株式会社CHIMNEY TOWNと株式会社幻冬舎で『パートナーシップ契約』を締結
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『ピーターパン』への愛が爆発しちゃいました!! | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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あらためて思ったのですが、『ピーターパン』は面白すぎるっ
看板も出してなけりゃ、ホームページも無けりゃ、住所も非公開の『CANDY』というスナックが都内某所にありまして、一昨日、このスナック『CANDY』に各業界のトップランナーが集まる会があったんです。
FR2の石川涼さんとか、Bリーグのチェアマンの島田さんとか、海外展開もバキバキやっている美容室NORAの広江さんとか、幻冬舎の袖山さんとか、アメリカの配給会社の社長さんとか、ミュージカル『えんとつ町のプペル』のニューヨーク版の投資家さんとか、アメリカのAIアニメーションチームのトップとか…そういう面々です。
そんな会に、ファミリーミュージカル『えんとつ町のプペル』の演出の吉原光夫さんと、キャストの高橋伊久磨さんも来てくださって、皆でザックバランにワイワイと喋ったのですが、その中で『ピーターパン』の話になったんです。
前に光夫さんとミーティングした時に「明日、ホリプロさんがやっているミュージカル『ピーターパン』を観てきます!」と言ったので、「『ピーターパン』どうでした?」と聞かれたわけです。
そんな話を聞いてくれる人もなかなかいないので、「ここぞ」とばかりに演出の件と、運営の件(主に集客方法)について正直に全部喋ったのですが、喋れば喋るほど、自分の中にある『ピーターパン愛』に気づきまして、昨日(呑み会の翌日)朝起きて、いてもたってもいられなくなって、あらためて『ピーターパン』のことを調べ倒したんです。
「原作ではどう表現してたっけな?」というリサーチから、あとは、「皆が『ピーターパン』をどう表現しているか?」を知りたくて、『ピーターパン』関連の映画を(1.5倍速で)5本観ました。
そこで、あらためて思ったのですが、『ピーターパン』は面白すぎるっ!!
「俺なら、このシーンは、こう表現する」つい考え込んでしまう表現がたくさん
作家のジェームス・マシュー・バリーが『ピーターパン』を世に出したのは1904年とかで、かれこれ100年以上前なのに、まだリメイクされ続けているのですが、ここまで愛され続けるには理由があって、「そもそも物語のテーマが普遍的である」ということ以外に、「どうとでも解釈できる表現だらけ&メタファー(隠喩)だらけだから、リメイク版の作り手にとっては、極上の大喜利の素材になっている」というのが確実にあると思うんです。
「俺なら、このシーンは、こう表現する」と、ついつい考え込んでしまう表現が原作にはたくさんあるんです。
たとえば、原作には「ピーターパンは、大人になった子供を間引いていた」みたいな表現があったりするのですが、「間引く」は「ネバーランドから追い出す」ともとれるし、「殺す」ともとれるんですね。
後者の「殺す」をとった場合、フック船長は「ピーターパンが殺し損ねて大人になってしまった元・子供」というキャラ設定になり、そこから話を膨らませることができる。
メタファーに関して、たとえば物語の冒頭でウェンディがピーターパンにキスを迫るシーンがあるんですけれど、あれはキスを知っているウェンディとキスを知らないピーターパンで、「大人になりかけている子供」と「子供のままの子供」の対比を見せているわけですね。
ピーターパンが「子供」で、フック船長が「大人」で、ウェンディが「大人になりかけている子供」という絶妙な三角関係を、「キスを知らないピーターパンと、キスをしかけて、やっぱりやめるウェンディ」で見事に表現しているのですが、リメイク版のピーターパンとかで、ピーターパンとウェンディが普通にキスしちゃって、ピーターパンがメチャクチャ元気になるシーンとかがあったりなんかすると、西野的には「ピーターパンがキスを覚えちゃダメじゃん!!」なんです。
あと、日本の舞台で表現する時の話なんですけども、「キス」というのは「子供と大人の対比」のメタファーであって、前面に打ち出さなきゃいけないのは「ピーターパンは子供」「ウェンディは大人になりかけている子供」であって、「キス」という表現にこだわる必要は無いと思うんです。
というのも、日本の「キス」って本気じゃないですか?
恋愛がかなり進行した時に発動する技じゃないですか?
なので、部屋に入ってきたばかりのピーターパンにウェンディーが「キスしましょう!」というのは、日本だと違和感しか無いんです。
ウェンディが淫乱すぎて、若干、笑っちゃうんです。
なので、日本で『ピーターパン』をやる場合は、あのシーンは「キス」以外の方法で「子供」と「大人になりかけている子供」の対比を見せた方が良いのかもしれません。
ついでに言うと(どんだけ言うねん!)、リメイク版でいくつか見られた表現なのですが、フック船長が時計を叩き割るシーンが結構あるんです。
時計を叩き割る理由は「チクタクワニを思い出してしまうから」というところだと思うのですが、以前もお話ししましたが「チクタクワニとフック船長の関係」って、「時間に追われる大人」のメタファーだと僕は思っていて、そうすると、フック船長が「時計を叩き割る」は絶対にやっちゃダメで、フック船長のまわりは時計(時間)が進んでなきゃいけなくて、むしろ時計を叩き割るのはピーターパンの仕事だと思うんです。
「時間が止まった永遠の少年」なのだから。
ここまで気持ちがコミットしたのは初めてで…
リメイク版の脚本って、ピーターパンオタクからすると、とにかく「雑」で、そんなことを考え始めたら止まらなくなっちゃって、映画を5本観た後に、ついに『ピーターパン』のブロットを書き始めてしまいまして、そのまま日をまたいで朝の5時までブッ通しで『ピーターパン』漬けの1日となりました。
今、ミュージカルの日本版とブロードウェイ版と、あとは映画の続編で『えんとつ町のプペル』だけで3本作っているのですが、これが終わったら本気で『ピーターパン』を作りにいってやろうかなと思い始めています。
自分以外の人が生み出した作品にここまで気持ちがコミットしたのは初めてで、2年後とか3年後とかに急に「ピーターパンやります!」と言い出すかもしれないので、その時は宜しくお願いします。
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