プロデューサーの仕事は『なんとかすること』

2023年06月08日

書いた人:西野 亮廣 公式LINE

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/channel/941/544605

プロデューサーの仕事は「なんとかすること」 | 西野亮廣(キングコング)「西野さんの朝礼」/ Voicy - 音声プラットフォーム

https://voicy.jp/channel/941/544605

 
 

バンドザウルスを手掛ける「たけだなな」プロデューサーの話

 
今日は、最近僕の身の回りで起きた「めちゃくちゃシンプルだけど、めちゃくちゃ本質的な話」を皆様に共有したいと思います。
 
まぁ、結論はタイトルそのまま「プロデューサーの仕事は『なんとかすること』」なんですけども…
 
今、僕らはバンドザウルスといういかがわしいプロジェクトを進めています。
 
世間的なニーズはさして無いと思うのですが、個人的に「AI×クリエイティブ」の可能性を探るのが楽しくて、一人のインターン生の人生を犠牲にしながら進めております。
 
そのインターン生というのが今日の話の主人公なのですが、「たけだなな」という名の大学院生です。
 
ちなみに言うと、Voicyのパーソナリティーであり、そして、バンドザウルスのプロデューサーです。
 
Voicyはいつも結構面白いことを喋っているので、良かったら聴いてやってください。
 
残念ながらバカみたいな声をしているので、流し聴きすると、「バカが何か喋ってる」という感想に落ち着いてしまうので、流し聴きをせずに踏ん張ってください。
 
彼女のラジオを聴くには忍耐力が必要です。
 
 

それはプロデューサーの仕事じゃない

 
さて。
 
そんな「たけだなな」プロデューサーが手掛けるバンドザウルスですが、先週日曜日に配信された『毎週キングコング』にてチョットした動きがありました。
 
なんと、カジサックが「俺もバンドザウルスに入りたい」と言い出しまして(…いや、僕が誘い水を出したな)、とにもかくにも、カジサックの恐竜マスクを急遽作ることになったんですね。
 
と、同時に、「バンドザウルスの初舞台の場所をもう決めてしまおう!」と。
 
締め切りができた上に、創作物が増えたわけです。
 
とにもかくにも、早急にカジサックの恐竜マスクを作らないといけなくなったわけです。
 
踏み込んだことを言うと、「7月末に舞台『テイラーバートン』があるから、その舞台の美術セットをバックにバンドザウルスのアーティスト写真を撮ろう」という話になりまして、なので、カジサックの恐竜マスクはそれまでに完成させなきゃいけない。
 
ところがです。
 
バンドザウルスのマスクを作ってくださっているのはフジテレビの美術さんなんですけど、なんと、そのフジテレビの美術さんは、フジテレビの夏のイベントの準備で今動けないといいます。
 
そんなこんなでタケダPから「美術さんが7月末からしかマスク制作に着手できないらしく、カジサックの恐竜マスクの完成は早くても8月下旬になりそうです!」と連絡が来ました。
 
まぁ、事情もよく分かるし、「そりゃ仕方ないよね」というところだと思うのですが、西野はこれに対して「NO」を出したんですね。
 
「それはプロデューサーの仕事じゃない」と。
 
これは浮世離れした考え方なのかもしれませんが、ですが少なくとも僕がいる世界では、「かくかくシカジカ、このような理由で、これは実現できませんでした」がまかり通るなら、プロデューサーは要らないんですね。
 
それはADさんの仕事なので。
 
 

どんな手を使ってでもなんとかするのがプロデューサーの仕事

 
じゃあ、プロデューサーの仕事とは何かというと、「八方手を尽くして、なんとかする」なんです。
 
まともにやるとできないことぐらい全員分かってるんです。
 
それをなんとかする為にプロデューサーが存在するんです。
 
たとえば、これはプロデューサーの仕事でも何でもないですが、僕、先々の舞台の演出の指示書に「ステージの幕が生きているように、自らの意思で動く」という一文があるんです。
 
これに対して、一番手前にある答えは「布は意思を持っていないので無理です」です。 
 
その奥にある答えは「調べたけど、動かし方が分からなかったので無理です」です。
 
ここまではADさんの仕事なんですね。
 
じゃあ、プロデューサーはどう動けばいいかというと、散々調べたおして、「シルク・ドゥ・ソレイユの『KA』という舞台の幕が、生きているように動いていた」という情報を手に入れて、どうせその技術は公開されていないから、シルク・ドゥ・ソレイユの関係者と繋がって、一緒に飲みに行けるチャンスを貰えたのなら、明日の朝イチの飛行機に乗ってラスベガスに飛んで、そこで飲みに行って、「シルク・ドゥ・ソレイユの幕のカラクリ」を聞き出す。
 
そして、それをチームに共有する。
 
「ちなみに、シルク・ドゥ・ソレイユの幕は、こうやって動かしているみたいですよ」と。
 
それがプロデューサーの仕事です。
 
 
どんな手を使ってでもなんとかするのがプロデューサーの仕事であって、繰り返しますが、「一件断られたから無理でした」はプロデューサーの仕事じゃないんです。
 
てなわけで、タケダPには、色々と打ち手は提案しましたが(この提案はインターン生ボーナス)、ただザックリ言うと、最終的には「なんとかしろ」と伝えました。
 
「なんとかしろ」は何の指示にもなっていないし、何のアドバイスにもなっていませんが、プロデューサーに対する「なんとかしろ」は、ラーメン屋さんに「ラーメンを作ってください」と言っているのと全く同じで、なんとかすることがプロデューサーの本分なんです。
 
プロデューサーを目指す人はココは絶対に履き違っちゃダメで、僕も半分ぐらいプロデュースの仕事をしているので分かりますが、プロデューサーの仕事って、毎回といってイイほど方程式(解き方)の無い、極めてクリエイティブ&根性の仕事なんです。
 
たとえるなら、急に「明日までに5,000万円用意してください」と言われるような仕事です。
 
 

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