりお世話になっている業界関係者の方々と共に懇親の場を設けたのですが、そこにCHIMNEY TOWN公式VISAカード(通称:チムニーカード)を開発いただいているナッジ株式会社の皆さんもお越しになり、非常に興味深いお話を伺うことができたので共有させていただきます。
 
先週よりチムニーカードの申込受付が始まりましたが、ナッジ株式会社によると、今回の滑り出しは同社のサービス史上、過去最高の反響とのことです。
 
※申し込みはコチラから→https://nudge.cards/chimneytown
 
このチムニーカードは、利用金額に応じて台本データや勉強会の映像などの限定コンテンツが届けられる一方で、決済手数料の一部がCHIMNEY TOWNの作品制作費に還元されるという、いわば「推し活カード」です。
 
「決済手数料の一部」というのは、「本来であれば、べつのカード会社に支払われるハズの手数料の中からの一部」なので、お客様に追加の金銭的負担が発生することはなく、「いつものお買い物をチムニーカードで行うだけで、特典が得られ、さらにはCHIMNEY TOWNの創作活動を支援できる」という仕組みとなっています。
 
「誰も損をしない応援のかたち」として、僕たちとしてもこのカードを自信を持っておすすめしておりまして…そこでナッジのスタッフさんに、「オフラインでのカード申込カウンター(ブース)設置は、入会促進にどれほど効果があるのか?」という質問をさせていただきました。
 
というのも、申込は基本的にオンラインで完結するにも関わらず、商業施設の入り口などで見かける“カードカウンター”の存在がずっと気になっていたからです。
 
あれは一体、何のために設置されているのか、と。
 
結論を申し上げると、オンラインで申し込みするにも関わらず、オフラインのカードカウンターは入会促進に繋がるらしく、「カードの存在は前から知っていたけど、オフラインのブースを見て、あるいはオフラインブースで声をけられて、カードを登録される方」が一定数いらっしゃるそうです。
 
 

メチャクチャ意外だったのが「入会を決める最後の一押し」

 
そこでナッジさんに「オフラインのカードカウンターで入会を決める最後の一押しは何なのですか??」と聞いてみたんです。
 
見たことも聞いたこともない斬新な打ち手があるのではないか?と期待したのですが、返ってきた答えはメチャクチャ意外でした。
 
クレジットカードの登録を押し進める最も効果的な方法は「ガラガラ抽選会」だそうです(笑)
 
皆さん、お忘れかもしれませんが、ちなみに今は2025年です。
 
2025年に、「ガラガラができるなら申し込みをしよう」という人が結構いらっしゃるそうです。
 
2025年でガラガラのニーズが無くなってないということは、どうやら、ガラガラというものは人類が滅亡するまで無くならないですよね。
 
ナッジさんは、「カード利用者(あるいはその場で登録してくださった方)を対象に、無料でガラガラ」をされているそうなのですが、面白いことに「景品」はそれほど豪華じゃなくてイイんですって。
 
どちらかというと皆さん「ガラガラをやること」が目的になっているそうです(笑)。
 
でも、気持ちは分かりますよね。
 
あれ、なんか回したくなるし、
「ガラガラガラ〜」という音もいいし、
一回転で玉が出てこないところもいいし、
ポトンッという玉の落ち方もいいし、
当たった時の「カランカラン!」は最高で、たしかにやりたくなる。
 
「ガラガラ」はUX(ユーザー体験)のデザインが完璧すぎるんです。
 
 

「QRコードを読み取って…」そういうこっちゃないんです

 
「ガチャガチャ」とか、「お賽銭」とかもそうだと思うのですが、「完成されたUX」は本当に甘く見ない方がいい。
 
昔、「QRコードを読み取って、スマホ決済できるお賽銭」みたいなのがありましたが、そういうこっちゃないんですよね。
 
お賽銭の価値は「課金すること」ではなくて、「小銭を投げる時に発生している動きや音」なんですよね。
 
そして、その価値は2025年の今も無くなっていない。
 
もはや「ガラガラすること」が目的となっているガラガラ抽選会はまさに。
 
未体験のエンタメばかりに目が眩んで、これだけ完成されたエンタメが昔からあるのにも関わらず、自分達のイベント会場に「ガラガラ」を積極的に取り入れていなかったことに少し反省しました。
 
ミュージカル『えんとつ町のプペル』の会場ロビーには必ず「ガラガラ」を置くようにします。
 
 

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