『ストーリーエコノミー』を考える



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『ストーリーエコノミー』を考える | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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「作品そのものをヒットさせる」だけでは、長く続けるのは難しい
今日は「ストーリーは何の為にあるのか?」「ストーリーを最大限活用できているか?」みたいな話をしたいと思います。
映画やアニメ、舞台など、いわゆる“コンテンツ”を作っている人たちは、おしなべて「作品のヒット」を願っています。
一生懸命作ったのだから、当たり前ですよね。
ですが、たとえば舞台作品の場合だと「満席でも赤字」ということが珍しくありません。
資材が高騰している現代では尚のこと。
それで言うと、ブロードウェイはその当たりの仕組みが良くできていて、「ブロードウェイ作品」というブランドを使って、作品のフランチャイズ化をかなり積極的におこなっていて(フランチャイズのノウハウもコミュニティー内で共有されていて)、「ブロードウェイ公演だけだと赤字だけど、海外に権利を売ることで黒字にしている」ということが当たり前のように起きています。
日本の舞台も時々、地方公演をおこなっていますが、ああいったフランチャイズが、行き当たりばったりではなくて、かなり仕組み化されています。
もっとも、舞台に限らず「作品そのものをヒットさせる」だけでは、長く続けるのはとっても難しい。
理由はシンプルで、作品そのものは“消費”されてしまうからです。
たとえば、映画。
映画は公開初週がピークで、そこから売上は右肩下がりになっていきます。
興行収入だけに頼ってしまうと、どうしても“短期決戦”になってしまう。
そこで重要になってくるのが「マーチャンダイズ」、つまり“派生商品”です。
映画を観て感動したお客さんが、「あの世界をもっと楽しみたい」「何か手元に残したい」と思ったときに、それに応えるグッズや体験が用意されているかどうかで、その作品の“寿命”が変わってきます。
わかりやすい例で言うと、ディズニーの『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』。
実はこの作品、1993年の公開当初は、そこまで大ヒットしたわけじゃありませんでした。
ですが、その後、アメリカの小売チェーンでグッズ展開を始めたところ、初年度から爆発的に売れて、今では一部の店舗で売上の90%がこの作品のグッズという驚異的な数字を叩き出しているそうです。
さらにスゴいのが、この作品は“ハロウィン”と“クリスマス”という年に2回のイベントを跨いでいるので、毎年リバイバル的に売れる。
まさに理想のマーチャンダイズモデルです。
逆に日本の映画業界では、「グッズはパンフレットと缶バッジ」みたいな感じで軽視されがちですが、これは本当にもったいない。
ストーリーには【デザイン】が必ず必要になってくる
映画や舞台やドラマ…つまり「ストーリー」は、そもそも“巨大な広告塔”です。
「見せて終わり」じゃなくて、「観た人がその世界をもっと楽しめる準備をしておく」ことが、今、作り手には求められています。
そういう風に考えると、「ストーリー」には、【デザイン】が必ず必要になってくる。
多くの劇団は公演直前になってグッズの開発会議をひらいて、劇団の主宰の「ロゴが入ったTシャツとか作ったらよくね?」という思い付きを形にしていたりするのですが、あれは、「ストーリーの無駄遣い」です。
せっかく素晴らしいストーリーを、せっかく素晴らしい世界観を作ったのに、マーチャンダイズの意識が低いがために、「終演後にしか売れないグッズ」を作ってしまって、作品の寿命を縮めてしまい、それによって、「次の作品、次の作品」という自転車操業に追い込まれる。
「アニメのフィギュアが何の為にあるのか?
どんな役割を果たしているのか?」を深く理解する必要があります。
「フィギュアで作品の売上を作る」という側面も勿論あります。
その一方で、ファンの方はフィギュアを購入したら、部屋の棚に飾り、そのフィギュアを眺めます。
そこで、そのフィギュアがとっているポーズを見ては、シーンを思い出して、作品のことを想う時間が生まれるわけですよね。
かつて、SHOWROOMの前田さんは、この「想ってもらう時間を増やすアプローチ」を「可処分精神をとる」と表現されましたが、まさにそれ。
想ってくれる時間が、「次回作までの時間」を繋いでくれたり、次回作の集客に繋げてくれます。
マーチャンダイズというと、ついつい「お金」だけの話になりがちですが、この「想ってもらう時間」のデザインまで込み込みで、映画屋さんや、舞台屋さんや、映像屋さんは、自転車操業的な作品制作から抜け出したければ、その先の体験設計まで徹底的に見直す必要があります。
「いつまでプペルをしがんどんねん」は完全に負け組の思想
一昨日、今年の夏のミュージカル『えんとつ町のプペル』のグッズのマグカップ(チムニーマグ)の先行予約販売がスタートしたのですが、すでに300個を超える御予約を頂戴しています。
#本当にありがとうございます
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『えんとつ町のプペル』はイベント当日だけグッズを販売しているわけではなくて、ちゃんとグッズ開発チームを作って、こうして、次のイベント(次の新作)までの期間にグッズを出して、丁寧に丁寧に繋いでいます。
そして、これは念を押して言っておきますが、よくアンチの方が言う「いつまでプペルをしがんどんねん」というツッコミにのっちゃったら絶対にダメです。
それはエンタメビジネスの観点から見ると、完全に負け組の思想で、何十年頑張ってもいっこうに活動が資産化されてない自転車操業スタイルの後押しなので。
仲間と共に汗を流してようやく生み出した「ストーリー」を最大化するためにはどうすればいいのか?
守りきる為にはどうすればいいのか?
ひとつ確かなことは「マーチャンダイズを放棄した作品の寿命は極めて短い」ということです。
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