株式会社CHIMNEY TOWNと株式会社幻冬舎で『パートナーシップ契約』を締結
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「やりがい」に逃げないゾ! | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム
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この舞台を「ほどんど誰も知らない」ということは絶対忘れちゃいけない
いよいよ本日より舞台『テイラー・バートン』の稽古が始まります。
今日からスタートして、今月27日には「ゲネリハ(関係者向けの公演)」というスケジュールですから、稽古日数はかなり短いです。
加えて、お忙しいキャストさんばかりで、皆さんが稽古の全日程に参加できるわけじゃなかったりするので、「ここからは1秒も無駄にできないゾ」という緊張感が現場に漂っております。
とくに、共演者のラインナップに面をくらっている俳優の阿部よしつぐサンは、今にも泣き出しそうなので、どうか皆様、小動物を愛でるような感じで阿部サンを見守っていただけると助かります。
そんな中、今日は皆さんに舞台制作の裏側と課題、そして、その解決策などをお話しさせていただきます。
まずは自戒を込めてこの件からお話しすると、舞台作りって本当に大変なんです。
舞台の準備というのは、稽古開始よりも、もっともっと前から始まっているので。
かける時間が長く、過ごす時間が濃いので、どうしても気持ちが強く入っちゃって、頭の中は舞台のことでいっぱいになっちゃうのですが、だけど、自分が今全力で向き合っている舞台は、ほどんど誰も知らない。
このことは絶対に忘れちゃダメだよなぁと思います。
流し見かもしれないですが、テレビはウン百万人、時にはウン千万人が観ていて、映画は『えんとつ町のプペル』でいうと200万人。
YouTubeの『毎週キングコング』でいうと、毎週20〜30万人。
Voicyは毎日5万人ぐらい。
これが舞台となるとウン千人になってきて、日本の人口からしてみれば「そんなのやってたの?」というレベル。
届く人数が少なければ少ないほど、自分達のことを好意的に(少し贔屓して)見てくださる方の割合が大きくなるので、どうしても賞賛の声が集まりやすい。
それが悪いというわけじゃなくて、作り手としては「そういう性格のものと向き合っている」ということは忘れちゃダメだよなぁと思います。
舞台人がちゃんと食っていけるビジネスモデルを構築しないといけない
次に「運営」のこともキチンと共有しておきます。
舞台には「やりがい」が付き物で、「やりがいがあるから」で色々なモノを誤魔化しがちですが、舞台作りに関わる人には生活があって、ご家族がいます。
そこには「やりがい」では誤魔化しきれない現実があって、運営サイドとしては全力で守り切らなきゃいけないと思っています。
もう少し踏み込んで言うと、「チケットとグッズ以外の収益源を開拓して、舞台人がちゃんと食っていけるビジネスモデルを構築しないといけない」と思っています。
僕がプロデュースのバトンを受け取ってからというもの、マメに「予算会議」をしていて、このあたりはかなりシビアに見ています。
そんな中で、現在バキバキやっている最中のクラウドファンディングのリターン(返礼品)が昨日、二つ増えました。
一つは、舞台『テイラー・バートン』の脚本です。
(コチラ→https://www.picture-book.jp/projects/taylorburton/rewards/35993)
先日、スタッフさんに「キャストさん、スタッフさんが使う脚本はどういうものになりますか?」と質問したところ、『プリントをホッチキスで留めたもの』という答えが返ってきたんです。
予算のことを考えた結果、そういう結論に至ったと思うのですが、もっと予算のことを考えると、脚本は表紙からキチンと作って、まとまった数を業者に発注して、そして、キャスト・スタッフが使う脚本と同じものを、客席で販売すりゃいいと思いました。
脚本の販売で印刷代ぐらいは回収できるし、キチンとした本があれば現場の温度も少しだけ上がるじゃないですか。
脚本販売の目的はその二つなので「在庫リスク」を抱えないように事前にクラウドファンディングで販売して、そして「送料」をかけないように、購入いただいた脚本は「会場(東京キネマ倶楽部)で受け渡し」という形をとらせていただきます。
追加したリターンの二つ目は「稽古場見学」です。
(コチラ→https://www.picture-book.jp/projects/taylorburton/rewards/36022)
これは今回の舞台ならではだなぁと思うんですが、宮迫さんと、木下さんと、僕がいる以上、本番で絶対に使わないであろうアドリブが稽古場でたくさん飛び出てくると思います。
それを自分達だけで味わうのはあまりにも勿体無いので、クラウドファンディングのリターンで「稽古場見学チケット」を出しました。
見学に来られるお客さんが渋滞しないように、(時間ごとに)3グループに分けて見ていただくことに。
指定された時間内であれば何時に来て、何時に帰っていただいても(途中、お昼ご飯休憩で抜けていただいても)構いません。
これもクラウドファンディングのリターンで出しているということは、予算の足しになっているわけで…脚本の販売しかり、一発逆転の施策なんて本当に無くて、ウン十円、ウン百円の積み重ね(気が遠くなるような資金繰り)で舞台を作っています。
キャストさんのお子さんの顔とかを見る度に、「この問題からは絶対に逃げない」という気持ちが湧いてきますね。
業界が後回しにしてきたことと向き合えば向き合うほど、面倒な問題が次から次へと生まれてくるのですが、だけど、すっごく勉強になっていて、僕は今、43歳なんですけども、この歳になっても勉強させていただく機会というのは本当にありがたいと思っています。
月末まで、舞台『テイラー・バートン』の話題が多めになりそうですが、その裏側を包み隠さずお伝えするので、お付き合いいただけると嬉しいです。
それでは稽古に行ってまいります。
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